岩手県のM&Aの情勢は?最新動向から事例・仲介業者の選び方まで解説!
岩手県は全国平均よりも後継者不足の割合が高いため、今後もM&Aで会社売却をする事例が増えるでしょう。この記事では岩手県のM&Aの動向や経済状況を踏まえて、M&Aのメリットやデメリット、成功事例も紹介して仲介業者の選び方を解説します。
目次
岩手県のM&A事情や動向
はじめに、岩手県の経済状況や産業構造を把握したうえで、M&Aの事情や動向を解説します。
岩手県の経済状況と産業構造
2022年10月時点で、岩手県の人口は118万512人です。2000年以降、人口の動向は減少しており、岩手県の高齢化率は34.8%に達しています。
そのような状況でも、東日本大震災からの復旧工事や災害住宅などの公共投資で経済状況を押し上げています。
また太平洋に面するリアス式海岸は水産物の生育に適しているため、漁業と食料品の製造業の経済が盛んです。
以下、産業別の構成比です。
岩手県のM&Aの動向
岩手県のM&Aの動向は、今後も増加が予想されるでしょう。
理由は、後継者不在率が高く休廃業・解散する企業が多いからです。
2020年の帝国データバンク「岩手県内企業「後継者不在率」動向調査」によると、岩手県の企業のうち69%で後継者が不在です。全国平均が65.1%のため、後継者不在率が高いといえます。
また、2022年の帝国データバンク「東北6県「休廃業・解散」動向調査」では、休廃業・解散率が東北地方でも高いです。
したがって後継者不足の解消を中心に、M&Aで会社売却の事例が増えていくでしょう。
岩手県でM&Aを行う方法
岩手県でM&Aを行う方法は以下の3つです。
- M&Aマッチングサイトを利用
- 金融機関や公的機関に相談
- M&Aの専門家に相談
それぞれ説明します。
M&Aマッチングサイトを利用する
M&Aのマッチングサイトは、手軽に利用できるのでおすすめです。
なおマッチングサイトを利用するメリットとデメリットに関して、以下の2つがあげられます。
メリット | デメリット |
---|---|
全国からM&Aの相手を探せる | 追加の費用が発生することもある |
専門家のアドバイスを受けられる | マッチングしないこともある |
また、M&Aのマッチングサイトを選ぶ際は以下の項目に注目しましょう。
- 案件数
- 実績のある業界や規模
- 料金体系のわかりやすさ
したがってメリットやデメリット、注目ポイントから以下のM&Aマッチングサイトをおすすめします。
- TRANBI(トランビ)
- ブティックス
- M&Aプラス
金融機関・公的機関に相談する
岩手県のM&Aに関して、以下の金融機関・公的機関に相談するのもおすすめです。
- 岩手銀行
- 東北銀行
- 都市銀行
- 岩手県事業承継・引継ぎセンター
M&Aの相手企業で中小企業を探す場合、金融機関に相談してみるのがいいでしょう。
また、岩手県事業承継・引き継ぎセンターでは以下の取組を行っています。
- 事業承継の相談
- M&Aのマッチング支援
- 事業承継計画の策定支援
- 事業承継診断・セミナー
- 後継者人材バンク
ただし岩手県事業承継・引き継ぎセンターは仲介業者ではないため、M&Aの仲介業務は行いません。
あくまでも、相談の受け付けや経営者の紹介が金融機関・公的機関の役割です。
M&Aの専門家に相談する
会社売却のようなM&Aの実施を決定していれば、M&Aの専門家に相談しましょう。
M&Aの専門家とは仲介業者で、M&Aの成約までサポートします。
他にも、具体的な特徴は以下のとおりです。
- M&Aの仲介業務の経験が豊富
- M&Aにある問題や障害を解決できる
- 多くの業種や分野に対応
- ネットワークが広い
なお、当記事のM&A総研も仲介業者です。M&Aを検討している方はぜひご相談ください。
岩手県のM&Aのメリット
次に岩手県のM&Aのメリットを紹介します。具体的には以下の4つです。
- 事業拡大が期待できる
- コストを削減できる
- 従業員の雇用を維持できる
- 経営者の個人保証が解除できる
それぞれ説明します。
事業拡大が期待できる
事業の拡大を期待しているために、M&Aを行う企業は多いです。
M&Aで事業の拡大に成功すれば、以下のメリットがあります。
- 生産量が増加して利益が増える
- 知名度やブランド力が上がる
- 販路が拡大して経済圏ができる
例えばECサイト事業の大手だった楽天は、M&Aで銀行やクレジットカードなどの金融サービス事業を拡大して楽天経済圏を作りました。
