ゼネコン・建設業界のM&A動向や事例は?実施のメリットから注意点まで解説!
ゼネコン・建設業界のM&Aは、人材不足や後継者不足といった問題を解決する手段として増加傾向です。ゼネコン・建設業界のM&Aには、売却側と買収側にそれぞれメリットやデメリットも存在します。ゼネコン・建設業界のM&Aを行うには、事例や相場を理解することが大切です。
目次
ゼネコン・建設業界のM&Aの動向と課題
ゼネコン・建設業界の特色
顧客や消費者における建設業界の市場規模では、1992年度で84兆円といった規模にまで拡大する動向がありましたが、公共の工事における発注量が減ったことや、民間の設備投資工事が減ったことが原因で縮小し続けており、2010年では半分の42兆円まで減少しています。
2011年を過ぎてからの動向は、東日本大震災の被害の復旧や復興、安倍政権が実施した経済政策、東京五輪へのインフラの整備といった背景により約50兆円付近を推移しています。
ピークであった2000年の建設許可業者数は、2018年の3月末までに22%程度も減っている動向が目立ちます。
建設にかかる資材価格は、2015年の平均を100で表した指数で見た際には、足元で約110%の動向であり、高水準を保っています。
また、昨今では建設投資が増えていることが要因となり、人手が足りない問題も深刻化し、工事が遅延してしまうケースも増加しています。
建設業に就いている人は、全産業における平均と比較し高齢化している動向であり、労働力を確保することが課題です。
ゼネコン・建設業界のM&Aの現状と動向
ゼネコンが属している建設業界では、特性によって規模の効果が得られにくくなっており、企業間での統合では入札の機会が減ってしまうデメリットが存在しますので、業界再編は困難な動向だと分かります。
ですが、近年では建設業界におけるM&A事例が増加する動向にあり、人材の獲得や事業エリアの拡大を目的にした買収だけでなく、技術力やノウハウを得るためにゼネコン同士でM&Aが行われることも多いです。
また、同業種の企業間におけるM&Aに限らず、設備工事会社やハウスメーカーでのゼネコン買収事例もあり、ゼネコン業界が再編するタイミングともいえます。
ゼネコン・建設業界の今後の課題
建設業界の抱えている課題のひとつとして、前述した人手不足があります。
少子高齢化が進んでいることもあり、さまざまな業界で労働者が足りていませんが、その中でも特に建設業界では職人が高齢化しており、人手不足が目立っている状態です。
国土交通省が行った調査では、建設業で働いている労働者のうち34%程度が55歳を超えており、高齢化が深刻化している動向があることがわかります。
29歳よりも若い労働者が全体の11%程度と非常に少なく、専門的な技術や知識を継承する若手を育てることが重要です。
また、他の業種と比べ労働する時間が長いことも、建築業界が抱えている課題です。
厚生労働省が行った調査では、令和3年における建設業の月間での実労働時間は、約165時間でした。
これはすべてに産業の平均である約136時間と比較した際に、建設業の労働時間が長いことは一目瞭然です。
建設業においては、労働時間を減少させてしまうと工期の遅れに繋がり、結果売り上げが減ってしまうリスクが存在します。
そのため、ある程度無理をしてでも納期までに完成させようという考えから、週休2日制が実施できていないケースが多いです。
しかし、年々建築業における月間の実労働時間は減少傾向ですので、業界における労働環境が徐々に改善されている動向があります。
ゼネコン・建設業界のM&Aの流れ
ゼネコン・建設業界のM&Aの流れは、以下通りです。
①M&Aの選定・交渉
事業譲渡や事業売却を実施する場合、はじめにM&Aの仲介会社といった専門家に相談や依頼するケースが多いです。
自社が希望する条件を仲介会社に提示することで、M&Aを行う相手先の候補を絞り込め、最適なスキームでの選択および交渉、手続きを代わりに行ってくれるといった、サポートが受けられます。
