茨城県のM&A動向や成功事例を徹底解説!案件の探し方・メリット・注意点は?

近年、茨城県内におけるM&Aの件数が増加傾向にあります。今回は、そんな茨城県のM&Aの動向や売り手と買い手それぞれのメリット・デメリット、さらにM&Aの進め方や成功事例、相談できる専門機関を紹介します。仲介会社の選び方などをわかりやすく解説します。

目次

  1. 茨城県の産業とM&Aの動向
  2. 茨城県のM&Aを行うメリットとデメリット
  3. 茨城県でM&Aを行う基本的な方法と流れ
  4. 茨城県のM&Aの成功事例
  5. 茨城県のM&Aの案件を探すには専門家のサポートを受けるのがおすすめ
  6. 茨城県のM&A仲介会社の選び方
  7. 茨城県でM&Aを成功させるためのポイントと注意点
  8. 茨城県でM&Aを行うときはM&A専門家のサポートですすめよう

茨城県の産業とM&Aの動向

最初に、茨城県における産業とM&Aの動向について解説しましょう。

茨城県は、県北地域、県西地域、県南地域、鹿行地域の4地域で構成されています。首都圏に近く、太平洋に面し、全国屈指の広大な湖である霞ヶ浦と利根川によって水源に恵まれ、産業・農業・漁業が盛んな点が大きな特徴です。

また、つくば市には多くの教育機関や研究所が集積しており、子育て世代の移住たUターン就職などによって近年では、転入数が転出数を上回る状況となっています。

茨城県の産業

茨城県の民営事業所数は、118,553事業所と、全国で2.0%を占め、13位に位置しています。産業別では、

・卸売業・小売業・・・25,883事業所

・建設業・・・13,985事業所

・宿泊業・飲食サービス業・・・10,634事業所

がメインとなっています。

雇用されている民間従業員数では、

・製造業・・・282,912人

・卸売業・小売業・・・222,251人

・医療・福祉・・・157,365人

と上位3位で54.1%を占めています。中でも製造業は23.1%と突出して多いのが特徴です。

製造業や農業が盛んな地域

茨城県の製造品出荷額などが5,000億円を上回る市町村として、神栖市、日立市、古河市、ひたちなか市、土浦市、鹿嶋市が挙げられます。これらの地域を拠点に、化学工業品、電子機械・電子機器、鉄鋼・非鉄金属などを中心とした「稼ぐ力」を有します。

大企業発祥の地であったり、立地上、東京に本社のある資金力が豊富な上場企業とその関連企業の二次的拠点として利用されたりしてきたことが、製造業のバックボーンとなっているといってよいでしょう。

一方、令和3年度の農業産出額が全国6位と、その立地条件によって農業が非常に盛んです。耕地面積は全国3位の約17万haで、利根川、霞ヶ浦、那珂川流域の水田地帯、稲敷、石岡、行方、那珂など、県央・県南・鹿行の台地における畑作、さらに県北の中山間地帯に至るまで、実に広範囲に及びます。農業従事者数が北海道を凌ぎ、全国トップというのも特筆すべき点でしょう。

茨城県のM&Aの動向

茨城県のM&A件数は、近年、確実に増加傾向にあります。2000年代から2010年代半までは、年間10〜20件前後を推移していました。ところが2017年以降の3年間は30件台に、さらに2020年以降の3年間は50件前後にまで急伸しています。しかも2022年にもっとも多かったのは、茨城県外の企業による県内の企業の買収でした。この動向は、注目に値するでしょう。

後継者不足・人手不足が増加

茨城県内でM&Aが急増している背景には、中小企業を中心とする深刻な後継者不足と慢性的な人手不足があります。

その深刻さは茨城県の15歳未満人口の推移を見るとよくわかります。1960年の茨城県における全人口に対する15歳未満人口の比率は約33%ほどでした。ところが、それ以降2020年までほぼ下降の一途をたどり、2020年にはわずか約12%弱にまで落ち込んでいます。

しかも茨城県内企業における2022年の後継者不在率は42.7%です。若者の数は減り続けるわけですから、とくに地元密着型の企業なら会社の中枢を担う若年労働者が減り、後継者候補が見つけにくくなるのは、当然といってよいでしょう。つまり企業を存続させるために今後も茨城県内におけるM&Aは、ますます増加していくと予測できるのです。

