松江市のM&A動向や事例は?メリットと注意点・案件の探し方まで徹底解説!

島根県の中心都市として経済を支える松江市では、多くの企業が後継者高齢化による後継者問題を抱えていると言われます。当記事では、売却・買収の成功事例を交えながら、松江市におけるM&A動向を詳しく解説します。案件の探し方やM&A仲介会社の選び方もチェックしましょう。

目次

  1. 松江市の経済の状況とM&Aの動向
  2. 松江市のM&Aを行うメリットとデメリット
  3. 松江市のM&Aの売却・買収成功事例
  4. 松江市のM&A案件の探し方
  5. 松江市のM&A仲介会社の選び方
  6. 松江市でM&Aを行う上での成功させるポイント
  7. 松江市でのM&AはM&A専門家のサポートで成功させよう

松江市の経済の状況とM&Aの動向

ここでは、松江市の経済状況や課題点を押さえた上で、各企業で見られる主なM&A動向・パターンを解説します。

松江市の経済の状況

松江市は島根県の県庁所在地として県内の経済を支える中心都市です。

松江市を含めた島根県では、倒産件数が2020年に比べて2021年は9.6倍増加しました。(帝国データバンク「島根県 企業の休廃業・解散動向調査(2020年)」)

松江市を含む島根県では、コロナ禍の影響で経済状況が悪化する企業が増え、これに加え人口減少や経営者高齢化、経営難が廃業に拍車をかけた状態です。

コロナ禍後は全国で経済対策・企業支援が縮小する中、松江市でも各企業がさまざまな対策を講じなければならない状況にあると言えます。

松江市のM&Aの動向

経営者高齢化による後継者不在の問題は、松江市に限らず全国各地の地方都市で深刻化している問題です。

その対処法としてM&Aを実施する企業が見られるようになりました。M&Aに成功すれば、既存事業や雇用を守れるだけでなく事業拡大も目指せます。

松江市で見られる主なM&A動向・パターンは、以下の通りです。

  • 動向①:経営者高齢化による後継者問題を解決するための売却
  • 動向②:地域の産業を支援するためのファンドによる資本参加
  • 動向③:協業で事業拡大を目指すための同業種間によるM&A
  • 動向④:松江市における事業エリアを獲得するための買収
  • 動向⑤:県外企業が松江市での新事業参入を目指した異業種間のM&A