自社で独自にM&Aに取り組むよりも、効率よく事業の譲渡や売却が実施可能であり、近年は無料で相談可能な仲介会社も増加しているため、気軽に相談してみましょう。
M&Aの仲介会社に希望条件を伝えれば、自社の希望に適した企業をいつくか選んでもらえます。
②基本合意の締結
いくつか候補が定まったら、候補の企業に対し打診します。
打診の結果、相手先から好感触が感じられたら、トップ同士で会談しM&Aを進めていく意思に関して確認を行います。
トップ同士で会談および交渉を行った後に、大筋により事業の譲渡や売却に対し合意が獲得できた際に、基本合意書の締結が可能です。
基本合意書は、M&Aにおける最終契約締結に至るまでに協議される過程で結ばれる、基本的な内容を定めた書類です。
基本同意書には、最終合意と非常に近い内容が記載されていることもあれば、交渉で内容が変わることを前提に記載されていることもあります。
どちらの場合でも、最終合意に関して定められたものではありませんので、次の段階で行われるデューデリジェンスにより内容が変わる可能性も十分に存在します。
③デューデリジェンス
買収を行う企業が売却する企業に対し税務や財務、法務状況について調査することをデューデリジェンスと呼びます。
最終条件交渉をどのように進めるのか、M&Aを実行した後の対応はどのように行うか検討を行うので、投資の対象になる投資先や企業価値、リスクなどに関して細かく調査が行われます。
④最終条件交渉
基本合意書の締結やトップ面談およびデューデリジェンスを前提とし、最終契約に向けて条件交渉を行うことが必要です。
買収側は、デューデリジェンスにより得た情報を基に、買収する価格やM&Aを行う方法について検討し、売却側に対して補償もしくはリスクを下げる提案をする場合もあります。
売却する側は、譲渡する対価や役員、従業員に対する処遇や事業の継続性に関して話し合っていきます。
⑤最終契約締結
最終契約書は、M&Aにおける最終段階で締結される非常に重要な契約書になります。
最終契約書では、これまでに実施した当事者の交渉を通して定められた合意事項がすべて盛り込まれています。
契約当事者のどちらかが最終契約書で定めた内容を破り、他方当事者に対し損害が発生した場合には、違反した当事者に対して損害賠償を請求できることが定められている契約です。
⑥クロージング
クロージングでは、最終契約書を締結した後に、経営権の移転を確実に完了させるために行われる手続きです。
主に事業譲渡や株式譲渡といったM&A取引で行われます。
クロージングの工程では、関係する者が必要な手続きを実施し、取引を正式に終了させます。
クロージングでは、取引を確定させる重要な段階であり、買収側と売却側の両方が契約条件について履行し、取引を無事に成立できているか最終確認を実施する場です。
この際に不履行な点が見つからなければ、後には戻れなくなりますので、慎重に進めるようにしましょう。
ゼネコン・建設業界のM&Aのメリットとデメリット
ゼネコン・建設業界のM&Aのメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット
売り手側と買い手側のメリットは、以下の通りです。
売り手側
売り手側のメリットには、後継者がいない問題が解消できることと、社員の雇用を維持できることがあります。
事業の承継における問題を解決することは国が抱えている課題の一つですが、建設業界は他の業種と比較し後継者がいない企業の割合が高いです。
2022年11月に公表された帝国データバンクの調査結果では、2022年における国内のすべての業種での後継者がいない割合は57.2%にも及んでいます。
それぞれの業種で見ると後継者不在率は建設業が最も深刻であり、後継者がいない企業は63.4%です。
2016~20年における建設業界の後継者がいない割合は70%を超えていたことを配慮すると、徐々に改善している傾向ではあるものの、後継者不足の問題は続いている動向にあります。
