セールスプロモーション会社のM&Aの状況を徹底解説!メリットや注意点とは?
セールスプロモーション会社とは企業の販売促進活動を担う会社のことです。この記事ではセールスプロモーション会社におけるM&Aの状況について詳しく解説すると共に、セールスプロモーション会社のM&Aのメリットや注意点についても
説明します。
目次
セールスプロモーション会社の状況
セールスプロモーション会社の状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により、大きく変化しています。感染症拡大以前は、イベントやキャンペーンなどのリアルな場での販売促進が主流でしたが、感染症拡大後は、オンラインでの販売促進が急速に拡大しています。
また、デジタル化の進展により、消費者の購買行動も変化しており、セールスプロモーション会社は、こうした変化に対応した新たな施策の開発や、デジタルマーケティングの活用に取り組んでいます。具体的には、オンラインイベントの開催や、SNSを活用したキャンペーンの実施、デジタル広告の活用などが挙げられます。
セールスプロモーション会社とは
セールスプロモーション会社とは、企業の販売促進を支援する会社です。企業の広告代理店やメーカーから依頼を受けて、イベントやキャンペーンの企画・実施、販促物やツールの制作・配布、販売促進スタッフの派遣など、さまざまな販売促進活動を行います。
セールスプロモーション会社は、企業のマーケティング戦略や販売戦略に沿った、効果的な販売促進活動を展開することが求められている組織です。近年では、デジタル化の進展や消費者の購買行動の変化に対応した、新たな販売促進手法の開発や活用が求められています。
セールスプロモーションと広告の違い
セールスプロモーションと広告は、どちらも企業のマーケティング活動の一環として行われますが、その目的と手法に違いがあります。
セールスプロモーションは、商品やサービスの購買行動を直接的に喚起させるための販売促進活動です。具体的には、イベントやキャンペーン、販促物やツールの制作・配布、販売促進スタッフの派遣などが挙げられます。
一方、広告は、商品やサービスの認知度向上やブランディングを目的とした宣伝活動です。具体的には、テレビや新聞、雑誌、インターネットなどのメディアを活用した広告出稿が挙げられます。
このように、セールスプロモーションは、広告よりも具体的な購買行動を促すことを目的としている点が特徴です。
セールスプロモーション会社のM&Aが増加
近年、セールスプロモーション会社のM&A(企業の売却・株式の譲渡など)が増加しています。その背景には、以下のようにデジタル化の進展やマーケティング手法の変化が挙げられます。
- デジタル化の進展により、消費者の購買行動は多様化しており、企業は従来のセールスプロモーション手法だけでは、消費者の購買意欲を喚起することが難しくなっているのが現状です。
- そのため、セールスプロモーション会社は、デジタルマーケティングの活用や、新たな販売促進手法の開発など、新たな競争力を獲得するためにM&Aを活用しています。
また、企業のマーケティング活動は、従来のマスマーケティングから、ターゲットマーケティングやオムニチャネルマーケティングなど、より多様化してきているのです。
そのため、セールスプロモーション会社は、幅広いマーケティング手法に対応できる体制を整えるために売却・買収などのM&Aを活用しています。
今後も、セールスプロモーション会社のM&Aは、今後も増加していくことが予想されます。
セールスプロモーション会社のM&Aの事例
セールスプロモーション会社の株式譲渡などのM&Aの具体的な事例について以下に解説します。
ネットマーケティングからMacbee PlanetへのM&A
2023年3月6日、株式会社Macbee Planetは、譲渡された株式会社ネットマーケティングの全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。
ネットマーケティングは、アフィリエイト広告やソーシャル広告など、成果報酬型広告を中心に、プロモーションの戦略立案から運用支援までを行うコンサルティングサービスを提供しています。
Macbee Planetは、デジタルマーケティング事業を展開しており、ネットマーケティングの買収により、成果報酬型広告の領域における事業基盤を強化し、競争力を高める狙いです。
