富山県のM&A動向を徹底チェック!成功事例やメリット・デメリットは?

医薬品製造で有名な富山県では、多くの企業が後継者問題を抱えており、M&Aを実施して課題解決や事業拡大を目指す動向が活発です。当記事では、過去の事例を交えながら富山県のM&A事情を詳しく解説します。M&Aの相談窓口や注意点も併せてチェックしましょう。

目次

  1. 富山県の産業とM&Aの動向
  2. 富山県のM&Aを行うメリットとデメリット
  3. 富山県のM&Aの成功事例
  4. 富山県のM&Aを行うときはサポートを受けるのがおすすめ
  5. 富山県でM&Aを行う上での注意点
  6. 富山県でM&Aを行うときはM&A専門家のサポートで成功させよう

富山県の産業とM&Aの動向

富山県では、多くの企業がM&Aを検討・実施していると言われます。ここでは、富山県における産業の特徴を押さえた上で、詳しいM&A動向を解説します。

富山県の産業

富山県の産業と言えば、最も有名なのが「医薬品製造業」です。これにより化学工業が主要産業として県内における産業をリードしています。

江戸時代に始まる歴史的な製薬文化と、ダムを始めとする現代の豊富な水資源が医薬品製造に適した環境であることが、化学製品が主要産業になった要因です。

製造工場も多く、金属・非鉄金属製品工業も盛んに行われている点が特徴です。サッシやドアの製造や生産用機械、プラスチック産業も県内の経済を支えています。

富山県のM&Aの動向

医薬品や製造業が盛んに行われる富山県では、M&A動向が活発化しています。この動向が見られる大きな理由が、後継者不足の問題です。

日本では、富山県に限らず多くの中小企業が後継者問題を抱えていると言われ、この状態が続けば、廃業や休業せざるを得ない企業が増加するでしょう。

富山県で見られる主なM&A動向・パターンは以下の通りです。

  • 動向①:経営者高齢化による後継者問題を解消するための売却M&A
  • 動向②:富山県における事業エリアを獲得・拡大するためのM&A
  • 動向③:製造業同士が協業による事業拡大を目指すM&A
  • 動向④:医薬品製造関連企業による事業強化のためのM&A

富山県のM&Aを行うメリットとデメリット

ここでは、富山県のM&Aにおけるメリットとデメリットを確認しましょう。M&Aは効率的に課題解決を目指せるため魅力的ですが、考慮すべき点も存在します。

トラブルを軽減させるためにも、メリット・デメリット両方を正しく押さえてから手続きを進めましょう。売却側・買収側の視点に分けて解説します。

売却側

富山県のM&Aにおける売却側のメリットとデメリットをチェックしましょう。

メリット

富山県でM&Aを実施する際に売却側が得られる主なメリットは、次の通りです。

売却側のメリット

・株式や事業譲渡による売却益が得られる

・従業員の雇用を維持できる

・後継者問題を解決できる

・大手傘下に入れば経営が安定する

・経営者が個人債務から解放される

デメリット

富山県のM&Aにおける売却側の主なデメリットは、以下の通りです。

売却側のデメリット

・理想通りの条件にならない場合がある

・不安を感じた従業員が退職するおそれがある

・取引先との関係が悪化するおそれがある

・会社経営における影響力が小さくなる

・マッチングに苦戦する場合がある

買収側

次に、富山県のM&Aにおける買収側のメリット・デメリットを確認しましょう。

メリット

富山県でM&Aを実施する際に買収側が得られる主なメリットは、次の通りです。

買収側のメリット

・顧客や人材を獲得できる

・低コスト・低リスクで富山県の事業に参入できる

・効率的に事業拡大できる

・富山県の事業エリアを拡げられる

・売却側とのシナジー効果を期待できる

デメリット

富山県のM&Aにおける買収側の主なデメリットは、以下の通りです。

買収側のデメリット

・期待通りのシナジー効果が得られない場合がある

・買収にかかる資金の調達が必要

・売却側の簿外債務を引き継ぐおそれがある

・売却側従業員が待遇に不満を抱くおそれがある

・文化の融合にかなりの時間を要する場合がある

富山県のM&Aの成功事例

ここでは、富山県でこれまでに実施されたM&Aの成功事例を6つ紹介します。(売却側・買収側いずれかが他県の企業事例も含みます。)