そんな中、M&Aで事業承継を選ぶ企業の割合が増加しており、自社を売却することで事業継続することも増えています。
M&Aでの事業承継は、後継者がいない問題の解消に限らず、社員の雇用を維持することができるのもメリットです。
廃業にした場合、従業員は職を失ってしまいますが、M&Aにより自社を売れば買収企業に従業員の雇用を引き継げます。
しかし、株式譲渡の場合は従業員の雇用契約が買収側の企業に自動で引き継がれるものの、事業譲渡では従業員と買収側の企業との間で雇用契約を巻き直さなければならないため、注意が必要です。
買い手側
建設業界と異なる業種から建設業界に進出したり、事業エリアの拡大をしたりすることを目的としている場合、既に存在する企業や事業の買収によってコストや時間を大幅に減らすことが可能というメリットがあります。
建設業に新たに挑戦しようと思うと、許認可を取得したり資格を持った従業員を確保したりとさまざまな準備が必要です。
特に人材を確保することは難しく、事業エリアで基盤が構築できなければ安定して事業を運営するのが難しくなってしまいます。
また、事業エリアの拡大を狙う場合、買収することで売却側が持っていたシェアがそのままもらえるのも大きなメリットです。
デメリット
売り手側と買い手側のデメリットは、以下の通りです。
売り手側
取引先や従業員からの反発が原因でM&A取引が無くなってしまうことは多いです。
無理矢理再編を進めようとしてしまうと、取引先や従業員が離れていってしまう可能性があります。
そうなってしまうと、事業が売却できず継続が困難になってしまうため注意が必要です。
買い手側
買収できた場合でも必ず技術面でシナジー効果が十分に得られるとは限りません。
建設業界およびゼネコン業界では、これまでに多数の事業再編がされており、工事を効率化したり、売上高を確保したりするために巨大になってきましたが、工事の需要が減ってしまえば、効果も限られてしまいます。
そのため、買収できた場合でもシナジー効果が受けられない可能性があります。
ゼネコン・建設業界のM&Aの価格相場
建設業では、許認可をもらった企業だけが営業可能であり、発注者は国や地方自治体のことも多いです。
同業種であれば似た仕事を受注することも多く、職人や従業員の技術やノウハウもそこまで差がないことが多いです。
作成する製品やサービス次第で企業価値が大きく変わってくるIT業界などと比較すると、建設会社における売却相場は安定しています。
例えば、大手建設会社の場合は数億円~数十億円の相場であり、ゼネコンの場合は数百億~状況次第では数千億円の相場、中小規模の建設会社の場合は数千万円~数億円というように、会社の規模でだいたいの相場が決まっています。
ゼネコン・建設業界のM&A・買収・売却事例
ゼネコン・建設業界のM&A・買収・売却事例を11個紹介します。
高齢化が進んでいる動向から、ゼネコン・建設業界ではM&Aが行われいます。
戸田建設×佐藤工業
1つ目のM&A事例は、戸田建設と佐藤工業のM&Aです。
福島県にある戸田建設が佐藤工業が発行している全ての株式を取得し子会社化した事例です。
戸田建設は、主軸として建築事業を行っており大学や官公庁が関連する施設の建築で多くの実績を持っており、その中でも福祉や医療関連の工事を多数実施しています。
売却した側の佐藤工業は、福島エリアで総合建設業を行っており、同地域においては最大手といえる地場建設会社です。
戸田建設は今回のM&Aで、東北エリアの事業基盤を確立させシェアを拡大させることを目的としています。
旭化成ホームズ×中央ビルト工業
2つ目のM&A事例は、旭化成ホームズと中央ビルト工業のM&Aです。
中央ビルト工業とは、仮設足場の製造を手掛ける企業であり、旭化成ホームズから住宅用として使う鉄骨部材に関して製造受託を請けています。
