リネンサプライ業界のM&Aの最新動向は?事例や価格相場・メリットもチェック!
本記事では、リネンサプライ業界の現状とM&Aの動向・メリットについて解説します。リネンサプライ業界の過去のM&A事例・売却相場価格などもご紹介するので、リネンサプライ業界でM&Aを考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
リネンサプライ業界の現状とM&Aの動向
まずは、リネン業界の現状とM&Aの動向について解説していきます
リネンサプライ業界の特性
リネンサプライ会社は、東京・大阪・愛知に多く存在している動向があります。
これは、集配を円滑に行いコストに直結するためと言えるでしょう。
また、リネンサプライ業界の動向として、様々な分野で強みがあります。
例えば、製造事業であれば「ダスキン」、病院・福祉事業であれば「ワタキューセイモア」などが挙げられるでしょう。
また、近年では、エステサロン・美容室・フィットネスクラブなど分野をさらに広げていっています。
リネンサプライ業界の現状
国内のリネンプライ市場の動向は、コロナの影響によって大きく変化しました。
しかし、コロナが落ち着き始め、観光地が再びにぎわうようになり、リネンサプライ業界でも回復の動向が見込まれるでしょう。
リネンサプライ業で必要とされる材料の仕入れ価格の相場は高騰しており、価格転嫁が行いにくい業界でもあるので原油価格の変動はダイレクトに影響してしまうでしょう。
リネンサプライ業界のM&Aの動向
リネンサプライ業界の動向として、長年、人手不足・後継者不足に悩まされているという問題があります。
そのため、リネンサプライ業界の動向としては、後継者不足を補うためや事業拡大のためにM&Aを行うことが多くなっています。
また、原油高・資源高の影響によって、利益率の低下に苦しんでいる状況です。
そんなクリーニング会社がM&Aによってリネンサプライ業界へ参入しつつあります。
大手リネンサプライ業者では、買収によって様々なサービスを取り入れるなど差別化をはかることが求められるようになっています。
リネンサプライ業界のM&A事例
リネンサプライ業界のM&A事例について4つご紹介していきます。
①白洋舎とトーカイ
2021年5月、トーカイは、白洋舎のダストコントロール事業の権利義務を買収した事例になります。
白洋舎は、日本の大手クリーニング会社であり、トーカイは、病院リネンサプライや病院運営の周辺業務受託、宿泊施設など寝具類の貸与を手がけている会社になります。
今回の事例では、事業領域の拡大や事業の持続的成長のために買収を行ったと言えます。
また、M&Aによって、新型コロナウイルス感染拡大下における公衆衛生の維持向上に寄与し、継続的な成長や従業員の利益拡大の動向が垣間見えるでしょう。
②ヤマシタと日商リネンサプライ
2019年、ヤマシタは、日商リネンサプライを買収した事例になります。
両社はいずれもリネンサプライを行う会社であり、吸収合併により基盤のさらなる強化を見込んでいます。
③松屋リネンサプライとトーカイ
2018年11月、松屋リネンサプライは会社分割を行い、トーカイに売却させた事例になります。
トーカイ・松屋リネンサプライ両社とも福祉関係の事業を取り扱っています。
売却によって、松屋サプライは本業に集中できるようになり、トーカイは同事業の強化に成功した事例になります。
④ダスキンとEDIST
2021年4月、ダスキンは取得価格1,800万円で、アドベンチャーからEDISTを買収した事例になります。
アドベンチャーは、コンシューマ事業・投資事業を行っている企業であり、EDISTは洋服などのレンタルサイトを運営しておりました。
今後の動向地しては、ダスキンのレンタル事業のノウハウと、EDISTのオンラインマーケティングのノウハウを掛け合わせ、生活者における「ワークライフマネジメントのお手伝い」というテーマに取り組んでいくでしょう。
リネンサプライ業界のM&Aのメリット・デメリット
リネンサプライ業界のM&Aに関して、売り手・買い手それぞれの方面から見たデメリットとメリットについてご紹介したいと思います。
メリット
まずはメリットについて、売り手・買い手目線に分けて確認していきます。
売り手側
- 後継者不足の解消
買収されることによって、全国から優秀な後継者を探すことが可能になります。リネンサプライ業界は、小規模事業主が大半であり、経営者の年齢層も高めになっています。
新たにリネンサプライ事業を始める企業も少なく、新規参入が少ない状況になっています。
M&Aによって、後継者不足も解消する事例も少なくありません。
- 従業員の雇用を保護
- 買収されることによって、買い手企業へ従業員の雇用を引き継ぐことができ、従業員の雇用を保護することができます。
- 事業承継の問題で廃業を選択した場合、従業員を自社都合で解雇しなければいけません。
