事業承継の相談先はどこにすればいい？選び方のポイントや注意点も紹介！

経営者の親族や社内の従業員の中から後継者が出なくても、事業承継を行えば外部の有能な人材に事業を引き渡すことができます。さらに事業をそのままの形で残すことも可能になり、従業員の雇用も確保されるのです。

では事業承継の詳細をさらに細かく分析しましょう。

近年の少子高齢化に起因し、多くの中小企業において後継者不足が大きな注意点となっています。そして事業継続可能な企業でも、後継者を擁立できないために廃業に追い込まれてしまうケースもあるのです。また労働者の高齢化により健全な企業活動ができなくなるケースも多く見受けられます。

そのような状況下で事業承継を行えば外部から優秀な後継者を擁立することが可能になり、事業そのものを継続することができるのです。また、新進気鋭の企業に事業承継を行うことで労働者の高齢化による廃業のリスクも回避できます。このように他社に事業を譲渡することで事業を継続・活性化させるのが事業承継のポイントです。

経済産業省が2017年に発表した中小企業白書によれば、中小企業における2017年度の親族外継承の割合は全体の30%を超えました。

このような傾向から多くの企業が身内で継承者を擁立するのではなく、外部から後継者を擁立する傾向が強くなっていることが伺えます。また同調査では、後継者候補がいない会社の30%以上が事業継続のために事業承継を行いたいと回答しているのも注意点です。

このように近年では、多くの企業で後継者問題を解決しているための施策としての事業承継が一般化しています。

効率的に事業承継を行い、今後の事業展開をスムーズにするためにもいくつかの事項への専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めなければいけません。

例えば事業承継の効率的な進め方や、依頼しなければいけない専門分野の選定をM&A仲介会社に相談しながら手続きを進めていくのです。

また財務の専門家に自社価値を評価してもらい、その価値に沿ったマッチングを仲介会社に依頼・相談しましょう。

後継者不在の問題が生じても、事業承継を行えば事業を残すことができます。しかし事業承継には複雑な手続きが多く、自社のみでの対応には限界が生じるのも注意点です。

そこでここからは、事業承継時の有効な相談先やアドバイス先を紹介しましょう。

税理士や公認会計士は事業承継時の有効な相談先・アドバイス先の1つです。税理士や公認会計士は自社の現状の財務状況を把握しているので、経営的な観点からアドバイスしてくれるのもメリットといえます。

しかし財務上の知識は豊富でも、事業承継に関して専門的な知識を持っているとは限りません。

したがってさらに事業承継に関する知識が必要になれば、専門の仲介会社に依頼しましょう。

家族や親族、友人は経営者にとって最も親密な存在なので、有効なアドバイス先として選択されます。特に親族内承継であれば、親族の了承を得て後継者を選定しなければいけません。

しかし、家族や親族、友人がM&Aに関する専門的な知識を持っていなければ、私情などが絡むので最適な相談相手にならない恐れもあります。

近年は後継者不足による事業承継件数が増加しており、事業承継に関する専門的なノウハウを持った経営コンサルタントも多いです。

このような業者は経営的な観点に加え、M&Aに関する深い知識も有しているので相談すれば事業承継に関する的確なアドバイスが期待できます。

一方で経営コンサルタントに事業承継に関する相談をすれば、高額な料金がかかることも注意点として認識しておきましょう。

自社の顧問としている弁護士は会社の現状に関して詳しいので、事業承継時の有効な相談相手になります。弁護士は会社の詳細については詳しいですが、一方で前述にて解説した経営コンサルタント同様に、事業承継を専門的に行っていないのも注意点です。

そしてそのような場合には別途仲介会社の依頼・相談が必要になるのも注意点といえます。

自社の取引先である金融機関も有効な相談相手の1つです。金融機関は自社のみならず複数企業と契約を結んでいるので、その中から有効な事業承継先を見つけてくれる可能性が高くなります。また一度相談すれば、金融機関が提携している仲介会社・専門家を紹介してくれるのもメリットです。

一方で事業承継時に新規融資の商品も別セットで提案してくる場合もあり、その際には自社に本当に必要なもののみ受諾しましょう。

国が運営し、経営者向けに多様なサポートを行っている公的な機関が商工会議所です。商工会議所は全国各地に設置され、経営者に対して事業承継に関する料金無料相談などを行っています。