旭化成ホームズは今回のM&Aで、お互いの事業における基盤を有効に使い、関東地区での住宅用として使う鉄骨部材の生産体制を強化させることに加え、金属加工事業における事業分野のノウハウを共有することでコスト削減を実現させ、将来的な競争力強化を目的にしています。
清水建設×日本道路
3つ目のM&A事例は、清水建設と日本道路のM&Aです。
清水建設は日本道路における株式を公開買付けで取得し子会社化しました。
清水建設とは総合建設に取り組む企業であり、日本道路は建築・土木事業をメイン事業とし、その他エンジニアリング事業や不動産開発事業といったさまざまな事業を展開する企業です。
清水建設は今回のM&Aで、日本道路と協力し研究開発体制を合理化したり、協働で案件に取り組むことで受注を拡大させたりと、更なる成長および発展を目指しています。
清水建設×丸彦渡辺建設
3つ目のM&A事例は、清水建設と丸彦渡辺建設のM&Aです。
清水建設が丸彦渡辺建設が発行する株式を取得することで、子会社化しました。
大手のゼネコン会社である清水建設は、主軸の建設・土木業以外にも、エンジニアリング事業やフロンティア事業を手掛けている企業です。
丸彦渡辺建設は、建設業以外に運送業や不動産事業を展開している総合建設会社です。
今回のM&Aでは、清水建設における建築・土木事業の基盤を強化させることが目的です。
清水建設では丸彦渡辺建設が持っているリソースや営業基盤と、自社が所有するノウハウを合わせることでシナジー発揮を狙っています。
トヨタホーム×ミサワホーム
4つ目のM&A事例は、トヨタホームとミサワホームのM&Aです。
買収側のトヨタホームは、マンションや賃貸住宅、戸建て住宅の建設および販売を行う企業です。
売却側のミサワホームは、不動産仲介事業をはじめ、戸建て住宅の建設および販売やリフォームなど幅広いサービスを展開しています。
住宅業界において、人口減少や新築戸建市場が縮小したことによって、経営環境が厳しくなっています。
今回のM&Aは、生産や物流、技術および商品開発などを共同で行い強化する目的です。
住友林業×熊谷組
5つ目のM&A事例は、住友林業と熊谷組のM&Aです。
住友林業は熊谷組の株式を取得し、熊谷組は、住友林業の株式を取得しました。
木材や建材事業、その他木造注文住宅におけるトップブランドである住友林業は、国内での非住宅分野を強化するだけでなく、不動産開発事業などによりグローバル戦略を推進させている企業です。
熊谷組では、土木や建設分野だけでなく、海外事業やバイオマス発電などの再エネ事業の強化を目標にしています。
今回のM&Aにより、住友林業の強みである自然素材に対する知見と、熊谷組の強みである土木や建設ノウハウ・技術を合わせ、より豊かな社会の実現を目指しています。
高松建設×大昭工業
6つ目のM&A事例は、高松建設と大昭工業のM&Aです。
高松建設は大昭工業が発行しているすべての株式を取得し、完全子会社化しました。
髙松建設は、ビルや工場、マンションなどにおける企画開発や設計、施工をまとめて手掛けている企業であり、大昭工業株式会社は、建築や土木・リフォーム事業を展開している企業です。
高松建設は今回のM&Aで、建設工事の受注数を増やすことと共に、⼤昭⼯業が所有する不動産を活用し投資成果の向上を目指しています。
ヒノキヤグループ×ハウジーホームズ
7つ目のM&A事例は、ヒノキヤグループとハウジーホームズのM&Aです。
ヒノキヤホールディングスが、ハウジーホームズが発行するすべての株式を取得し子会社化した事例です。
ハウジーホームズは建売分譲住宅や注文の住宅を行っています。
ヒノキヤホールディングスは今回のM&Aにより「地場ビルダー」を傘下とし、東海地方に向けた営業強化および情報網を網羅する目的です。
積水化学工業×ソフランウイズ
8つ目のM&A事例は、積水化学工業とソフランウイズのM&Aです。
積水化学工業は、ソフランウイズが発行しているすべての株式を譲り受け子会社化しました。
