繊維製品製造業のM&A事情を調査!業界の現状や動向・事例・価格相場は?

私たちの生活に欠かせない「衣食住」の「衣」に携わる繊維製品製造業では、新しいサービスへの対応や海外進出、差別化といった目的でM&Aを行う企業が多く見られます。当記事では、過去の売却・買収事例に触れながら繊維製品製造業界のM&A事情を解説します。

目次

  1. 繊維製品製造業のM&Aの動向
  2. 繊維製品製造業のM&Aの流れ
  3. 繊維製品製造業のM&Aを行うメリットとデメリット
  4. 繊維製品製造業のM&A価格相場
  5. 繊維製品製造業のM&A事例
  6. 繊維製品製造業のM&Aを行う上での注意点
  7. 繊維製品製造業のM&Aは準備をしっかり行ってから進めよう

繊維製品製造業のM&Aの動向

まずは、繊維製品製造業が担う業務内容と市場の動きを押さえた上で、繊維製品製造業におけるM&Aの動向を解説します。

繊維製品製造業とは

繊維製品製造業とは、文字の通り繊維を原料とする製品を作る業界です。

アパレルメーカーや素材メーカー、小売りメーカーといった業種が存在し、私たちが生活する上で必要な「衣・食・住」の「衣」を提供します。

繊維製品製造業の市場の動き

繊維製品製造業界の市場動向には、以下のような特徴があります。

繊維製品製造業の市場動向

・EC販売(インターネットショッピング)で成長が見られる

・服のシェアリングといった新サービスが注目されている

・限界がある国内需要以外に海外も視野に戦略を立てている

通販サイトの普及から、店舗型のみならず多様な販売形態がとられるようになりました。 

繊維製品製造業のM&A動向

繊維製品製造業では、新サービスへの対応や海外進出といった目的から多くの企業でM&Aが実施されています。

繊維製品製造業界で見られる主なM&A動向・パターンは以下の通りです。

  • 動向①:オンラインショッピングなどの新サービスで販路拡大を目指すM&A
  • 動向②:大手企業が海外市場に進出するためのM&A
  • 動向③:ブランド力の強化を目指したM&A
  • 動向④:事業規模・業容拡大のためのM&A
  • 動向⑤:差別化をはかるため事業に独自性のある企業とのM&A
  • 動向⑥:業界再編を目的としてM&A
  • 動向⑦:製造工場や事業拠点を獲得するためのM&A
  • 動向⑧:アパレルメーカーが製造工場を買収するためのM&A

