青森県のM&Aの動向を調査!案件の探し方や注意点・おすすめの仲介会社も解説!
青森県のM&Aは都市圏に比べれば少ないですが、件数は増加しています。人口減少や経営者の高齢化により、青森県のM&Aの動向は今後も増加するでしょう。この記事では、青森県のM&Aの動向を調査したうえで、M&Aの成功事例や注意点、公的機関などを紹介します。
目次
青森県のM&Aの現状や動向
はじめに青森県の産業構造を踏まえて、M&Aの現状や動向を見てみましょう。
青森県の産業構造
青森県の主要な産業は、農業や漁業の第一次産業だと認識している人が多いでしょう。
しかし実際の主要産業は、第3次産業です。
「令和3年経済センサス-活動調査 速報集計結果青森県の概要」によると、青森県内の就業者数のうち、約7割が第3次産業の事業所で働いています。
さらに全産業で見みると、卸売業や小売業、医療・福祉と製造業で約半分を占めています。
青森県のM&Aの現状
株式会社レコフの調査「青森県のM&A件数 – 2022年」によると、青森県のM&Aは2022年に10件のM&Aが成立して4年ぶりに増加しました。
案件一覧サイトのバトンズを見ても、青森県内の企業が事業譲渡を希望しています。
したがって、今後もM&Aは継続的に行われていくでしょう。
青森県のM&Aの動向
株式会社レコフの調査からわかるように、青森県のM&Aの動向は2007年と2016年だけが10件を超えています。
直近20年の動向を見ると、M&Aが10件以下です。
しかし今後は、青森県のM&Aの動向は増加すると予想します。
理由は以下の実態があるからです。
- 経営者が高齢になっている
- 人口が減少している
- 黒字でも休廃業や解散をしている
青森県の経済動向が不透明なため、企業の存続のためにM&Aも選択肢の1つです。
東北地方でM&Aの案件を探す方法
現状や動向を把握したところで、東北地方でM&Aの案件を探す方法を紹介します。
具体的には以下の3つです。
- M&Aマッチングサイトを利用する
- 金融機関・公的機関に相談する
- M&Aの専門家に相談する
それぞれ説明します。
M&Aマッチングサイトを利用する
M&Aマッチングサイトとは、インターネットを用いて売却したい企業と買収したい企業を繋ぐサービスです。
M&Aマッチングサイトの例として、以下のサイトがあります。
- BATONZ
- TRANBI(トランビ)
- M&Aクラウド
マッチングサイトのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・多くの企業を見つけられる ・直接連絡できる ・手数料がかからない | ・情報が漏れる可能性がある ・成立するまで時間がかかる |
マッチングサイトは、メリット、デメリットを把握したうえで利用しましょう。
金融機関・公的機関に相談する
まず、青森銀行やみちのく銀行のような金融機関に相談してみましょう。
また、以下の公的機関に相談する方法もあります。
公的機関①:青森県事業承継ネットワーク
国が事業承継を後押しする公的機関。商工会議所や金融機関を利用して、事業承継を行うサービス。
公的機関②:青森県事業承継・引継ぎ支援センター
青森県で事業承継に悩む中小企業をサポートする公的機関。エリアごとにコーディネーターを設置し、第三者承継や親族内承継などの相談を受ける。
公的機関③:はちのへ創業・事業承継サポートセンター
八戸市と八戸商工会議所が共同で開設した公的機関。中小企業の廃業を未然に食い止めるほか、起業する人を増やすのもミッションにしている。
注意点は、公的機関が保有するM&Aの案件が少ない場合もあることです。
したがって、M&Aマッチングサイトや金融機関にも相談しましょう。
M&Aの専門家に相談する
M&Aは以下の専門家に相談しましょう。
- 公認会計士
- 税理士
- 弁護士
- M&A仲介会社
そのうえで専門家を選ぶポイントは、以下の通りです。
- 実績があるか
- 費用やサービスが適切か
- 依頼するM&Aの業務内容が得意か
- M&A後のサポートは適切か
M&A仲介会社は、このあとの「青森県のM&Aにおすすめの仲介」で紹介します。
ぜひ参考にしてください。
青森県のM&Aのメリットとデメリット
青森県のM&Aで失敗しないために、メリットとデメリットに分けて説明します。
メリット
青森県のM&Aのメリットは以下の4つです。
- 事業拡大が期待できる
- コストを削減できる
- 従業員の雇用を維持できる
- 経営者の個人保証が解除できる
それぞれ見てみましょう。
事業拡大が期待できる
M&Aを行えば、事業を行う地域を拡大できます。
例えば2020年に行われた下記M&Aの事例は、事業の拡大に成功した事例です。
企業名 | 所在地 | |
---|---|---|
売り手 | 株式会社コスモジャパン | 青森県八戸市 |