積水化学工業では、住インフラ材を注力分野とし耐火や不燃材料をメインに各製品の市場拡大や、新たな製品の開発を行っている企業です。
ソフランウイズでは、建築分野での硬質ウレタン原液など製造および販売に取り組みます。
積水化学工業は今回のM&Aで、お互いの経営資源を合わせたシナジー効果により、耐火や不燃製品における開発および販売を拡充させ事業の拡大を目指しています。
東京エネシス×日立プラントコンス
9つ目のM&A事例は、東京エネシスと日立プラントコンスのM&Aです。
東京エネシスは、日立プラントコンストラクションの火力発電に関する事業の一部について会社分割で承継することを決めました。
東京エネシスは、火力や水力・原子力発電所をはじめ電気設備の企画や調査、関連する機器の製作や販売など、幅広く事業を展開している企業です。
日立プラントコンストラクションは、エネルギーシステムや交通関連施設、建設支援サービスなどに取り組む企業です。
東京エネシスは今回のM&Aで、日立プラントコンストラクションの所有する技術を活用し生産性を上げ、人材を活用しグローバルに事業を展開することなど多くのシナジー効果を創出し、企業価値の向上を目指しています。
飛島建設×アクシスウェア
10つ目のM&A事例は、飛島建設とアクシスウェアのM&Aです。
飛島建設はアクシスウェアが発行するすべての株式を取得し、子会社化しました。
飛島建設では、土木や建築工事の事業全般、ならびにコンピュータを用いた情報処理といった事業に取り組んでいます。
アクシスウェアは、軸として情報システムにおける基盤構築や業務システムアプリのコンサルティングや開発、労働者派遣事業などさまざまな事業を展開する企業です。
飛島建設は今回のM&Aで、アクシスウェアが所有する技術力と企画や開発力を活用し、DXの加速で次世代の事業運営体制を構築することと、建設分野だけでなく幅広いビジネスソリューションを提供し事業領域を拡大することを目指しています。
ゼネコン・建設業界でM&Aを成功させるポイント
ゼネコン・建設業界でM&Aを成功させるポイントは、以下5つです。
M&Aの目的を明確にする
自社がどんな業種に取り組んでいる場合でも、M&Aを行う際には必ずM&Aを行う目的を明確にすることが必要です。
例えば、事業を承継したいのであれば、将来的に事業規模を拡大させたいのかなど、目的次第で相手を選ぶ際に判断する基準が異なります。
そのため、必ずM&Aを行う目的を明確にしたうえで、相手の希望条件などを定めましょう。
シナジー効果が期待できる企業に売却する
自社とM&Aを行うことでシナジー効果が狙える相手先は、狙えない相手先よりも事業のことを高く評価してくれる可能性が高いです。
そのため、できるだけ高い価格で建設会社や事業を売りたいのであれば、シナジー効果が狙える相手を見つけるのがおすすめです。
買収する側にシナジー効果を感じてもらうためには、客観的に見たデータや今後の事業計画について準備する必要があります。
税金対策をしっかりと行う
M&Aを行う場合、想像しているよりも大きい対価で取引されることも多いです。
M&Aで採用する手法次第では、最終的に発生する税の負担や手取り金額が大きく変わってきます。
中小企業におけるM&Aにおいて、譲渡する側のオーナー社長の場合はM&Aを行う際にリタイアすることを前提にしている場合が多いです。
そのような場合であれば、M&Aで得た対価はリタイア後の生活資金として利用するでしょう。
また、子や孫に多くの財産を残したい場合であれば、M&Aでの手取り金額がどの程度なのかは非常に重要です。
譲受ける企業側は、M&Aを行った後に譲渡された企業の運営を行っていきます。
そのため、税金を含めた会社運営にかかるコストをできるだけ抑えることがポイントになってきますので、税金対策はしっかりと行うようにしましょう。
相場を把握する
M&Aを行う上で、相場を理解しておくことは非常に重要なポイントです。