このように事業の拡大が成功すれば、ライバル企業にも差をつけることができます。
コストを削減できる
M&Aを実施すると、経済的・時間的コストを削減できます。
具体的には、以下のコストです。
- 廃業する時に発生するコスト
- 人材育成
- 技術の開発
廃業時に発生するコストとは、会社売却のときに借りていた物件を原状回復する費用や在庫を処分する経済的な費用です。
一方買い手側からすれば、新たな人材の確保と技術のノウハウを企業で拡大できます。
したがって、人材育成と技術開発の時間的コストをかけない経営が可能です。
従業員の雇用を維持できる
後継者不足の問題を抱える経営者にとって、従業員の雇用維持はM&Aの大きなメリットです。
理由は取引先や事業のノウハウと同じく、従業員も資産だからです。
M&Aで会社売却すれば、これまで培った事業やブランドと一緒に従業員の雇用も維持できます。
しかし廃業を選択すれば、事業のノウハウを失うだけでなく従業員の生活にも影響を与えるでしょう。
したがってM&Aを実施すれば、従業員の雇用を維持した状態で後継者不足の問題も解決できます。
経営者の個人保証が解除できる
M&Aを実施すれば、経営者が抱える個人保証を解除できます。
例えば経営者が金融機関から資金を借りた場合、個人資産を担保に連帯保証人になるケースが多いです。
会社売却した場合、経営権が買い手側に変わるので連帯保証が無くなります。
したがって個人保証が健康を害する要因になっていたら、快方に向かうことができます。
岩手県のM&Aのデメリット
一方で、岩手県のM&Aのデメリットは以下の2つです。
- 会社売却するまでに時間を要する
- 多額の費用がかかる場合がある
それぞれ説明します。
会社売却するまでに時間を要する
M&Aの会社売却では時間がかかります。
なぜなら、企業側には以下の背景があるからです。
- 株主や取引先など、関係者が多くて交渉がスムーズにいかない
- 準備と計画に時間がかかる
- 企業文化の融合と従業員の意識統一に時間がかかる
単に買い手企業に買収されれば、会社売却が成功したとは言えません。
新たに買収先の職場で働く従業員が退職せず職場環境に慣れた時、会社売却が成功したと言えるでしょう。
多額の費用がかかる場合がある
M&Aを実施した際、予期していない多額の費用がかかる時があります。
具体的には、簿外債務と偶発債務です。
簿外債務:貸借対照表に記載されていない未払い給与や退職給付引当金など
偶発債務:顧客との訴訟や環境汚染など、将来、経済的ダメージを与えるもの
対策はデューデリジェンスで細かく確認すること、表明保証をしてもらうことです。
表明保証は確認した内容が事実であることを証明をするため、行うようにしましょう。
岩手県のM&Aの成功事例
では、岩手県のM&Aの成功事例を解説します。
①イリソ電子工業とエスジーディー
イリソ電子工業株式会社と有限会社エスジーディーの事例です。
イリソ電子工業はコネクタの製造や開発、販売の事業を行っています。
一方で、エスジーディーは金型部品の製造や販売、加工の事業を展開しています。
このM&Aで、イリソ電子工業はエスジーディーを完全子会社化して、企業価値の向上と事業規模の拡大ができました。
②アルコニックスとジュピター工業
アルコニックス株式会社とジュピター工業株式会社の事例です。
アルコニックスは、レアメタルやレアアース関連を扱っており、製品・原材料の輸出入や国内での販売を行っています。
一方でジュピター工業は電子部品材料のメーカーです。
具体的には、精密コネクタの金属端子部品のプレス加工や金型の設計、制作を行っています。
このM&Aでアルコニックスは、ジュピター工業を子会社化して、技術交流でシナジー効果を獲得できました。
③シャトレーゼと菜花堂
株式会社シャトレーゼと株式会社菜花堂の事例です。
シャトレーゼは菓子の製造を行っていて、全国で640店舗、9か国の海外と地域で120店舗で販売しています。
一方で、菜花堂の事業も和洋菓子の製造・販売です。
このM&Aでシャトレーゼは東北地方での生産拠点を確保して、菓子の製造販売企業としての経営力を向上させました。
④キーウェアソリューションズといわぎんリース・データ
キーウェアソリューションズ株式会社といわぎんリース・データ株式会社の事例です。
キーウェアソリューションズはシステム開発をはじめ、ITの導入や構築・運用などの総合ITサービスの事業も展開しています。
一方でいわぎんリース・データは、岩手銀行から出資をされた子会社です。
コンピューターや複合機など、多くの機器をリースする事業を展開しています。