買い手 | ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社 | 東京都 |
目的 | 東北地方への事業拡大とシナジー効果 |
両社ともエレベーターのメンテナンスやリニューアルの事業を行っています。
このM&Aでジャパンエレベーターサービスホールディングスは、東北地区に事業を拡大させることができました。
コストを削減できる
M&Aではなく倒産を選択した場合、多くの費用がかかります。例えば、以下の費用です。
- 会社の機器
- 在庫の処分
- 物件の原状回復
- 解雇になる従業員への補償
倒産すれば、身に付けてきた事業のノウハウや技術などを失います。
もしM&Aを実施すれば、コストを削減できる以外に事業のノウハウや技術を活かすことが可能です。
従業員の雇用を維持できる
売り手企業が倒産した場合、本来なら従業員は失業します。
しかしM&Aを行うと、買い手企業に雇用されて失業を防ぐことできます。
しかも買い手企業は、資金があって経営状況が良い企業が多いです。
したがって、売り手企業だった従業員にとって雇用の安定に繋がります。
経営者の個人保証が解除できる
銀行から融資を受けたとき、経営者自身が保証人になるのが一般的です。
しかし経営者が保証人になると経営に対する不安を感じるため、ビジネス上でチャレンジできなくなります。
経営者の中には、精神的に不安定になる人もいるでしょう。
仮にM&Aを実施すれば、経営権が委譲されます。
経営者の個人保証が無くなり、精神的に楽になれる場合が多いです。
デメリット
一方で、青森県のM&Aのデメリットは以下の2つです。
- 契約成立までに時間がかかる
- 高額な費用が発生するケースもある
それぞれ見ていきましょう。
契約成立までに時間がかかる
M&Aが成立するまでには時間がかかります。
なぜなら、以下の過程を辿るからです。
- 準備
- 交渉
- クロージング
- 経営統合
過程のそれぞれに、売り手と買い手企業に必要な作業があります。
その結果、M&Aの成立には長くても1年近くかかるのが注意点です。
M&Aの流れを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしましょう。
高額な費用が発生するケースもある
M&Aを実施したあとに簿外債務が見つかり、高額な費用が発生する注意点もあります。
簿外債務とは貸借対照表に掲載されていなかった負債で、未払いの残業代や社会保険料、訴訟のリスクなどです。
高額な費用になる簿外債務を防ぐために、徹底的なデューデリジェンスと表明保証を依頼しましょう。
■表明保証とは
最終契約書に簿外債務の有無を記載してもらうこと。M&Aの後に簿外債務が見つかった場合、損害賠償請求を可能にする。
青森県のM&Aの成功事例
では、青森県のM&Aの成功事例を見てみましょう。具体的には、以下の4つの事例です。
①デジタルキューブとヘプタゴン
兵庫県神戸市にある株式会社デジタルキューブと、青森県三沢市にある株式会社ヘプタゴンの事例です。
デジタルキューブはWordPressの専門集団で、WordPressやAWSを使ったホームページ作成やインフラの構築をサポートしています。
一方でヘプタゴンはAWSを利用して、テクノロジーで課題を解決する事業を東北で展開していました。
このM&Aでデジタルキューブは、ヘプタゴンのクラウド(AWS)のノウハウを手に入れ、事業の拡大に繋がっています。
②forestとヒラケドア
東京のforest株式会社と青森県八戸市の株式会社ヒラケドアの事例です。
forestは、Amazonや楽天などを活用したマーケティングやサプライチェーンの改善・成長を支援しています。
一方、ヒラケドアはキャンプ用品のブランド「CAMP GREEB」を展開していました。
このM&Aで、forestは商品力の改善やラインアップを増やすことができました。
③アジアゲートホールディングスと東日本不動産
④エコ・ワークスと八甲田風力発電
東京にある株式会社エコ・ワークスと東北電力株式会社の事例です。
エコ・ワークスは八甲田風力発電を運営し、4,000kwの陸上風力発電設備「大中台牧場風力発電事業」の建設を計画しています。
このM&Aは、東北電力がエコ・ワークスに出資して成立しました。
東北電力が保有する電気事業のノウハウを、「大中台牧場風力発電事業」に活かしています。
青森県のM&Aにおすすめの仲介会社
成功事例を把握したところで、青森県のM&Aにおすすめの仲介会社を見ていきましょう。具体的には、以下の5つです。
- 株式会社日本M&Aセンター
- M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
- M&A総合研究所
- 株式会社ストライク
- GCA株式会社
以下、それぞれ説明します。
①株式会社日本M&Aセンター