当事者企業は、それぞれどのような狙いで売却・買収を行ったのでしょうか。この点に注目しながら各成功事例をチェックしましょう。

※詳しいIR情報は、各事例下部分に掲載のリンクからすぐに参照できます。

  • 事例①:オージックと広進工業のM&A
  • 事例②:アルビスとオレンジマートのM&A
  • 事例③:三協立山とコクヨのM&A
  • 事例④:日医工とエルメッドエーザイのM&A
  • 事例⑤:富山環境整備とプリテックのM&A
  • 事例⑥:トナミホールディングスとテイクワンのM&A

オージックと広進工業のM&A

売却企業

広進工業

(自動車部品の切削加工)

※富山県滑川市

買収企業

オージック

(金属部品加工事業、各種精密ギア製造・販売、

一般産業機械部品の加工等)

※大阪府東大阪市

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

・中小企業との戦略的提携(成長戦略)の一環

・金属部品加工事業の業容拡大

・グループの経営管理ノウハウの共有

・支援体制の構築

・両社のより一層の成長

実施時期

2022年6月

譲渡価格

非開示

当社連結子会社による株式取得に関するお知らせ

アルビスとオレンジマートのM&A

売却企業(消滅会社)

オレンジマート

(食品スーパーマーケット運営事業)

※富山県富山市

買収企業(存続会社)

アルビス

(食品小売業)

※富山県射水市

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

・富山県エリアにおけるシェア拡大

(出店エリアに重複が無いため)

・スケールメリットの活用

・富山県南部地域の強化

・仕入れにおけるコストの軽減

・競争力強化

実施時期

2018年10月

譲渡価格

非開示

三協立山とコクヨのM&A

売却企業(分割会社)

コクヨ

(文房具製造・仕入れ・販売、オフィス家具製造・販売、

空間デザイン・コンサルティング、生活雑貨の販売)

※大阪府大阪市

買収企業(承継会社)

三協立山

(建物用建材の開発・製造・販売、アルミニウム加工、

店舗用汎用陳列什器の販売、看板製造・販売)

※富山県高岡市

M&Aの手法

会社分割(簡易吸収分割)

M&Aの目的

・非建材事業強化の一環

・オフィス家具事業への経営資源集中

・商業施設事業における事業領域の拡大

実施時期

2017年9月

譲渡価格

約17億円

コクヨ株式会社との会社分割(簡易吸収分割)契約による事業承継に関するお知らせ

日医工とエルメッドエーザイのM&A

売却企業

エルメッドエーザイ

(ジェネリック医薬品の研究開発・製造・販売)

※東京都

買収企業

日医工

(ジェネリック医薬品メーカー大手)

※富山県富山市

M&Aの手法

資本業務提携

株式譲渡

M&Aの目的

・両社における強みの融合

・規模拡大によるコスト低減

・ジェネリック医薬品事業のビジネスモデル変革

・高品質で付加価値のあるジェネリック医薬品の提供

・事業基盤の強化

実施時期

2018年3月

譲渡価格

約170億円

エーザイ株式会社と日医工株式会社の戦略提携に関するお知らせ

富山環境整備とプリテックのM&A

売却企業

プリテック

(プラスチック製容器包装の中間処理・再商品化事業、

リサイクル事業、再生プラスチック利用製品の販売)

※富山県富山市

買収企業

富山環境整備 (北陸電力が株式を保有)

(産業廃棄物処理事業、リサイクル事業)

※富山県富山市

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

事業展開におけるシナジー効果の創出

実施時期

2017年7月

譲渡価格

非開示

株式会社プリテックの全株式売却による事業の譲渡

トナミホールディングスとテイクワンのM&A

売却企業

テイクワン

(家電品・通信販売品全般の配送設置工事、

エアコン・電気工事、電気通信工事、

一般貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集運搬等)

※埼玉県川口市

買収企業

トナミホールディングス

(トラックによる荷物の運送・物流、倉庫事業)

※富山県高岡市

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

・ノウハウの活用

・売却側の新たな企業価値創造

・売却側の輸送サービス高度化促進

・事業拡大

実施時期

2016年10月

譲渡価格

非開示

「株式会社テイクワン」の株式取得に関するお知らせ

富山県のM&Aを行うときはサポートを受けるのがおすすめ

M&Aは専門知識が求められるだけでなく、労力とリスクをかけて行われます。個人で手続きを進めるよりも、専門家によるサポートを受けると良いでしょう。

ここでは、富山県でM&Aを実施する際の相談窓口となる機関を7つ紹介します。無料でM&Aの相談に応じてくれる公的機関もおすすめです。

  • M&Aの経験と知識が豊富なM&A仲介会社に相談する
  • 金融機関に相談する
  • 富山県事業承継ネットワーク
  • 中小企業支援センター・よろず支援拠点
  • 富山県事業承継・引継ぎ支援センター
  • 富山県信用保証協会
  • 富山県内各商工会議所・商工会