このM&Aでキーウェアソリューションズは、いわぎんリース・データからシステム事業を譲受し、東北地域の営業基盤と課題解決の提供力を強化しました。
⑤北映商事とみちのくオートバックス
北映商事株式会社と株式会社みちのくオートバックスの事例です。
北映商事はカー用品の販売をし、オートバックスもカー用品の総合専門店を経営しています。
このM&Aの目的はみちのくオートバックスの岩手県内の経営体制の最適化と、競争力の強化、経営の効率化です。
その結果、北映商事はオートバックス宮古店と盛岡西バイパス店を譲受しました。
⑥岩手新事業創造ファンド1号とイーアールアイ
岩手新事業創造ファンド1号と株式会社イーアールアイの事例です。
イーアールアイは、Bluetooth搭載の製品やセンサーネットワークの技術開発を行っています。
一方で岩手新事業創造ファンド1号は、いわぎん事業創造キャピタルのファンドの1つです。
岩手県内のベンチャー企業や、岩手県出身者の事業活動に投資・経済の活性化を目的にしています。
このM&Aでは岩手新事業創造ファンド1号が、イーアールアイに投資することが決まりました。
⑦ナックとジェイウッド
株式会社ナックと株式会社ジェイウッドの事例です。
ナックは、「レオハウス」のブランドで注文住宅の供給や建築コンサルの事業をしています。
一方、ジェイウッドも岩手県内で注文住宅の供給を事業にしています。
このM&Aでナックはジェイウッドの株式を取得し、営業エリアの拡大や住宅ブランドの創設をしました。
岩手県でM&Aを行う際の仲介業者の選び方
岩手県でM&Aを行う際の仲介業者の選び方は、以下の4つです。
- 地方での実績があるか
- 担当スタッフとの相性
- 知識と経験が豊富か
- 手数料や報酬は適切か
それぞれ解説します。
地方での実績があるか
はじめに、岩手県でM&Aを成約させた実績があるか確認しましょう。
理由は、M&Aの成約には地域性も重要だからです。
M&Aの実績があるのは、企業と仲介業者に繋がりがあるのを意味します。
したがって依頼する側も安心するでしょう。
またどの業種で、企業の規模がどれくらいだったのかを確認するのも重要です。
担当スタッフとの相性
次に、仲介業者の担当スタッフと相性がいいのかも意識しましょう。
なぜなら、以下の理由があるからです。
- 相性がいいと相談しやすい
- M&Aは時間がかかるため、付き合いが長くなる
- 担当スタッフの姿勢で、M&Aの進捗度が変わる
M&Aは、長いと1年以上かかることもあります。
担当者と相性が悪いと感じたら、別のスタッフに変えるように相談しましょう。
知識と経験が豊富か
そして、担当スタッフの知識と経験が豊富なのか、確認することも重要です。
なぜなら、M&Aには業界や企業に合うサポートが求められるからです。
知識と経験が浅いスタッフでは成約のコツを熟しておらず、時間がかかることやサポートの質が低い場合もあるでしょう。
したがって、担当者の経歴も確認することも必要です。
手数料や報酬は適切か
最後に手数料や報酬が適切で、料金体系が理解しやすいかを確認しましょう。
手数料や報酬が不適切で料金体系も理解しにくいと、何の費用かわからなくトラブルに繋がります。
なお、仲介業者に依頼した場合にかかる費用は以下の4つです
手数料・報酬 | 発生するタイミング |
---|---|
相談料・着手金 | 業務委託契約の締結 |
月額報酬 | M&Aが成約するまでの間 |
中間金 | 基本合意書の締結 |
成功報酬 | M&Aの成約 |
中にはM&Aが成約したときだけ、手数料や報酬が発生する仲介業者もあります。
手数料や報酬で不明な点があったら、必ず仲介業者に確認しましょう。
岩手県でのM&Aは専門家に相談しよう!
この記事では岩手県のM&Aに関して、以下を説明しました。
- M&A事情や動向
- M&Aを行う方法
- M&Aのメリット
- M&Aのデメリット
- M&Aの成功事例
- M&Aを行う際の仲介業者の選び方
岩手県のM&Aの動向は増加しており、経営者の後継者不足が全国平均よりも高いです。
そこでM&Aを行う際はM&Aマッチングサイトや金融機関、公的機関に相談してみましょう。
またM&A総研では過去のM&Aの事例から、M&Aが成約するためのノウハウを熟知し、実績のある担当者がM&Aのサポートをします。
M&Aを実施することが決まったら、ぜひM&A総研にご相談ください。
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