日本M&Aセンターは、1991年に設立された東証一部上場の仲介会社です。
弁護士や公認会計士など、M&Aの専門家が多数在籍しています。
他にも以下の特徴があります。
- M&Aの実績が多数
- 中小企業のM&Aにも強い
- M&Aの成約後のフォローが厚い
日本M&Aセンターは、資金力があり初めてM&Aを行う企業におすすめです。
②M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
M&Aキャピタルパートナーズは、株式会社東京商工リサーチの調査項目の多くでNo.1を獲得した仲介会社です。
2013年から成約件数が増加し、調剤薬局業界のM&Aの成約数は国内でトップです。
他にも、以下の特徴があります。
- 着手金や月額報酬が発生しない
- 従業員の平均年齢が若く年収も高い
- 1人の担当者が買い手企業と売り手企業の両方をサポート
M&Aキャピタルパートナーズは、費用を抑えても安心してM&Aの相談をしたい企業におすすめです。
③M&A総合研究所
M&A総合研究所は、2018年に設立以降、顧客満足度の高いサービスを提供している仲介会社です。
M&Aは通常、成約まで1年ほどかかりますが、M&A総合研究所は手続きの無駄を省いて3か月で制約できます。
その他にも、以下の特徴があります。
- 相談料から月額報酬まで無料(中間報酬は譲渡企業だけ無料)
- 独自のAIを使ったマッチングシステム
- セカンドオピニオンサービスが無料
M&A総合研究所は、少しでも早くM&Aを制約させたい企業におすすめです。
④株式会社ストライク
ストライクは、日本初のインターネットでM&Aのサポートを立ち上げた仲介会社です。
ストライクの役職の5分の1が公認会計士のため、財務に関して強みを持っています。
他にも以下の特徴があります。
- 全国の8拠点にオフィスがある
- ベンチャーやスタートアップ企業のM&Aに特化したチームがある
- 中間報酬が他社よりも安い
スタートアップ企業や、地域密着型のサポートを求めている企業におすすめです。
⑤GCA株式会社
GCAは、どの金融機関とも取引しない独立系専業のM&A仲介会社です。
案件の1つひとつが規模の大きい企業で、阪急ホールディングスと阪神電気鉄道の統合にも関与しました。
他にも、以下の特徴があります。
- 海外に25拠点もあり、海外M&Aにも対応できる
- コロナ禍でも業績が好調で、安定している
- デューデリジェンス業務専門のGCA FAS株式会社を持つ
GCAは、海外M&Aを希望する企業におすすめです。
青森県でM&Aを行う場合の注意点
青森県でM&Aを行う場合の注意点は、以下の3つです。
- 仲介会社に依頼する際には実績を必ず確認する
- 企業の財務状況を正確に把握する
- 業界の将来性も確認する
以下、説明します。
仲介会社に依頼する際には実績を必ず確認する
注意点の1つ目として、仲介会社の実績は絶対に見るようにしましょう。
理由は、得意な業界がどこか判断できるからです。
例えば医療業界の実績が多ければ、医療業界のM&Aが得意であるのがわかります。
また、自社と同じ企業規模のM&Aを扱った経験があるのかも聞きましょう。
M&Aは仲介会社の役割が重要なため、実績がある仲介会社を選ぶことが大切です。
企業の財務状況を正確に把握する
注意点の2つ目としてM&Aの相手企業となる財務状況を、正確に把握しておきましょう。
財務状況は、デューデリジェンスの「財務デューデリジェンス」で確認します。
貸借対照表や損益計算書から財務状況の把握が可能です。
M&Aのシナジー効果を出せるように、自社の企業価値を減らすリスクを事前に排除することが重要です。
業界の将来性も確認する
注意点の3つ目として、業界の将来性を確認しましょう。
将来性を確認するには、デューデリジェンスの「事業デューデリジェンス」で確認できます。
具体的には競合企業やマーケット分析、市場の立ち位置を把握することです。
事業のビジネスモデルや資源を把握して、SWOT分析といったフレームワークで将来性を確認しましょう。
青森県でのM&Aは専門家に相談しよう!
この記事では青森県のM&Aに関して、以下に関して解説してきました。
- 青森県のM&Aの現状や動向
- 東北地方でM&Aの案件を探す方法
- 青森県のM&Aのメリット・デメリット
- 青森県のM&Aの成功事例
- 青森県のM&Aにおすすめの仲介会社
- 青森県でM&Aを行う場合の注意点
青森県のM&Aは、首都圏に比べればM&Aの事例は多くないものの、増加傾向が見られます。
人口減少による人材不足、経営者の高齢化により、M&Aを検討する企業は増加するでしょう。
ぜひ青森県でM&Aを検討している方は、記事で紹介している注意点に気を付けて公的機関やM&A総研に相談してみましょう。
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