繊維製品製造業のM&Aの流れ

繊維製品製造業のM&Aにおける手続きの流れを8つのステップに分けて解説します。

基本的には、繊維製品製造業界以外の業種にも共通です。M&Aの準備段階からクロージングまで一般的な流れをチェックしましょう。

  1. M&A検討・準備
  2. M&A委託業者の選定
  3. 相手企業の選定
  4. 秘密保持契約の締結
  5. 意向表明書の提示
  6. 基本合意書の締結
  7. デューデリジェンス
  8. 最終契約交渉と締結・クロージング

①M&A検討・準備

各企業が最初に行うのは、M&Aの検討と準備です。

今回M&Aを実施する目的や方向性を決める必要があります。業界の流れに任せるのではなく、自社にとって有益かどうかを正しく分析しましょう。

M&Aによって得られるものが多いと見込まれたらM&Aの準備に取り掛かります。

②M&A委託業者の選定

M&Aの大まかな方向性が定まったら、M&A委託業者を選びましょう。

M&Aは専門知識が求められるので、M&A仲介会社などの専門家に相談・依頼をして準備を進めるのが一般的です。プランを確認し、委託契約を締結しましょう。

この時の契約は「アドバイザリー契約」と呼ばれています。

③相手企業の選定

準備ができたら、M&Aの相手企業を見つける作業に入ります。

M&A仲介会社のサポートを受けながら、自社の状況に相応しい売却・買収先を見つけましょう。候補企業の経営者と会談を行い、相互理解を深めます。

方向性や理念が合致したら、M&Aの具体的な条件を決めましょう。

④秘密保持契約の締結

交渉で条件をまとめる際は、秘密保持契約を取り交わすのが一般的です。

M&Aの情報が途中で漏れてしまうと、従業員や取引先とのトラブルが発生する可能性があります。情報流出が無いように徹底しましょう。

秘密保持契約はM&A仲介会社経由、もしくは当事者同士で直接締結されます。

⑤意向表明書の提示

秘密保持契約書が締結できたら、意向表明書も取り交わしましょう。

M&Aを実施する意思表示となる書類で、大まかな条件や金額などを記載するのが一般的です。また、これは買い手によって一方的に提示されます。

提示後は引き続き当事者間で交渉を行い、より具体的な内容を決めていきます。

⑥基本合意書の締結

双方がM&Aの実施に合意できたら、次に行われるのは基本合意書の締結です。

基本合意書には、取引日、取引する株式の種類と数量、金額、支払い方法、従業員といった項目が記載されます。

基本合意書は当事者双方の合意を表明するもので、法的拘束力を持ちません。

⑦デューデリジェンス

基本合意書を取り交わしたら、デューデリジェンスが実施されます。

デューデリジェンスとは、売却側の財務状況や資源、人材や取引先、負債とリスクといったあらゆる項目を調査するプロセスのことです。

専門家に依頼して行われ、簿外債務リスクを軽減させられる効果があります。

⑧最終契約交渉と締結・クロージング

デューデリジェンスが完了したら、最終契約交渉と締結です。

基本合意書の内容とデューデリジェンスの結果をもとに、より詳細な条件を当事者間で調整し、双方が合意できる内容で最終契約書を取り交わしましょう。

最終契約書は法的拘束力を持つので、条件を今一度よく確認してから締結するのがポイントです。

その後スケジュールに沿って、株式・事業の譲渡と対価の支払いが実施されます。このプロセスは、一般的にクロージングと呼ばれます。

クロージングまで済んだら、一連のM&Aは完了です。

繊維製品製造業のM&Aを行うメリットとデメリット

ここでは、繊維製品製造業でM&Aにおけるメリットとデメリットを解説します。

M&Aは恩恵ばかりに目が行ってしまいがちですが、もちろん考慮すべきデメリットも同様に存在します。M&Aの実施前に両方をしっかり把握することが重要です。

売却側・買収側の視点に分けて、それぞれメリット・デメリットを確認しましょう。

売却側のメリット

繊維製品製造業のM&Aにおける売却側企業の主なメリットは、以下の通りです。

売却側企業の主なメリット

・株式や事業の売却益が得られる

・後継者不在の問題を解決できる

・従業員の雇用を維持できる

・経営者が個人債務から解放される

・大手傘下に入ることで経営が安定する

売却側のデメリット

繊維製品製造業のM&Aにおける売却側企業の主なデメリットは、以下の通りです。

売却側企業の主なデメリット

・すべて理想通りの条件で取引できるとは限らない

・従業員がM&Aの情報に不安を抱き退職するおそれがある

・取引先との関係が悪化する可能性がある

・マッチングにかなりの時間を要する場合がある

・会社の経営に関する影響力が縮小する

買収側のメリット

繊維製品製造業のM&Aにおける買収側企業の主なメリットは、以下の通りです。

買収側企業の主なメリット

・売却側企業とのシナジー効果を期待できる

・効率よく事業拡大できる

・事業エリアを拡げられる

・人材や顧客を獲得できる

・低コスト・低リスクで繊維製品製造業界に参入できる

買取側のデメリット

繊維製品製造業のM&Aにおける買収側企業の主なデメリットは、以下の通りです。

買収側企業の主なデメリット

・買収にかかる資金の調達が必要

・売却側の社員が待遇に不満を抱くおそれがある