一般的な仲介会社に相談すれば相談料金を徴収されることもありますが、商工会議所は料金無料で専門的な相談に対応してくれるのもメリットです。

一方で商工会議所は事業承継に関する相談には乗ってくれますが、実際の手続きの代行や、交渉は手掛けない点も認識しておきましょう。

M&A仲介会社も事業承継の有効なアドバイス先の1つです。事業承継に必要な手続きや交渉をスムーズに行うためには、M&Aに関するノウハウが必要な場合も多く見受けられます。したがってM&Aに関する深い知識と実績を持つ仲介会社に相談することで、迅速且つ確実に事業承継を行うことができるのです。

しかしM&A仲介会社への依頼は経営コンサルタントと同様に、多額の料金を支払わなければいけない点も認識しておきましょう。

中小企業の事業承継のサポートを行う専門機関で、国の委託事業として各都道府県に設置されているのが事業承継・引継ぎ支援センターです。この機関は国が運営している公的な機関なので、相談料金がかからないのもメリットといえます。事業承継において親族や従業員などの後継者が決まっているのであれば、必要な手続に関するサポートやアドバイスを受けることも可能です。

一方中小企業で後継者が決まっていない場合は、後継者のマッチングやM&Aで事業承継のフォローも手掛けてくれます。

前述までに解説したように、事業承継に関する相談は複数の公的機関や専門業者で受け付けています。しかし実際に事業承継に取り組む際にはどのような選び方で相談先を選べば良いのでしょうか。

では事業承継の相談先の選び方のポイントや注意点を紹介します。

事業承継の相談先によって、得意な企業の業界や規模なども異なります。したがってスムーズに事業承継を進めるためにも、自社の業種や規模の事業承継を得意とする相談先を選ぶのも相談先の選び方の重要なポイントです。事業承継には複雑な手続きや交渉が多いので、相談先が自社の業界や規模を得意としていなければ手続きがスムーズに進みません。

また自社にとって適切な相談先を選ばなければ、最適なマッチングができないこともあるのも注意点です。

事業承継の相談相手を選ぶ際には、専門家と強いネットワークを持っている相談先の選び方をするのも重要なポイントの1つです。相談先が専門家と強いネットワークを持っていれば、すぐに事業承継に関する豊富な実績を持った業者を紹介してくれます。具体的には、今までに豊富な事業承継実績を持つ仲介会社を紹介してくれるなどの措置を取ってくれるのです。

そして実績豊富な仲介会社は、自社に最適なマッチング相手も見つけてくれるでしょう。このように優れたスキルを持った専門家とネットワークを持った相談先に相談すれば、事業承継がスムーズに進んでいくのも重要なポイントの1つです。

事業承継は明確な業務が判別しにくいので、相談を受け付けている機関や仲介会社の中には最初に明確な料金体系を表示していないケースもあります。そして手続き完了後に、想定外の金額を請求されてしまうこともあるのです。このような事態を予防するためにも、最初の相談料金が無料の専門家に相談し、着手金や成功報酬などの料金を把握しておきましょう。

結果として事業承継の報酬が適正かどうかを事前に見極めて相談するのも、相談先の選び方の重要なポイントといえます。

事業承継には複雑な手続きや交渉が多く、承継をスムーズに進めていくためにも相談先との綿密な連携を欠かすことはできません。

一方で相談先の担当者との相性が悪ければ、コミュニケーションも取りにくくなって希望通りの事業承継が実現されなくなってしまいます。

このような観点からも事業承継の相談先を選ぶ際には相談先の担当者との相性も確認し、連携が取りやすい相談先を選択するのも重要なポイントです。

事業承継は自社の今後を決定する重要な手続きなので、成功させるためにはいくつかの注意点を守らなければいけません。ここからは事業承継の相談先の選び方の注意点を解説をします。

事業承継は多額の資金が流動する企業間取引なので、時に思いもしないような事態が発生することもあります。そのような予期せぬ事態が発生しても、事業承継やM&A実績が豊富な相談先を選んでおけば臨機応変に対応してくれるのでおすすめです。

一方で事業承継やM&A実績が少ない経験不足な相談先では、不慮の事態が発生した際に十分な対応ができず、最悪の場合には取引が決裂してしまうかもしれません。

このように取引が開始される前に相談先の事業承継やM&A実績の実績を確認し、実績が豊富な相談先に依頼する選び方をしましょう。

事業承継には法務・財務に関する専門的な知識が必要になるので、取引開始前に専門家との綿密な連携が取れる相談先を選びましょう。

具体的には取引の状況変化などが生じた際に、相談先が専門家とのスムーズな連携ができる体制を確保しているかなどの確認が重要になります。

また繋がりのある専門家が、デュ―デリジェンスにどれくらい対応しているかも事前に確認しておきましょう。

事業承継を専門機関に相談して取引を完了させることができても、現企業の経営理念や人事制度、組織管理体制などを承継後の企業にきちんと移行できなければ事業を発展させることはできません。