茨城県のM&Aを行うメリットとデメリット

続いて、茨城県でM&Aを行うメリットとデメリットについて解説しましょう。売却側企業と買収側企業に分けて見ていきます。

売却側企業

まずは、売却側企業のメリットからです。

メリット

  • 自社を存続できる
  • 経営者は安心してリタイヤできる
  • 設備投資や新規事業が可能になる

後継者不足に悩む茨城県の企業にとって、M&Aはまず、自社の存続と従業員の雇用の継続という恩恵をもたらします。すると高齢化した経営者や一族の幹部は、安心してリタイヤすることができるでしょう。

さらに、M&Aの相手やその後の業績によっては、大規模な設備投資や新規事業に打って出る道筋が見えてくるかもしれません。

デメリット

  • 希望の金額で買ってもらえない
  • 従業員の大量離職
  • 取引先との関係悪化
  • 株式譲渡所得に課税される

絵に描いたようなM&Aというのは、そう簡単に望めません。買い手側と売却額が折り合わないとか、M&Aの後の動向によっては、経営方針への不満などで従業員が大量離職するといったことが考えられます。ビジネス理念や考え方の違いからそれまでの取引先との関係が悪化する恐れもあるでしょう。株式を譲渡した場合は、譲渡所得税が20.315%かかる(2023年12月時点)点も計算にいれておかなければなりません。

買収側企業

続いて、買収側のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

  • 茨城県内のシェアや取引先が拡大できる
  • シナジー効果が生まれて競争力がアップする
  • リードタイムが節約できる
  • 首都圏に比べると低コストで事業展開できる

とくに茨城県にベースがない企業にとっては、M&Aによって同県内におけるシェアや取引先を拡大できるチャンスが生まれます。業態やジャンルの異なる事業ならジナジー効果や新事業のノウハウを獲得することもできるでしょう。すると競争力が強化できるうえ、本来なら一から始めなければならない事業立ち上げから、設備投資、人材育成、そしてビジネスを軌道に乗せるまでのリードタイムを大幅に節約できます。

さらに首都圏で事業を展開してきた企業にとっては、土地や建物、人材などのリソースを確保するコストや税金が安価に抑えられると期待できるでしょう。

デメリット

  • 資金調達が必要
  • 交渉が難航するリスクがある
  • 隠れ負債や粉飾が発覚することがある

M&Aには、まとまった資金が必要になるので、自己資金で賄えない場合は融資等を検討しなければなりません。実施にあたっては売り手の経営者と同意すればよいわけではなく、株主や一族、社員、取引先といったステークホルダーからの賛同を得る必要もあります。そこで難航する事例が少なくありません。

後述するようにデューデリジェンスに不備があると隠れ負債や粉飾が見抜けず、買収後に大変な事態に陥る可能性があるので細心の注意が必要です。

茨城県でM&Aを行う基本的な方法と流れ

ここからは、茨城県でM&Aを行う際の基本的な流れについて解説します。

①M&Aの検討・専門家への相談

売り手側も買い手側も、M&Aの必要性を社内や一族で検討します。とくに茨城県内で一族経営をしてきたような中小企業は、M&Aの経験もノウハウもないことが少なくありません。したがって、具体的なプロセスやメリット、リスクなどについて専門家に納得のいくまで相談することが必須といえるでしょう。

②M&A売却価格・条件・課題などを検討

M&Aを本格的に進めるとなったら、売却価格や売却の条件、さらにクリアーしなければならない課題を洗い出します。とくに茨城県内の企業は、地元のローカルな取引先と広く深く繋がっているケースが少なくありません。その関係性をどのように継続するか、重大な損失を与えないためにビジネスモデルの急激な変更に関する制約なども条件に入れる必要があるかもしれません。もちろん従業員の雇用の確保や雇用条件、福利厚生についても慎重に考慮する必要があるでしょう。

③交渉相手を選ぶ

次に、M&Aの相手先企業の選定に入ります。こちらの条件に見合う資金規模を有し、自社を買い取る明確なメリットがあることが不可欠です。茨城県という立地が好都合でなければ、シナジー効果が見込めない可能性もあるでしょう。

ただ、膨大な企業の中から適切な候補を見つけ出すのは、至難の技です。こちらが良くても相手の動向や理念を把握して適切にアプローチしなければ成功はおぼつかないでしょう。よって、M&Aの専門家や仲介会社といったプロの力を借りることは不可欠といえます。