理由は、相場を理解していない限り買収・売却価格が適正なのか判断できないからです。
M&Aが増えている動向がありますが、相場の把握をしたうえでの取引は重要です。
相場を把握していなければ、本来であればもっと高く売却できた企業・事業を低価格で売却してしまった、相場よりも高い価格で買収し無駄に資金をかけてしまったという事態を防ぐことができます。
そのため、M&Aの相場は必ず把握しておくようにしましょう。
実績や経験が豊富なM&A仲介会社を選ぶ
M&Aを行う工程は多くあり、事業の運営を行いながら自社の力だけで進めるのは手間がかかり負担も大きいためなかなか難しいでしょう。
M&Aにおける専門的な知識を所有している人材がいる場合は、多少スムーズに進めることができるかも知れませんが、多くの時間を割かれてしまうためおすすめはできません。
そのため、実績や経験が豊富なM&A仲介会社を選ぶことで、スムーズにM&Aを進めることが可能です。
自社でM&Aを進めることで業務に支障が出てしまうこともなく、最小限の手間でM&Aが進められます。
ゼネコン・建設業界でM&Aを行う際の注意点
ゼネコン・建設業界でM&Aを行う際の注意点は、以下3つです。
デューデリジェンスは入念に行う
建設業界においては、建設業会計という他の業界とは違った会計方式が使われています。
理由は建設業の手掛ける工事の場合、完成するまでに年度を跨いでしまうケースが多いからです。
この方式により建設業界は、粉飾決算が発生しやすいです。
経営者が意図していない場合でも結果的に粉飾決算したと判断された場合、追徴課税や企業価値の低下といったリスクがあります。
そのようなリスクを未然に防止するためにも、デューデリジェンスを入念に行うようにしましょう。
情報漏洩には十分に注意する
M&Aを行う上で、絶対に注意することが情報漏洩です。
売手先からすれば、自社がM&Aで売却検討していることが流出してしまうと、さまざまな問題が発生します。
具体的には意図しないタイミングで情報が漏洩してしまった際に、顧客や取引先をはじめ、多数の人に不安を抱かせてしまう場合があり、最悪の場合には取引が縮小したり、停止したりしてしまう可能性もあります。
また、社内では本来であれば準備が十分にできた状態で、計画的に行われ従業員へ情報を公開するはずが、不適切なタイミングで実施されたことで、従業員の士気が低がったり離職者が出てしまったりと大きなダメージを負う可能性も高いです。
M&Aの交渉においては、機密保持契約を結ぶものの、決して油断せずに情報漏洩には十分注意しましょう。
適正価格で取引を行う
M&Aは適性価格で取引を行うようにしましょう。
理由は、できるだけ高く売却したい、低価格で買収したいという思いから明らかに適正価格と離れた取引を行おうとすると、なかなかM&Aが成立しないからです。
欲を出したばかりに、本来であれば好条件でもあったM&Aの機会を逃してしまうことは少なくありません。
そのような機会を逃さないようにするためにも、取引は必ず適正価格で行うようにしましょう。
ゼネコン・建設業界のM&A相談は専門家へ!
いかがでしたでしょうか?
ここまで解説してきた様に、M&Aを実行する際には、デューデリジェンスは入念に行うことや、情報漏洩には十分に注意する必要があり、ある程度の専門的な知識が必要です。高齢化の影響からM&Aが行わるようになっているという動向も背景にあります。
しかし、日常の業務が忙しくM&Aについて調べられず不安が解消できない経営者も多くいます。
そのため、少しでもM&Aの成功率を上げたい、M&Aの負担を減らしたいという方は、M&Aの専門家に相談することで、よりM&Aが成功できる確率が高くなり、負担も軽減することができますので積極的に専門家に相談するようにしましょう。
当記事が、ゼネコン・建設業界のM&Aを行う上で、参考になりましたら幸いです。
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