松江市のM&Aを行うメリットとデメリット

松江市でM&A・事業承継を行うメリットとデメリットを押さえましょう。M&Aは多くの恩恵が受けられますが、事前に考慮したい点も同様に存在します。

メリット・デメリット両方を把握した上で、M&Aの手続きに入りましょう。売却側・買収側の視点に分けてまとめます。

売却側

最初に、松江市のM&Aにおける売却側のメリットとデメリットをチェックしましょう。

メリット

松江市のM&A・事業承継で売却側企業が得られる主なメリットは、以下の通りです。

売却側の主なメリット

・後継者不在の問題を解消し廃業を避けられる

・長年培った技術とノウハウを存続できる

・売却により資金を得られる

・経営者個人が抱える連帯保証人などの債務から解放される

・大手傘下でスケールメリットが得られる

デメリット

松江市のM&A・事業承継における売却側企業の主なデメリットは、次の通りです。

売却側の主なデメリット

・経営者の会社経営への影響力が縮小する

・M&A相手企業がなかなか見つからない場合もある

・取引条件が全て希望通りになるとは限らない

・M&Aの情報を耳にした従業員が困惑し退職するリスクがある

・これまでの取引先との契約が終了するおそれがある

買収側

次に、松江市のM&Aにおける買収側のメリットとデメリットを解説します。

メリット

松江市のM&A・事業承継で買収側企業が得られる主なメリットは、以下の通りです。

買収側のメリット

・業容拡大・事業拡大を目指せる

・売却側の顧客や取引先を獲得できる

・松江市で新規事業参入できる

・松江市での事業エリア・シェアを拡大できる

・売却側度の協業による相乗効果が期待できる

デメリット

松江市のM&A・事業承継における買収側企業の主なデメリットは、次の通りです。

買収側のデメリット

・多額の買収資金を用意しなければならない

・売却側従業員が新しい事業方針に馴染めない可能性がある

・M&A前に見込んだシナジー効果が得られない場合もある

・双方の事業や文化を融合させるのに時間を要する

・売却側企業の簿外債務が見つかり損失が増えるリスクがある

松江市のM&Aの売却・買収成功事例

ここでは、松江市で過去に実施されたM&Aの売却・買収成功事例を5つ紹介します。当事者企業が掲げた狙いに注目しながら各事例をチェックしましょう。

※詳しい公式IR情報は、各事例下部分に掲載のリンクからすぐに参照できます。

  • 事例①:ごうぎん農林漁業応援ファンド投資事業有限責任組合ととっとり食のみやこプロジェクト
  • 事例②:島根銀行とSBI地方創生アセットマネジメント
  • 事例③:SBI証券と島根銀行
  • 事例④:バンダイナムコエンターテインメントと山陰スポーツネットワーク
  • 事例⑤:エスアールジータカミヤとナカヤ機材

ごうぎん農林漁業応援ファンド投資事業有限責任組合ととっとり食のみやこプロジェクトのM&A

売却企業

とっとり食のみやこプロジェクト

(鳥取県産の農水産物をメインとした飲食事業)

※鳥取県伯耆町

買収企業

ごうぎん農林漁業応援ファンド投資事業有限責任組合

(山陰合同銀行・みずほ銀行・農林漁業成長産業化支援機、

ごうぎんキャピタル出資し設立したファンド)

※島根県松江市を含む

M&Aの手法

株式譲渡(第三者割当増資の引き受け)

M&Aの目的

・地域の6次産業化事業体への出資・経営支援の一環

・農林漁業の競争力強化

・地域経済の発展・活性化

実施時期

2018年3月

譲渡価格

非開示

「ごうぎん農林漁業応援ファンド」投資先の決定について ~とっとり食のみやこプロジェクト株式会社への出資決定(第 3 号案件)~

島根銀行とSBI地方創生アセットマネジメントのM&A

売却企業

SBI地方創生アセットマネジメント

(投資運用業務及び第二種金融商品取引業務)

※東京都港区

買収企業

島根銀行

(金融機関・銀行)

※島根県松江市

M&Aの手法

出資

M&Aの目的

・様々な機関との連携・提携の一環

・顧客ニーズにあった商品・サービスの提供

・経営理念「常に魅力あるサービスを提供し、

お客さまのニーズに積極的に応える。」の具現化

実施時期

2018年11月

譲渡価格

非開示

SBI 地方創生アセットマネジメント株式会社への出資について

SBI証券と島根銀行のM&A

売却企業

SBI証券

(金融商品取引業)

※東京都港区

買収企業

島根銀行

(金融機関・銀行)

※島根県松江市

M&Aの手法

資本業務提携契約

事業譲渡

(金融商品仲介業務の委託)

M&Aの目的

・ノウハウ・地域の産業・生活に密着した営業活動の融合

・地方創生への貢献

・売却側が運営するコールセンターの活用

・金融ノウハウの共有

実施時期

2020年2月

譲渡価格

非開示

SBI グループとの業務提携に関する連携の具体化及び投資信託・債券の取扱いに係 る事業譲渡に関する事業譲渡契約締結のお知らせ

バンダイナムコエンターテインメントと山陰スポーツネットワークのM&A

売却企業

山陰スポーツネットワーク

(プロバスケットボールチーム「島根スサノオマジック」運営)

※島根県松江市

買収企業

バンダイナムコエンターテインメント

(デジタル事業、ネットワークコンテンツの企画・開発・配信)

