株式譲渡にかかる贈与税はいくら?計算方法や注意点・節税対策まで徹底解説!

株式譲渡を行えば効率的な事業の引継ぎを行うことができますが、必然的に贈与税がかかってしまいます。そこで本記事では株式譲渡にかかる贈与税について詳しく解説を行い、計算方法や注意点・節税対策などについて詳しく解説をしましょう。

目次

  1. 株式譲渡にかかる贈与税とは?
  2. 株式譲渡にかかる贈与税の計算方法
  3. 株式譲渡と株式贈与のメリット・デメリットと注意点
  4. 株式譲渡の税金の節税
  5. 株式贈与の手続き方法
  6. 株式譲渡にかかる贈与税を理解して計算をしてみよう

株式譲渡にかかる贈与税とは?

対策
geralt

贈与税はさまざまなものを引き継ぐ際にかけられる税金です。

株式譲渡を行えば効率的な事業の引継ぎを行うことができますが、必然的に贈与税がかかってしまいます。

一方で株式譲渡にかかる贈与税とは具体的にどのような税金を意味するのでしょうか。

株式贈与とは

他社に自分が保有する株式を譲渡する際の1つの手段として挙げられるのが株式贈与です。

この形式で株式を受け取った人に対して贈与税が課せられますが、贈与する株式の評価額が基礎控除額の110万円以下であれば贈与税は発生しません。

また故人の遺産を株式贈与せずに相続すれば相続税が発生します。

相続税に関しても相続金額が基礎控除額である3,600万円×法定相続人数の金額以下であれば、相続税は発生しません。

このような観点からも自身の財産と株式の合計金額が基礎控除金額よりも低ければ、株式贈与を相続税対策として行う必要がないのも注意点です。

株式譲渡と株式贈与の違い

株式譲渡と株式贈与はどちらも株式を他社に譲り渡す点は同じですが、株式譲渡は株式の売買を行う点が株式贈与との違いです。

したがって株式譲渡を手掛ける際には、株式を買い取る側にもある程度の資金力が必要なのも注意点です。

一方株式贈与は株式の売買が発生しないので、株式を引き継ぐ後継者に資金力も必要ありません。

しかしケースによって株式贈与か株式譲渡の選び方が異なるうえに、取得にかかる納税額なども異なるのである程度の資金を準備しておきましょう。

贈与税の申告方法

相続以外で個人から住居や金銭などの財産を引き継いだ際に納付する税金が贈与税です。

株式譲渡で経営権を確保するための株式購入額を考慮すれば、贈与税の負担が大きくなってしまいます。

贈与税の負担を少しでも軽くして節税するためにも、生前贈与の申告方法で贈与額が年間110万円以下になるように節税の調整をしましょう。

しかし毎年分割で株式の贈与を行えば、その期間中は経営権が分散状態になってしまいます。

したがって経営権と贈与税の節税バランスを考慮しながら贈与を検討するのも注意点です。

贈与税の申告期限

贈与税申告に関しては原則として財産を受け取った人が、その年の翌年の2月1日から3月15日まで申告・納税を行わなければいけません。

申告に関しては郵便や信書便による送付や、e-Taxによる提出も可能です。

郵便や信書便などを利用する際には、税務署の時間外収受箱に投稿して提出しましょう。

株式譲渡にかかる贈与税の計算方法

税金
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株式譲渡を行えば第三者に効率的に事業の引継ぎを行うことができますが、その際にかかる贈与税はどのように計算すればいいのでしょうか。