④秘密保持契約の締結

M&Aの交渉相手が見つかったら、まず秘密保持契約(NDA)を締結します。M&Aの交渉過程では、機密情報を買い手候補企業に開示します。そもそもM&Aを検討していること自体が外部に漏れても破談リスクが生じるので細心の注意が必要でしょう。

そこで製品情報や財務諸表、取引先や従業員のデータといった重要度の高い情報について秘密を保持することを正式に約束する必要があるのです。もちろん契約に反した場合の、損害賠償額などについても細かく決めておきます。

⑤相手企業との交渉開始

いよいよ相手企業との交渉をスタートします。まずはトップ同士の会談が欠かせません。相互の社員はもちろん、取引先や株主といったステークホルダーにも絶対にバレない形で交渉を行う必要があるでしょう。互いの動向を伺いながら交渉の進み具合に応じて、トップ以外の幹部社員や事業担当者も同席するようにします。

⑥基礎情報開示

交渉を進める上では、基礎情報を開示する必要があります。でなければ、買い手側は本当に話を進めて良いのか、確信が持てないからです。売却額の提示にあたっては、その金額的価値を裏付けるだけの客観的理由やデータを添えることも忘れてはなりません。

⑦デューデリジェンス実施

基本情報を共有し、本格的にM&Aを進める意向が固まったら、買い手側がデューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスは、専門的知見を要するので、買い手側が依頼した公認会計士や税理士、弁護士が行います。監査項目は、財務、税務、労務、人事、設備、株主総会や取締役会の議事録、株主、登記、製造物責任など非常に広範囲に及びます。

買い手側は、監査チームの動向を見ながら、疑問点などには誠実かつ的確に応じる必要があるでしょう。

⑧最終契約締結

専門家からのデューデリジェンスの報告で問題がないとなれば、いよいよ最終契約を締結します。M&Aの実行日、その他重要事項やM&Aにおける各種条件を盛り込んだ契約を交わします。権利書や通帳、各種議事録といった重要書類や株券、会社代表員など、買い手企業に引き渡すものをすべて準備しておく必要もあるでしょう。

⑨クロージング

上記契約書に基づいてM&Aを実行し、株式譲渡や事業譲渡の手続き、譲渡代金の決済により、正式に経営権の移転を完了します。その際に、準備しておいた株券や会社代表印などの重要物品をすべて引渡します。

ただしクロージングに向けては前提条件が設定されます。その前提条件が履行されず、両者が合意できないイレギュラーな事態が生じれば、この段階でのM&Aの中止も考えられるでしょう。あるいは、この前提条件を相互の動向や考え方を伺いながら歩み寄って変更することにより正式にクロージングを迎えるという事例もあります。

茨城県のM&Aの成功事例

続いては、茨城県で実際に行われたM&Aの成功事例をご紹介しましょう。具体的な事例に触れることで、売り手側も買い手にとってもM&Aの動向がわかりやすくつかめるでしょう。

ヤマダホールディングスと三久のM&A

最初の事例は、2021年、国内の家電販売業界で断トツのシェアを誇る株式会社ヤマダホールディングスと茨城県でリサイクル事業を営む株式会社三久との間で行われたM&Aです。三久の全株式を取得して子会社化したヤマダHDは、三久の建築系廃棄物の中間処理事業が、同社の資源循環体制の拡充によるSDGsの達成に大きく寄与することを狙っています。

年間売上高が1兆6,000億円を超えるヤマダHDが、同12億円弱の三久を買い取ることで、三久も大きな後ろ盾を得て、安定経営が可能となると見込まれます。県外の大企業が茨城県内の地元企業にM&Aをしかけた格好の事例といってよいでしょう。

株式会社ヤマダホールディングスのIR情報

ケーズホールディングスとサワハタキャリーサービスのM&A

続いての事例は、2022年、茨城県で家電製品の小売業を営む株式会社ケーズホールディングスと同じく茨城県内で家電製品のメンテナンスや運送業、電気工事業を手掛ける株式会社サワハタキャリーサービスとの間で株式交換という形で成立したM&Aです。これによりサワハタキャリーサービスがケーズHDの完全子会社となったのです。

このM&Aによって、ケーズHDは、配送や工事の面でより効率的で安定した業務体制の構築を狙います。サワハタキャリーサービスもプライム市場に上場している茨城県下で有数の家電量販チェーンをバックボーンにすることで、確実にビジネスチャンスが広がると期待できるでしょう。茨城県内の企業同士がM&Aを成功させたわかりやすい事例です。