このような観点からも事業承継時には、承継後のガバナンス体制を考慮しながら取引を進めてくれる相談先を選択するのも重要なポイントです。

事業承継の実績が少ない相談先では、事業承継に関する知識やノウハウなどが少ない場合が多く、中には無責任なアドバイスしかしない相談先もあります。

具体的な例として事業承継を行うタイミングを間違うようなアドバイスをする相談先もあり、結果的に売却先が決まらなくなってしまうケースなどもあるのです。

このような事態を防ぐためにも、事業承継前に適切な相談先を見極めた選び方をして依頼をしましょう。

有効な相談先に事業承継を依頼すれば、取引をスムーズに進めることができますが実際にどれくらいの料金がかかるのでしょうか。では事業承継の相談先に依頼する際の料金・相場を紹介します。

事業承継を専門家に相談する際にかかる費用や手数料が相談料です。事業承継では主にM&A仲介会社・アドバイザーや弁護士、会計士や税理士などが主な相談先として挙げられ、それぞれで相談料が異なっています。

M&A仲介会社・アドバイザーへの一般的な相談料の相場は、取引金額が1億円程度であれば500万円程度です。

弁護士の場合は取引金額の10%程度が相場で、取引金額が1億円程度の事業承継であれば1,200～1,500万円程度が相場になっています。

また税理士や会計士に一般的な事業承継に必要な手続き・書類作成を依頼した場合には、取引金額1億円程度で300万円程度が相場です。

事業承継において資産が相続された際に相続人に課せられる税金のことを相続税といいます。相続税には金額が多いほど税率が上がる累進課税制度が加算されるうえに、現金のみの支払いしかできません。したがって事業承継後に支払いに困らないような計画を事前に立てておきましょう。

一方、生前に資産を贈与した際に課せられる税金のことを贈与税といいます。事業承継における贈与税は事業の後継者に課せられ、こちらも累進課税制度が適用されるので事前の支払い計画の検討が重要です。

法人が取得した利益に対して課せられる税金が法人税で、中小企業では800万円以下の利益に対して15%、800万円以上であれば23.2%の税金が課されます。

また通常の事業承継では法人税は課されませんが、経営者が直接的に売却による利益を得るのであれば所得税が課されます。

商品やサービスを購入・消費する際に課される税金のことを消費税といいます。株式譲渡による事業承継において、非課税扱いの株式は非課税対象なので消費税はかかりません。

一方事業譲渡における事業承継では、事業に関連する資産の所有権の移動に沿って消費税が発生します。

各地方自治体に会社登記や資格登記などを登録した際に課せられる税金のことを、登録免許税といいます。事業承継の条件を満たせば登録免許税は減税され、会社合併では0.2%、会社分割では0.4%程度の税率が加算されるのです。

土地や建物を取得した際に課せられる税金は不動産取得税で、事業承継においては事業を引き継いで会社の不動産を取得した際に課されます。

不動産取得税も事業承継の条件を満たせば減税され、土地や建物を取得すれば固定資産評価額の2.5%、住宅以外の家屋取得であれば3.3%が課されるのです。

効率的に事業承継を行い、取引をスムーズに進めるためにも確かな専門家への依頼を欠かすことはできません。一方で現在は多くのM&A仲介会社が営業しているので、さまざまな観点を考慮した選び方で自社に最適な専門家に依頼するのも重要なポイントです。今後自社の事業承継を検討しているのであれば、本記事を参考にして信頼できるプロに依頼して取引を成功させてください。

M&A・事業承継については専門性の高いM&AアドバイザーがいるM&Aエグゼクティブパートナーズにご相談ください。

①譲渡企業様完全成功報酬制で成約まで費用がかからない
②各業界でのM&A実績が豊富なトップコンサルタントのみ在籍
③オーナー様を第一に考えたM&A仲介サービス
④グループ間のネットワークによる幅広いサービスのご提供
>>M&Aエグゼクティブパートナーズの強みの詳細はこちら

M&Aエグゼクティブパートナーズは、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
無料で相談可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>無料でのお問い合わせはこちら