計算方法がわかっていれば、今後の見積もりがしやすくなるでしょう。

ここからは株式譲渡にかかる贈与税の計算方法についてそれぞれ詳しく解説をします。

上場株式の評価

金融商品取引所に上場している株式のことを上場株式といいます。

国税庁の規定により、上場株式ではその株式が上場している金融商品取引所が発表する課税時期の終焉価格によって株式評価を行うのです。

そして最後に取引所の終値にしたがって株式の評価が行われます。

また上場株式に関しては、証券会社が発行する残高証明書などの上場株式の評価明細書を利用しての評価が可能です。

贈与税の計算方法

贈与税を求める計算は年初から年末までの期間中の贈与金額の合計から、基礎控除額の110万円を差し引いた金額に対して課税した税金の合計です。

贈与税は贈与した本人や、贈与先の相手、金額によって課税額も変わっていくので事前に確認・把握しておきましょう。

また贈与を受けた年度には暦年贈与の代わりに相続時精算課税制度での節税を受けることもできます。

相続時精算課税制度を活用すれば、贈与財産に関して最大2,500万円もの特別控除などの節税をうけることも可能です。

一方で相続時精算課税制度による節税には複雑な手続きが必要な点も理解しておきましょう。

株式譲渡にかかる税金と計算方法

株式譲渡にかかる税金の計算方法は株式譲渡者・譲受者が個人か法人かによって課税内容が異なるのも注意点です。

株式譲渡の当事者が個人の場合には、譲受者が個人か法人か同課に関係なく譲渡に対して課税されます。

しかしこれは給与とは別物として考えられる税金なので、固定税率が採用されているのです。

一方法人で株式譲渡が行われて時価よりも高い金額で株式譲渡が行われれば、その差額分は買い手法人から売り手個人への寄付金になります。

この寄付金は買い手法人が付与した寄付金として、買い手法人に対して課税されていくのです。

またこの寄付金は最終的に社員や役員のボーナスとして支給されます。

株式譲渡と株式贈与のメリット・デメリットと注意点

M&A
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株式譲渡や贈与には贈与側・受け取り側の双方ともにメリットもあれば、同時にデメリットも存在します。

では株式譲渡と株式贈与のそれぞれのメリットやデメリットを紹介します。

株式譲渡のメリット

株式譲渡を行う際の最大のメリットは、譲渡による利益を得られる点です。

まとまった資金を譲渡益として取得できますが、譲渡益は課税対象という点もしっかり認識しておきましょう。

法人などの総合課税では最大55%の税率がかけられてしまいますが、個人の分離課税では固定税率の20.315%だけしか課税されないのもお得なポイントです。

また株式譲渡は比較的手続きが簡単で、手続きにかかる費用が少ないのもメリットといえます。

一般的な株式譲渡では株主が交代するだけなので、公的機関への届け出や許認可などの再申請も簡単にできるのです。

株式贈与のメリット

贈与税における基礎控除が得られるのが株式贈与のメリットです。

贈与の一例として、毎年110万円以内を数年間で分割して贈与することで、贈与にかかる課税額を抑えて節税することができる還暦贈与を利用できるのもメリットといえるでしょう。