株式会社ケーズホールディングスのIR情報

ヰセキ関東と柳田ヰセキ販売のM&A

次の事例は、茨城県に本社を置く農業機械の販売と修理をてがけるヰセキ関東が、神奈川・東京を中心とした営業エリアをもつ柳田ヰセキとの間で実施したM&Aです。いずれも井関農業株式会社の農器具を取り扱っていますが、M&Aによりより地域に密着した販売力の強化に取り組んでいます。

茨城・埼玉・千葉・栃木を網羅するヰセキ関東と東京・神奈川を営業エリアとする柳田ヰセキの合併は、顕著にシナジー効果が見込まれる事例といえるでしょう。

株式会社ヰセキ関東のIR情報

茨城県のM&Aの案件を探すには専門家のサポートを受けるのがおすすめ

先述のように茨城県でM&A案件を見つけ出すには、仲介会社など専門家に相談することがおすすめです。仲介会社をはじめとするプロフェッショナルに相談することで、後継者問題などの解決とともに、より効率的に適切な相手を探すことが可能となるでしょう。

サポート役を望める企業や機関を紹介するので、ぜひM&Aの参考にしてください。

M&Aの知識と経験豊富なM&A仲介会社に相談する

M&Aの相手を見つけるには、専門知識と豊富な経験をもつ仲介会社に相談するのがよいでしょう。M&A仲介会社は、その名の通り、売り手と買い手の間で中立の立場を保ちながら仲人的な役割を果たします。相手先の紹介のみならず、M&Aに必要な資料作成、面談のセッティング、交渉のサポートにいたるまで、一気通貫で手を貸してくれる非常に心強い存在といえるでしょう。

売却額の選定など、重要かつ基本的なところからノウハウまでを相談できるので、自社のニーズに合った仲介会社を活用するとM&Aの成功率は確実に高まるといえます。

金融機関に相談する

M&Aの相談相手として、金融機関もおすすめです。とくに懇意にしているところであれば、仲介会社よりも自社よりの立場で真剣に相談にのってくれるでしょう。M&Aが成功すれば、金融機関にとってもメリットが大きいからです。

M&Aマッチング推進事業が活発に行われている

銀行をはじめとする多くの金融機関では、M&Aマッチング推進事業が積極的に行われています。財務のプロが、企業価値を分析し、効果の最大化できるM&Aのサポートを強力に行ってくれます。単に分析だけでなく、M&Aの可否についても極めて現実に即したかたちで率直な見解を提示してもらえるので、非常に頼りになるでしょう。

公的支援機関に相談する

仲介会社や金融機関は民間のため、報酬が高額になるケースがあります。その点、公的支援期間は無料の場合が多いので、相談しやすい点がメリットでしょう。茨城県内にもM&Aについて相談できる公的機関が複数あるので、ぜひ参考にしてください。

茨城県事業承継・引継ぎ支援センター

茨城県事業継承・引き継ぎ支援センターは、後継者不在や後継者育成で行き詰まっている経営者にはうってつけの相談相手です。

・事業継承に関する相談

・M&Aマッチング支援

・事業継承計画策定支援

・事業継承診断・セミナー

といったものが主なサービスとなります。

後継者問題は一筋縄で解決するものではありません。しかし、同機関は数多くの事例やノウハウを有するので、相談の入り口としては非常におすすめです。

茨城県の商工会・商工会議所

茨城県では、後継者問題に悩む経営者を対象に「茨城県事業継承支援ネットワーク」を設置しています。県内の商工や商工会議所とも連携体制を確立して、後継者問題の解消を中心とした事業継承を促進するのが目的です。専門家にも踏み込んだ相談ができるので安心でしょう。

茨城県よろず支援拠点

茨城県よろず支援拠点は、後継者問題をはじめとするあらゆる経営課題に関する相談ができます。経理や財務、法務の専門家から構成されるコーディネーターがM&Aについての知見やノウハウに基づくアドバイスや提案をしてくれます。中小企業再生支援協議会や事業引き継ぎ支援センターなどとも連携しているので、課題解決と目的達成のために具体的な動きがつけやすくなるでしょう。

茨城県信用保証協会

茨城県信用保証協会でも、あらゆる経営支援を実施しています。茨城県内の事業者なら無料で、財務や法務のプロフェッショナルが後継者問題をはじめ、M&Aの相談についてもきめ細やかに対応してもらえます。