具体的には、ネットマーケティングの豊富なアフィリエイト広告の運用実績やノウハウを活用することで、Macbee Planetのデジタルマーケティング事業の拡大を図るとともに、両社の顧客基盤の共有によるシナジー効果を創出することを目指しています。
このM&Aは、セールスプロモーション業界の競争激化を背景に、成果報酬型広告の領域における事業基盤の強化によるメリットを目指したものと言えるでしょう。
丹青社とHARTiのM&A
2021年6月3日、株式会社丹青社は、株式会社HARTiと資本業務提携を発表しました。
丹青社は、商業施設や文化施設などの空間づくりを手がける総合デザイン会社です。一方、HARTiは、現代アーティストのプロデュースやアート作品の販売・企画を行う企業です。
今回の資本業務提携により、丹青社は、HARTiの持つアートに関する知見やネットワークを活用し、商業施設や文化施設などの空間に、アートをより効果的に活用した新たな価値創出を目指します。
具体的には、HARTiの協力のもと、商業施設や文化施設の空間に、アート作品を活用した新しい体験やコンテンツを創出することを目指しています。
また、HARTiの持つアーティストネットワークを活用し、企業のマーケティング活動におけるアートの活用によるメリットの享受も検討中です。
このM&Aは、丹青社が、空間づくりにおける新たな価値創出を目指すための取り組みと言えます。
Gehl Architects HoldingからkyuへのM&A
2023年7月20日、デンマークの都市計画コンサルティング会社であるGehl Architects Holdingは、日本のデザイン・コンサルティング会社であるkyuへの株式譲渡を発表しました。
Gehl Architects Holdingは、1960年にデンマークで設立された都市計画コンサルティング会社です。人中心の都市計画やデザインを専門とし、世界140以上の国々でプロジェクトを展開しています。
一方のkyuは、2001年に日本に設立されたデザイン・コンサルティング会社です。都市計画やデザイン、建築、アートなど、さまざまな領域の専門家が集まり、人々の暮らしや社会に新しい価値を創造する取り組みを行っています。
今回の株式譲渡により、Gehl Architects Holdingは、kyuの持つ日本市場におけるネットワークや実績を活用し、アジア地域での事業拡大を目指します。また、kyuは、Gehl Architects Holdingの持つ世界的なネットワークやノウハウを活用し、グローバル展開を目指します。
このM&Aは、両社の強みを組み合わせることで、グローバルな都市計画やデザインの分野における新たな価値創出というメリットの享受を目指す取り組みと言えるでしょう。
サニーサイドアップグループからAnyMind GroupへのM&A
2021年1月、株式会社サニーサイドアップグループは、AnyMind Group株式会社に、子会社のENGAWA株式会社の株式を譲渡することを発表しました。
サニーサイドアップグループは、PRやマーケティング、クリエイティブなどのサービスを提供する総合PR会社です。また、ENGAWAは、海外観光客向けのコミュニケーション支援や、外国語メディア運営を手がける会社です。
そして、AnyMind Groupは、DtoC(ECサイトを通じた直販)プラットフォーム事業を展開する会社として知られています。
今回の株式譲渡により、AnyMind Groupは、ENGAWAの持つ海外マーケティング支援や、外国語メディア運営のノウハウを活用し、海外事業の拡大を目指します。
また、サニーサイドアップグループは、AnyMind Groupの持つDtoCプラットフォーム事業のノウハウを活用し、デジタルマーケティング事業の強化を目指します。
このM&Aは、両社の強みを組み合わせることで、グローバルマーケティングにおける新たな価値創出を目指す取り組みと言えるでしょう。
LiveAreaから電通グループへのM&A
2021年7月、電通グループは、米国の広告会社PFSwebの事業であるLiveArea(ライブエリア)を買収することを発表しました(電通グループへの株式譲渡)。
LiveAreaは、eコマースを中心にWebサイト、コンテンツ制作や広告運用など、顧客体験マネジメント(CXM)を担う企業です。
電通グループは、この買収により、BtoC(企業・個人間取引)領域における顧客体験マネジメント(CXM)とコマース(取引)のサービス機能の強化・拡充を狙います。