さらに財産譲渡者の存命中に後継者に株式を贈与する、生前贈与などを利用すれば税金を抑えることができます。

上記のように財産譲渡者の死亡後に相続を行えば後継者に対して課税されますが、存命中に贈与を行うことで課税額を抑えることができるのです。

株式譲渡のデメリットと注意点

株式譲渡のデメリットとして最初に挙げられるのが、買い手が株式を取得するためにある程度の資金が必要な点です。

買い手が企業であればすぐに資金を準備することができますが、個人であれば資金繰りが困難なケースが多く見受けられます。

また前述で手続きの簡単さがメリットと解説しましたが、簡単であるがゆえに記載漏れといったミスが出やすくなるのも注意点です。

株式贈与のデメリットと注意点

株式譲渡同様に株式贈与にもデメリットがあります。

デメリットとして挙げられるのは、基礎控除額を超えてしまえば贈与税が加算されてしまう点です。

正式な税率に従えば、取得した金額が増えるほど課税額も増えてしまいます。

また生前贈与を活用すればある程度は課税額を抑えることができますが、親族間の株式贈与では評価額次第で相続のほうが低い税率の場合もあるのです。

株式譲渡の税金の節税

事業譲渡とは

株式譲渡を行うには仲介会社への依頼が必要な場合があり、手続きに多くの費用がかかることもあります。

また株式譲渡後には顧客への宣伝費用などにも費用がかかってしまうので、譲渡時の税金を少しでも抑えたいものです。

そこでここからは、株式譲渡にかかる税金の節税方法を紹介します。

暦年贈与の活用

 1年おきに110万円以下非課税対象の金額をできるだけ多くの人数に贈与を行い、相続税を軽減させる方法を暦年贈与といいます。

例えば7人に非課税で最大限まで贈与しようと思えば、1人につき110万円相続するとして最大で770万円もの贈与が可能です。

相続税は資産や家族構成によって変動しますが、仮に相続税率が50%の個人に770万円を相続すれば半分の385万円もの金額が徴収されてしまいます。

一方で暦年贈与を行って7人に110万円ずつ贈与すれば、770万円は非課税対象になり、結果的に半分以上のコストを軽減できるのです。

また長い年月をかけて暦年贈与を行えば、さらに高い非課税効果を得ることができます。

しかし、贈与者が高齢で贈与に時間がかけられない場合には、短時間での贈与が必要なので早めの準備を徹底しましょう。

相続時精算課税制度の活用

暦年贈与を活用すれば十分な節税効果を得ることができますが、事業譲渡までに時間がなければ完全な相続までに贈与が間に合わなくなってしまいます。

一方で相続時精算課税制度を活用すれば2,500万円までの特別控除を受けることができるのです。

さらに贈与額がこの金額を超えてしまっても、20%の課税のみで贈与を完了させることもできます。

しかしこの制度を活用して贈与を行って税金を前払いしても、相続発生時に不足額の納税や超過額の還付を受けることもあるでしょう。

このように相続時精算課税制度は、あくまでも相続時までの課税を先送りにするだけの方法であり、完全に贈与税を軽減させるための方法ではないことを把握しなければいけません。

結論として相続時精算課税制度を利用するのであれば、自社株式の評価額を株贈与のタイミングで下げれば課税額を安く抑えることができます。

効果的な方法として贈与を決行する年度を事業譲渡の年度に設定し、退職する経営者に多額の退職金を支払います。

その退職金の支払により赤字の決算を報告すれば自社評価額が下がって、贈与に対する課税率も低くなるのでおすすめのタイミングです。

株式贈与の手続き方法

バインダーに挟んだ契約書を持つ男性
RDNE Stock project Pexels

株式贈与を行えば効率的な事業の引継ぎを行うことができますが、会社の規模や種類によって手続き方法が異なっているので注意が必要です。

迅速な贈与を行い、早期的に新事業に取り組むためにも株式贈与の手続き方法をしっかりと理解し、スムーズな手続きを行いたいものです。

では、会社の種類別の手続き方法を詳しく解説します。

上場株式

上場会社で株式贈与を行うためには証券会社ごとに所定の手続きが必要になり、その際には贈与を行う当事者間の株式贈与契約書や証券会社あての移管依頼書などが必要です。

一方で証券会社によって必要な書類も異なるので、事前に証券会社に問い合わせてみましょう。

また同じ名義の贈与の口座間の移動は一度きりしかできないので、贈与したいものと同じ名義の贈与が、すでに受け取り側の特定口座にあれば特定口座での受け取りができなくなってしまいます。

そして結果的に2回目以降は一般口座での受け取りになってしまうのも注意点の1つです。

非上場株式

ほとんどの非上場会社(非公開会社)では株式に対して譲渡制限が設けられ、非公開会社で株式贈与を行う際には会社からの譲渡承認が必要です。

このような手続きを行わずに株式の贈与を行い、贈与時のトラブルに発展することもあるので注意しましょう。

また株式発行などを行っていない会社の株式を贈与する際に贈与契約書などに記載に不備があれば、株式名義に関するトラブルが発生するのも注意点です。

株式譲渡にかかる贈与税を理解して計算をしてみよう

方法
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株式譲渡をスムーズに行えば、効率的な事業の引継ぎを行うことができるので早めに新事業の対策などを練ることができます。

一方で事業譲渡に欠かせないのが財産や株式の贈与で、贈与税を軽減させるにはさまざまな知識が必要です。

したがって事業譲渡を成功させるためにも株式譲渡にかかる贈与税への理解を深め、確かな税率計算を徹底して手続きを行いましょう。

また株式譲渡でも効率的な事業の引継ぎを行うことができますが、さらにスムーズな引継ぎを行うのであれば事業承継がおすすめです。

事業承継を活用すれば、自社親族内の後継者を擁立できれば簡単に手続きが完了します。

さらに親族や従業員内に後継者がいなくても、第三者企業から最適な後継者を擁立することができるのも事業承継のメリットです。

特に近年は事業承継に特化している仲介会社も多いので、一度利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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