中小企業の場合は、経営者と従業員の結びつきが強いため、従業員の雇用維持を第一に考える経営者が非常に多いと言えるでしょう。
売却によって、株式譲渡・事業譲渡いずれにせよ、従業員の雇用を守ることができるでしょう。
- 個人保証問題の解決
M&Aであれば、負債も買い手企業に引き継いでもらうことが可能になります。
事業を行う上では金融機関などから融資を受けるケースがありますが、その際中小企業の場合は、個人保証を追ったり担保を差し入れたりするケースがあります。個人保証が引き継がれない場合、引退してもリスクを背負ったまま生活しなければならず、精神的負担も多くなるでしょう。
M&Aを行うことによって株式譲渡であれば自動的に引き継がれ、事業譲渡であれば売却益を融資返済へ充てることができます。
オーナーの収益獲得
売却によって利益が出た場合、株式譲渡であればオーナー経営者が、事業譲渡であれば退職金として受け取ることができます。
- 廃業時にかかるコストを削減
M&A によって廃業時にかかるコストなどを削減することができます。
もし会社を廃業することとなれば、設備などの処分費用や事業に賃貸借物件の現状回復費用なども必要になってくる事例もあります。
M&Aであれば、廃業コストも不要です。
買い手側
- 事業拡大
リネンサプライ会社同士で買収を行った場合、買い手側は事業規模や事業範囲を拡大することができるでしょう。
事業拡大をすることで生産性向上やコスト削減、競争力強化をはかることができるでしょう。
- 早い期間での事業展開
すでにリネンサプライ事業を行っている企業を買収することによって早い段階で事業展開することができます。
新たにリネンサプライ事業を始める場合、事業ノウハウの構築や設備投資に多くの時間と費用がかかってしまい、軌道にのるためにはさらなる時間を有するでしょう。
軌道に乗った状態でM&Aを行うことで、時間も費用も削減できます。
- 優秀な人材の確保
リネンサプライ業界では、個々の事業者が安定して有資格者である人材を確保することは難しいですが、買収によって有資格者の人材不足を解消することができます。
デメリット
売り手・買い手目線に分けてデメリットを確認してみましょう。
売り手側
- 買い手が見つからない
M&A仲介会社に依頼しても買い手が見つからないという可能性もあります。
買い手が見つかる可能性を高めるために、自社の企業価値を上げることや、自社の強みを伸ばす・自社の動向を見くということが重要です。
- 経営権が少なくなる
買収によって大企業の傘下に入った場合、経営者の権限は小さくなってしまいます。
経営方針や目業利益額、予算配分や社内人事など買い手企業の指示に従うことも多くなることを念頭に置いておきましょう。
買い手側
- 組織の統制に時間・コストがかかる
M&Aは契約して終わりではなく、成立後に組織の統制をすることが必須になります。
会社全体の動向を見ながら、従業員のみならず、組織文化・情報システム・従業員の評価システムなど統合しなければならず、コストと時間を要してしまうでしょう。
また、コストや時間をかけることによって二次災害が起きてしまうことがあります。
二次災害が起きないためにもM&A仲介会社にサポートしてもらうなどの対策が必要です。
- 想定していたシナジー効果が得られない
買い手はシナジー効果を期待してM&Aを行うことが一般的です。
多額の資金を払って売却を行ったにもかかわらず、シナジー効果が得られないのは企業にとって大きなデメリットとなりうるでしょう。
このような結果が起きないよう、事前調査や今後の動向を探り、想定できるシナジー効果を極力正確に算出しましょう。
リネンサプライ業界のM&Aの買収・売却価格相場
リネンサプライ業界のM&Aの価格相場や算出方法についてご紹介したいと思います。
価格相場
リネン業界のM&Aの価格相場に明確の基準値はありません。
買い手と売り手の双方の話し合いによって、価格を決める事例がほとんどであるため、価格相場に明確な基準値を設けることは難しいでしょう。
また、M&Aの価格相場には、ブランド力やM&A後の収益率も影響を受けると言われています。
価値の算出方法
リネンサプライ業界の価格相場の算出方法は、現在の企業価値に加えてM&A後の収益力やブランド力などを「のれん代」として算出します。
リネンサプライ会社の企業価値が高くなるポイントは、地域優位性を持っている、付加価値の高いサービスを展開している点です。
地域密着型でリネンサプライ会社を営んでいる場合は、地域の顧客としっかりとした信頼関係を築き上げておきましょう。
リネンサプライ業界のM&Aの手順
リネンサプライ業界のM&Aの契約までの手順をご紹介したいと思います。
①戦略策定
まず初めに、M&Aを行うために事前に目的や優先順位、希望の条件などを明確にしておく必要があります。
そのために財務内容や組織体制などの見直しを図るなど準備しておきましょう。