※東京都港区

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

新たなエンターテインメントへの挑戦

実施時期

2019年8月

譲渡価格

非開示

「B.LEAGUE」所属 プロバスケットボールチーム 「島根スサノオマジック」経営権獲得

エスアールジータカミヤとナカヤ機材のM&A

売却企業

ナカヤ機材

(建設現場用足場等のレンタル・販売)

※島根県松江市

買収企業

エスアールジータカミヤ

(仮設機材製品の開発・製造・販売・レンタル、

仮設の設計・施工)

※大阪市北区

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

・中国地方の営業・仮設機材の供給体制強化

・次世代足場「Iqシステム」でのさらなる市場開拓

・デファクトスタンダード獲得スピード化

実施時期

2018年2月

譲渡価格

非開示

株式会社ナカヤ機材の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

松江市のM&A案件の探し方

M&Aは多くの労力が必要なので、個人の力のみで進めるよりもM&Aに詳しい専門家のサポートを得るのが理想です。

ここでは、松江市でM&A・事業承継案件を探す際に有益な情報が得られる主な相談窓口を紹介します。公的支援機関を含め、6か所の窓口をチェックしましょう。

  • M&Aの経験と知識が豊富なM&A仲介会社
  • 金融機関
  • 島根県事業承継・引継ぎ支援センター
  • 松江商工会議所
  • 島根県よろず支援拠点
  • 島根県信用保証協会

M&Aの経験と知識が豊富なM&A仲介会社に相談する

M&Aの案件探しや手続き全般の相談をするなら、M&A仲介会社を利用するのがおすすめです。市場動向や状況を分析し、最適なM&A相手と手法を提案してくれます。

M&A仲介会社に依頼する際は仲介手数料を確認してから契約しましょう。M&A仲介会社の詳しい選び方は、後ほど解説します。

金融機関に相談する

地方銀行などの金融機関に相談するのも良いでしょう。銀行は多くの地元企業と取引があるため、その地域に合った情報やアドバイスが得られる点が強みです。

M&A案件だけでなく、融資・資金面の相談も受け付けます。ただM&Aに特化した機関ではないので、M&Aの手続きを進めるには別途専門家のサポートが必要です。

公的支援機関に相談する

M&Aの案件探しは、国レベルで設置された公的支援機関に相談するのも良いでしょう。公的機関なので、無料でサービスを受けられる点が強みです。

以下、M&A・事業承継案件で有益な情報が得られる公的機関を4か所紹介します。

島根県事業承継・引継ぎ支援センター

1つ目は、島根県事業承継・引継ぎ支援センターです。国が設置した公的機関で、主に中小企業の事業承継に関する相談を受け付けています。

親族内・親族外問わずあらゆるタイプ事業承継に対応し、新後継者と企業のマッチング案件支援サービス「後継者人材バンク」が利用できる点も特徴です。

松江商工会議所

2つ目は、松江商工会議所です。商工会に所属する多くの企業の経営事情を熟知しているので、松江市の地域に寄り添ったアドバイスが受けられるのが強みです。

M&A・事業承継の案件探しから経営の相談まで幅広く対応します。ただこちらもM&Aの専門機関ではないので具体的な手続きには別の専門家のサポートが必要です。

島根県よろず支援拠点

2つ目は、島根県よろず支援拠点です。国が設置した公的機関で、企業の経営に関する相談に対応します。M&Aの案件探しの際も有益な情報が得られるでしょう。

経営から資金面、雇用や労務など幅広いカテゴリの相談を受け付けています。案件が解決するまで何度でも無料で相談できる点が強みです。

島根県信用保証協会

3つ目は、島根県信用保証協会です。資金調達の際、公的保証人になり円滑な融資をサポートしてくれる公的機関として知られています。

中小企業診断士が在籍し、経営に関する有益な助言が受けられる点が強みです。M&Aや事業承継の案件相談やM&Aの資金調達で利用すると良いでしょう。

松江市のM&A仲介会社の選び方

M&Aに特化したアドバイスを受けるなら、M&A仲介会社の利用がおすすめです。ただ会社によって得意分野が異なるため、全て同じサービスが受けられるわけではありません。