M&Aの経験と知識が豊富なM&A仲介会社に相談する

M&Aの手続き全般の相談なら、知識豊富なM&A仲介会社がおすすめです。M&Aに特化したアドバイスが得られるため、本格的な手続きまで進めることができます。

今の状況に最適なM&A手法や相手企業候補に関する有益な情報が得られるでしょう。委託の際は手数料を確認した上で契約することをおすすめします。

金融機関に相談する

地方銀行などの金融機関に相談するのも良いでしょう。地方の取引先を多く抱えるため、富山県の経営事情を熟知している点が金融機関の強みです。

中にはM&Aのアドバイスを行える専門知識を持った方が在籍するケースもあります。経営面や融資に関する有益な助言が得られるでしょう。

ただ金融機関のサポートはM&Aに特化しているわけではありません。具体的な手続きに入る場合は別途専門家に委託する必要があります。

公的支援機関に相談する

国や地方自治体、団体が開設する公的支援機関に相談するのもおすすめです。公的機関なので、多くの相談業務を無料で提供している点が魅力です。

以下、M&Aや事業承継の相談に対応する5種類の公的支援機関を紹介します。

富山県事業承継ネットワーク

1つ目は、富山県事業承継ネットワークと呼ばれる機関です。富山県内の中小企業における事業承継の相談窓口として開設されました。

会社の課題解決のための助言や、事業承継へのきっかけや具体的な施策を提供してくれるのが特徴です。提案した施策の実施は、一部有料とされています。

中小企業支援センター・よろず支援拠点

2つ目は、中小企業支援センター・よろず支援拠点です。これは国が全国47都道府県に設置した窓口で、主に中小企業の経営に関する相談ができます。

何回でも無料で相談でき、課題解決への助言や経営面のアドバイスを受けられる点が魅力です。ただし、M&Aや事業承継に特化した機関ではありません。

富山県事業承継・引継ぎ支援センター

3つ目は、富山県事業承継・引継ぎ支援センターです。国が設置した窓口で、こちらでは主に中小企業の事業承継に関する相談を無料で受け付けています。

親族内・親族外・第三者承継問わずさまざまなタイプの事業承継支援や、後継者人材バンクによる事業の引継ぎ支援など、あらゆるサービスが強みです。

富山県信用保証協会

4つ目は、富山県信用保証協会です。経営に必要な資金調達の際の公的保証人になり、円滑な融資をサポートしてくれる機関として知られています。

事業承継の際の資金面でお困りの場合は、有益な助言が得られるでしょう。M&Aの全プロセスに特化した機関ではないので注意してください。

富山県内各商工会議所・商工会

5つ目は、富山県内の各商工会議所・商工会です。商工会に属する企業の経営事情を理解しているため、より地域に寄り添った助言が得られます。

経営やM&Aによる事業承継等、あらゆる相談に無料で応じてくれる点が魅力ですが、相談内容によって予約が必要な場合もあるので、利用の際は注意してください。

富山県でM&Aを行う上での注意点

ここでは、富山県でM&Aを実施する際の注意点を解説します。売却側・買収側の視点に分けて、留意すべきポイントを押さえてからM&Aの手続きに入りましょう。

売却側の注意点

富山県でM&Aを実施する際に売却側が注意したいポイントは、以下の通りです。

売却側の注意点

・従業員の退職を防ぐ

・早い段階から準備を行う

・情報漏洩に注意する

・譲渡所得にかかる税金を正しく処理する

・不利益な情報やリスクもしっかり公表する

・設備や労働環境を整備し企業価値を上げておく

・M&Aに詳しい専門家に相談する

買収側の注意点

富山県でM&Aを実施する際に買収側が注意したいポイントは、以下の通りです。

買収側の注意点

・M&Aの目的を明確にする

・デューデリジェンスを徹底して行う

・PMI(統合後の最適化プロセス)を慎重に進める

・売却側従業員の処遇を明確にする

・売却側の過去の契約を確認する

・相乗効果が表れるまでに時間を要することを理解する

・M&Aに詳しい専門家に相談する

富山県でM&Aを行うときはM&A専門家のサポートで成功させよう

富山県は医薬品製造といった特徴的な主要産業が存在しますが、多くの企業では経営者高齢化による後継者問題への対処を迫られているのが現状です。

M&Aは後継者問題を解決できる上、事業拡大も目指せるため効果的な対処法と言えます。実施の際はM&A仲介会社のサポートを得ながら成功を目指しましょう。

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