また、M&Aはただ単に売り手が買い手に事業を引き継ぐというものではありません。
事業拡大やコスト削減など双方がシナジー効果を多く獲得できる相手を選ぶようにしましょう。
自社の業界の強みや弱みをしっかり理解し、業界の特徴や脅威なども分析しておきましょう。
②委託契約
M&Aを検討する上で仲介会社は必須となります。
M&A仲介会社に依頼すれば、M&Aの目的や希望、条件のヒアリングが行われ実現に向けたアドバイスがもらえます。
また、M&A仲介会社とアドバイザリー契約を締結すると、登記事項証明書や事業報告書確定申告・自社に関する資料の提出を求められるので準備しておきましょう。
③本格的な戦略策定
M&A仲介会社との契約後、自分の希望に近い相手企業リストを10-30社提示されます。
その後、自社において金融機関や会計事務所との意見を基に、さらに相手企業を絞っていき、優先順位をつけていきます。
相手先が決まれば、売り手と買い手企業同士でNDAを締結し交渉を開始します。
④会社売却・買収の手続き
相手から連絡が来たら、経営者同士のトップ面談を行います。
トップ面談では、交渉する場ではなく交流の場になるため、自己紹介や質疑応答などによって相性を確かめましょう。
トップ面談が行われたあとは、細かい条件交渉やM&A仲介会社を含めての売却の相場金額や売却予定日などのすり合わせになります。
⑤基本合意書の締結
トップ面談・条件交渉を経て、自社と相手企業の双方が合意した段階で基本合意書を締結します。
基本合意書には、一般的に売却予定日や金額・役員の異動・調査の進め方・善管注意義務などが記載されています。
⑥デューデリジェンス
情報の非対称性を解消し、対等な立場で交渉できるようになるためにデューデリジェンスを行います。
一般的に買い手側から行われ、財務・法務・労務・ビジネスの4分野が主に明らかにされます。
デューデリジェンスは基本的に買い手企業が手動ですが財務や法務など専門的な知識が必要な分野では専門のM&Aコンサルタントや会計事務所、法律事務所に依頼するケースが多いです。
⑦最終条件交渉・契約締結
デューデリジェンスの結果を基に、M&Aの最終条件や細目を決定する本契約の契約書の作成を行います。
主に契約条件の項目としては、下記のようなものになります。
・M&A販売価格
・退職金の処理
・役員/従業員の処遇
・M&A取引金額の支払い方法
・連帯保証や担保保証の引き受け
・解除方法
・保証債務の処理
⑧クロージング
株式譲渡や事業の譲渡、譲渡代金の決済手続きなどのクロージングを行います。
M&A本契約書の前提条件としては、原則として最終契約締結日からクロージングまでの期間に前提条件を満たす様々な実験を行い確認した上で、クロージングに移行します。
クロージングが終了するとM&Aが完了となります。
リネンサプライ業界のM&Aを成功させるポイント
リネンサプライ業界のM&Aを成功させるポイントを5つご紹介したいと思います。
事前の準備をしっかりと行う
リネンサプライ業界のM&Aは事前に準備・計画をしっかり行っておく必要があります。
後継者の育成や事業承継計画の策定、責務の圧縮や相続問題の調整などスムーズに手続きができるようにしておきましょう。
契約内容をしっかりと確認する
デューデリジェンス後契約内容が提示されるので内容などをしっかり確認しましょう。
M&Aの契約完了までには一度きりの面談ではなく、幾度の交渉や面談などが行われます。
その度に契約内容を修正していくので、契約内容は何度も確認してから合意するようにしましょう。
自社の強みをアピールする
リネンサプライ業界のM&Aでは、自社のアピールポイントをいかに買い手に伝えられるかが重要になります。
M&Aを行う際は買い手に具体的なイメージを持ってもらえるよう準備しておくようにしましょう。
また、自社の強みによっては価格相場が上がることも考えられるでしょう。
M&Aの目的を明確にする
M&Aを行う際は目的を明確にしましょう。
後継者を探している、シナジーによる企業の成長が見込めるなど買い手にビジョンが伝えられるようにしましょう。
M&Aの専門家に相談する
M&Aは一人で行うことは不可能ではありませんが、知識や経験の専門家に相談する方が成功率が高くなると言えます。
M&A仲介会社などからリネンサプライ業界に強みのある専門家を探してみましょう。
リネンサプライ業界のM&Aは専門家に相談しよう!
本記事は、リネンサプライ業界のM&Aに関する買い手・売り手側のメリット・デメリットや契約までの手順、ポイントについてご紹介しました。
最終的な契約までには、買い手探しから契約後の組織統制までかなりの日数がかかります。
双方にとって最大のメリットを生み出せるようM&A仲介会社や専門のコンサルタントに相談してみましょう。
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