ここでは、松江市でM&A案件を依頼する際の仲介会社の選び方を解説します。4つのポイントを確認した上で、自社と相性が良いM&A仲介会社を見つけましょう。

  1. 取り扱っている案件の規模が合うかどうか
  2. 手数料・報酬体系
  3. 相手企業へのアプローチ方法
  4. 地域や専門性・業種の強み

①取り扱っている案件の規模が合うかどうか

1つ目のポイントは、取り扱う案件の規模の確認です。中小企業のM&A案件に特化した仲介会社もあれば、海外を含め幅広いM&A案件を抱える仲介会社もあります。

できるだけ自社状況に近い規模の案件が多いM&A仲介会社を選びましょう。

②手数料・報酬体系

2つ目のポイントは、手数料・報酬体系の確認です。仲介会社に依頼する場合、着手金や中間金、成功報酬といった仲介手数料が発生します。

金額が明確でわかりやすいM&A仲介会社に依頼しましょう。着手金や中間金が原則かからない「完全成功報酬型」の仲介会社もおすすめです。

③相手企業へのアプローチ方法

3つ目のポイントは、アプローチ方法の確認です。1社ごとアプローチを行う方法と、候補企業複数社に同時アプローチをかける方法の2つがあります。

一般的には後者の方が効率的にマッチングできると言われていますが、最終的に自社が求めるアプローチに対応したM&A仲介会社を見つけましょう。

④地域や専門性・業種の強み

4つ目のポイントは、地域や専門性・業種に強みがあるかの確認です。仲介会社によって得意分野は異なります。自社の業種を多く扱うM&A仲介会社を見つけましょう。

M&A仲介会社のウェブサイトで、過去のM&A事例や案件を入念にチェックするのがおすすめです。具体的な案件を知りたい場合は問い合わせても良いでしょう。

松江市でM&Aを行う上での成功させるポイント

M&Aには、当然リスクも存在します。労力をかけて実施するからには効果のある売却・買収を実現させたいのが経営者の本音です。

ここでは、松江市でM&A・事業承継を成功させるためのポイントを売却側・買収側の視点に分けて解説します。

売却側

松江市でM&A・事業承継を成功させるために売却側企業が留意したいポイントは、次の通りです。

売却側の成功へのポイント

・M&A前にできるだけ企業価値を高めておく

・不利な情報も全て相手企業に伝える

・従業員のモチベーション低下による退職を防止する

・できるだけ早い段階から計画をスタートする

・M&Aの情報管理を徹底する

・発生した所得税や法人税を申告・納税する

・知識が豊富なM&A仲介会社に相談する

買収側

松江市でM&A・事業承継を成功させるために買収側企業が留意したいポイントは、次の通りです。

買収側の成功へのポイント

・デューデリジェンスを入念に実施する

・売却側企業の従業員の処遇で不利益が無いようにする

・M&Aで実現させたい課題や狙いを正しく設定する

・M&A後の統合プロセスをしっかり行う

・売却側企業のこれまでの取引や契約に問題が無いかチェックする

・知識豊富なM&A仲介会社や専門家のアドバイスを受ける

松江市でのM&AはM&A専門家のサポートで成功させよう

松江市の多くの企業が抱える後継者問題を解消するなら、M&Aが有効です。事業や雇用、技術を存続させられるため、廃業に比べ多くの恩恵が受けられます。

ただ、多くの労力とリスクが必要なため専門家のサポートは欠かせません。相性が良い仲介会社に相談し、サポートを受けながら松江市のM&Aを成功させましょう。

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