茨城県のM&A仲介会社の選び方

M&Aのサポート役として仲介会社は非常に強い味方となります。そこで続いては、M&A仲介会社の選び方について解説しましょう。一言に仲介会社といっても、得意分野や規模感、実績、費用などはさまざまです。多くの場合、経営者の皆様はM&A初心者でしょう。ぜひ、仲介会社選定のコツを知って今後の参考にしてください。

①豊富な知識と実績がある

M&A仲介会社の価値は、実績と知識量に比例するといっても過言ではありません。茨城県の場合は、とりわけ後継者問題に強い仲介会社を選ぶことが重要なケースが多いです。よって複数を比較して、自社が想定しているM&Aに近い事例をどのくらい知っているのか、そして実際に携わってきたのかを確認するようにしましょう。

②手数料・報酬体系がわかりやすい

手数料や報酬体系がどのようになっているのかをわかりやすく提示してくれる仲介会社がおすすめです。都合よくサポートしてくれても、最後に多額の請求があるとなれば、それによって足を引っ張られてしまい、逆効果ともいえます。

したがって、必ず相談する最初の段階で、着手金の有無や成功報酬額といったその仲介会社の報酬体系について詳しく教えてもらうようにしましょう。

③相手企業へのアプローチ方法

相手企業へのアプローチ方法は、大きく「同時並行型」と「1社ずつの単独型」に分かれます。前者の方が複数の候補にアプローチできるため、一般的には成功しやすいといえます。後者は、一つの候補がダメになるとまた一からの交渉となり、非常に時間とコストがかかる可能性があります。

そのため、同時並行型で着手金がなく、成功した時のみ報酬が発生するという仲介会社を選択するのが無難かもしれません。

④地域や専門性・業種の強み

茨城県の経済事情に詳しいとか、業種の動向に詳しい仲介会社を選ぶことも大切です。M&Aは、特に後継者絡みなど非常にセンシティブな問題に切り込む必要があります。

そのためには、土地勘があったり、地元の人や組織のつながりに精通している方が、圧倒的に適切な相手に辿り着ける可能性が高まるでしょう。業界の動向をよく把握していると、こちらの困りごとやニーズにも十分な理解を示してくれるはずです。

⑤担当者との相性が良い

仲介会社を選ぶ際、意外に大切なのが担当者との相性です。人間ですから、最後は人柄や性格がものを言う部分があるのです。相性が良ければ成功に向けて全力を尽くしてもらえると期待できます。その意味では、信頼のおける人からの紹介はおすすめです。もちろん豊富な成功事例をもち、業界の動向にも詳しいといった条件をクリアしていることが前提です。

茨城県でM&Aを成功させるためのポイントと注意点

最後に茨城県においてM&Aを成功させるポイントについて改めて整理しましょう。売却側と買収側に分けて見ていきます。

売却側企業

  • 売却の目的を明確にする
  • 売却金額や株式譲渡・従業員の雇用・福利厚生・事業形態といった条件を明確にする
  • 仲介会社などプロのサポート役に相談のうえ協力を仰ぐ
  • 複数の候補を選定する
  • 相談や交渉が極秘に行い、秘密保持契約を締結する
  • デューデリジェンス→契約締結→クロージングの流れを手堅く行う
  • 売り急ぐあまりに損をしないように注意する

買収側企業

  • M&Aの目的を明確にする
  • 信頼のおける仲介会社を見つける
  • 買収資金を確保する
  • シナジー効果が確実に得られる企業を選定する
  • 必ず現場を視察する
  • 買収の条件を精査する
  • 買収後のPMI(買収後の統合プロセス)をおろそかにしない

茨城県でM&Aを行うときはM&A専門家のサポートですすめよう

茨城県には地元で支持を得ながら、素晴らしい実績をもつ企業が数多く存在します。しかし、後継者が不在で事業継続問題に頭を悩ましているケースが少なくありません。そこで適切にM&Aが実行できれば、売り手にとっても買い手にとっても想定以上のシナジー効果が生まれると期待できます。

そのような相手を探し当てるためにも、ぜひM&A専門家を活用してください。茨城県の事情に精通し、業界の動向に詳しいサポート役を味方につければ、具体的な道筋が見えてくるに違いありません。輝かしい未来のために、早速相談をしてみてはいかがでしょうか。

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