具体的には、LiveAreaの持つeコマース領域における豊富な実績やノウハウを活用することで、電通グループのBtoC領域におけるマーケティング・コミュニケーション事業の強化を図るとともに、両社の顧客基盤の共有によるシナジー効果というメリットを創出することを目指しています。
このM&Aは、デジタル化の進展による競争激化を背景に、BtoC領域における顧客体験マネジメント(CXM)とコマース(取引)の強化を目指したものと言えるでしょう。
Sun AsteriskとLiver BankのM&A
2023年7月15日、株式会社Sun Asteriskは、株式会社Liver Bankの株式を取得し(Sun Asteriskへの株式譲渡)、完全子会社化することを発表しました。
Sun Asteriskは、デジタルマーケティング事業を展開する会社です。Liver Bankは、人工知能(AI)を活用した医療画像解析サービスを提供する会社です。
今回のM&Aにより、Sun Asteriskは、Liver Bankの持つAI技術を活用し、デジタルマーケティング事業の強化を目指します。また、Liver Bankは、Sun Asteriskの持つマーケティングノウハウを活用し、医療画像解析サービスの事業拡大というメリットを目指します。
このM&Aは、両社の強みを組み合わせることで、デジタルヘルスケア領域における新たな価値創出を目指す取り組みと言えるでしょう。
セールスプロモーション会社のM&Aの費用の相場
セールスプロモーション会社のM&Aの費用の相場について、具体的な算出方法などについて以下で詳しく解説します。
一般的な算出方法
セールスプロモーション会社のM&A費用の相場は、対象会社の規模や業種、M&Aの目的などによって異なります。一般的な場合、M&A費用は、売却額、デューデリジェンス費用、アドバイザリー費用の3つから構成されます。
買収額の相場は、対象会社の株式価値をベースに算出されます。株式価値は、DCF法(割引キャッシュフロー法)や類似会社比較法など、さまざまな方法で算出可能です。
デューデリジェンス費用は、対象会社を買収する前に、その財務状況や事業内容、法務リスクなどを調査する費用です。デューデリジェンスは、M&Aの成功を左右する重要なプロセスであり、慎重に実施する必要があります。
アドバイザリー費用は、M&Aの仲介や助言を行う専門家の費用です。M&Aは、複雑かつ専門的な知識が必要なため、アドバイザリーサービスの利用が一般的です。
セールスプロモーション会社のM&A費用の相場は、対象会社の規模が大きいほど、一般的には高くなります。また、対象会社の業種によっては、専門的な知識やノウハウが必要なため、アドバイザリー費用の相場が高くなる傾向があります。
交渉によって決定
セールスプロモーション会社の M&Aの費用の相場は、対象会社の規模や業種、M&Aの目的などによって異なりますが、一般的には、買収額が最も大きな費用となります。
売却額(買収額)の相場は、対象会社の株式価値をベースに算出されます。株式価値は、DCF法(割引キャッシュフロー法)や類似会社比較法など、さまざまな方法で算出することが可能です。
しかし、これらの方法はあくまでも目安であり、最終的な売却金額の相場は、売り手と買い手の交渉によって決定されます。
M&A仲介会社に相談する
セールスプロモーション会社のケースに限りませんが、M&Aには複雑かつ専門的な知識が必要なため、M&A仲介会社に費用の相場などの面でも相談することをおすすめします。M&A仲介会社は、M&Aの経験豊富な専門家が、売却額(買収額)の相場の算出やデューデリジェンスの実施、交渉支援など、M&Aの各プロセスをサポートします。
また、M&A仲介会社は、さまざまなM&A案件を取り扱っているというメリットがあるため、対象会社やM&Aの目的に合ったプランを提案することが可能です。M&Aを検討している場合は、M&A仲介会社に相談して、M&A費用の相場やM&Aの進め方についてアドバイスを受けることをおすすめします。
セールスプロモーション会社のM&Aを成功させるポイント
セールスプロモーション会社のM&Aを成功させるポイント としては、以下のようなものを挙げることができます。
自社の分析を行う
セールスプロモーション会社のM&Aを成功させるためには、自社の強みや弱みを分析することが重要です。自社の強みや弱みを把握することで、どのような会社とM&Aをすれば、自社の事業を拡大・強化できるかを判断できる点がメリットです。
M&A費用の相場を把握することも大切ですが、自社分析をしっかり行うことも極めて重要です。 具体的には、事業内容・顧客・競合・財務状況・人材について分析する必要があります。
M&Aを行う目的を明確にする
セールスプロモーション会社のM&Aを成功させるためには、M&Aを行う目的を明確にすることが重要です。M&Aの目的は、事業拡大、事業強化、経営統合などさまざまです。目的を明確にすることで、対象会社を選定する際に、自社の目的に合った会社を選べる点がメリットです。
具体的な目的としては、事業拡大(新規事業の展開、既存事業の拡大)・事業強化(顧客基盤の拡大、競争力の強化)・経営統合(経営資源の集約、経営の効率化)などが挙げられます。
相手企業を慎重に選ぶ
セールスプロモーション会社のM&Aを成功させるためには、会社を譲渡する相手企業を慎重に選ぶことが重要です。相手企業の選定を誤ると、M&Aが失敗するリスクが高くなるというメリットがあります。
相手企業を選定する際には、自社の事業や目的に合っているか・財務状況が健全か・人材や技術が優秀か・企業文化が合っているか、といったポイントを押さえることが大切です。
また、M&A後のシナジー効果を十分に検討することも重要です。M&Aによって、自社の事業や経営がどのように強化されるのか、具体的なシナジー効果を明確にする必要があります。
セールスプロモーション会社のM&Aの注意点
セールスプロモーション会社のM&Aの主な注意点は以下の通りです。
M&Aの手順を理解しておく
セールスプロモーション会社のM&Aの注意点は、M&Aの手順を理解しておくことです。M&Aは、検討からクロージングまで、多くのプロセスを踏む必要があります。各プロセスで何が行われるのか、どのような書類が必要なのかを把握しておくことで、M&Aを円滑に進められるメリットがあります。
具体的には、検討フェーズ(M&Aを行う目的や対象企業を検討する)・交渉フェーズ(買収価格や条件を交渉する)・契約締結フェーズ(基本合意書や最終契約書(株式譲渡契約など)を締結する)・デューデリジェンスフェーズ(対象企業の財務状況や事業内容を調査する)・金融機関の調達フェーズ(M&A資金を調達する)・クロージングフェーズ(M&Aを完了するに手順が分かれています。
M&Aにおける各手順で、専門家のサポートを受けることも重要な注意点です。M&A仲介会社やM&Aアドバイザーは、M&Aの経験豊富な専門家が、各手順をサポートしてくれます。
従業員の雇用を確認する
従業員の雇用を確認することも、セールスプロモーション会社のM&Aにおける注意点のひとつです。M&Aによって、従業員の雇用が維持されるのか、待遇はどのようになるのかを、対象企業と十分に交渉しておく必要があります。
M&Aによって、従業員の雇用が維持されない場合は、従業員の離職につながり、M&Aの成功に大きく影響するでしょう。また、従業員の待遇が大幅に下がると、従業員のモチベーションが低下し、M&A後の事業運営に支障をきたす可能性があります。
譲れない希望売却額を定める
セールスプロモーション会社のM&Aを検討している場合は、株式の譲渡価額などおける譲れない希望売却額を定めておくことも大切な注意点です。希望売却額を定めることで、交渉の際に主導権を握ることができ、納得のいく条件でM&Aを進めることができます。
希望売却額を定める際には、自社の事業内容や財務状況を踏まえて合理的な金額にすることや、交渉次第では希望売却額から下がる可能性があること、などの注意点も考慮する必要があります。
セールスプロモーション会社のM&Aは専門家に相談しながらすすめよう
セールスプロモーション会社の買収・売却などのM&Aは、専門家に相談しながら進めることが大切です。M&Aは、複雑な手続きや法規制が絡むため、専門家のアドバイスを受けることで、失敗リスクを回避できます。
M&Aの専門家には、M&A仲介会社やM&Aアドバイザーなどがあります。M&A仲介会社は、買い手と売り手を仲介する役割を担い、注意点についても助言してくれます。M&Aアドバイザーは、M&Aの各プロセスをサポートする役割を担います。
セールスプロモーション会社のM&Aを検討している場合は、M&A仲介会社やM&Aアドバイザーに相談することで、M&Aの成功率を高めることが可能です。
セールスプロモーション会社のM&Aは、近年増加傾向にあり、メリットも多くありますが、注意点も存在します。M&Aを成功させるためには、M&Aの目的を明確にし、相手企業を慎重に選び、M&Aの手順を理解し、専門家に相談しながら進めることが大切です。 さらに、セールスプロモーション会社のM&Aの注意点にも配慮しましょう。
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