・期待通りのシナジー効果が得られない場合がある

・文化の融合にかなりの時間を要する可能性がある

・売却側の簿外債務を引き継ぐおそれがある

繊維製品製造業のM&A価格相場

繊維製品製造業では、どの程度のM&A相場を見込めば良いのでしょうか。

経営者にとって取引価格の相場は、売却・買収の想定を行う際に特に気になる項目の1つです。ここでは、M&A相場の算出式と知っておきたいポイントを解説します。

企業価値を算出する計算式

繊維製品製造業には、一概に言える価格相場がありません。

会社の大きさや事業の規模、取引実績や期待できるシナジー効果の大きさ、収益性などによって相場が左右され、完全にケースバイケースだからです。

ただ、大まかな企業価値相場を調べる方法はあります。その場合以下のような式を用いて計算するのが一般的です。

大まかなM&A価格相場(企業価値)の算出式

M&A売却・買収額相場 = 時価純資産 + 営業利益 × 2〜5年分

上記の算出式は一例です。相場算出ではこの他にも複数のアプローチが存在します。

専門家に算出してもらう

ただし相場の算出は専門知識が問われるため、専門家に算出してもらうことをおすすめします。

相場を求める際は、「のれん代」と呼ばれる見えない資産を考慮しなければならないことも大きな理由です。

繊維製品製造業界の企業価値評価ができるM&A仲介会社に相談し、サポートを受けながら相場を算出してください。

最終的なM&A価格は当事者の交渉で決定

また、最終的な取引価格は当事者の交渉で決まります。

専門家のサポートを受けながら相場の算出を行っても、実際に支払う金額と大きな差が生じる可能性があるので注意してください。

市場動向も相場に影響する

市場動向も相場に影響するので、評価のタイミングは重要な要素です。

繊維製品製造業界への需要が高まり比較的好調な時に算出を行えば、より高い相場になるでしょう。

繊維製品製造業のM&A事例

ここでは、繊維製品製造業の企業で過去に行われたM&A事例を5事例紹介します。

各企業はどのような目的・狙いを掲げて売却・買収を実施したのでしょうか。この点に注目しながらそれぞれの事例をチェックしましょう。

より詳しいIR情報は、各事例の下部分に掲載のリンクからすぐに参照できます。

  • 事例①:ダイセルとグンゼのM&A
  • 事例②:東洋紡と帝人・帝人フィルムソリューションのM&A
  • 事例③:ReSTARTファンドによる山喜(Factory Express Japan)のM&A
  • 事例④:東レとAlva Sweden AB・Alva Confecções S.A.・Alva Tunisia SAのM&A
  • 事例⑤:ニッケとフジコーのM&A

ダイセルとグンゼのM&A

売却企業

①グンゼ

(ソリューション事業、インナーウェア中心のアパレル事業、

スポーツクラブ運営のライフクリエイト事業)

②電子部品事業部フィルム部門

(京都府拠点の工場)

※当事例で、電子部品事業はタッチパネル部門のみになる

買収企業

ダイセル

(メディカルヘルスケア、スマート、セーフティ、

マテリアル、エンジニアリングプラスチックにおける

製品製造・販売事業)

M&Aの手法

事業譲渡

(従業員は残留か、買収側に転籍)

※この事例後に「ダイセルビヨンド株式会社」にを設立

M&Aの目的

・買収側の事業の最適化

・機能性フィルム事業の成長

・電子部品分野やライフサイエンス分野の事業拡大

・新たな技術やノウハウ・設備の獲得

・開発・供給体制の強化

・シナジー効果の創出

・市場・顧客の課題解決のためのソリューション提案

実施時期

2022年10月

譲渡価格

非開示(10億円以上ではないかといわれる)

電子部品事業部フィルム部門の株式会社ダイセルへの譲渡に関するお知らせ

東洋紡と帝人・帝人フィルムソリューションのM&A

売却企業

①帝人

(炭素繊維やヘルスケア事業)

②帝人フィルムソリューション(100%子会社)

(ポリエステルフィルム事業、

セラミックコンデンサ用離型フィルムなどの工程用フィルム、

食缶用ラミネーションフィルム製品製造事業)

※宇都宮市・インドネシアに工場を保有している

買収企業

東洋紡

(包装用途から工業用途まで幅広いフィルム製品製造販売事業)

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

・関東と海外に生産拠点を得られる効果は大きいと見込んだ

・高い開発・生産技術、幅広い製品ラインアップを加える

・高機能なフィルム製品の開発

・供給体制の一層の強化

・成長戦略による基礎収益力のさらなる強化

・発展戦略による新規コアビジネスの確立 

・海外生産能力拡充で顧客ニーズにグローバルに対応する

・フィルム事業のさらなる拡大

・自動車電動化や第5世代通信の需要増に対応するための投資

実施時期

2019年5月

譲渡価格

約100億円

帝人株式会社のフィルム子会社株式取得に関する 株式譲渡契約締結について

ReSTARTファンドによる山喜(Factory Express Japan)のM&A

売却企業

山喜(対象子会社:Factory Express Japan)

(作り手と使い手を繋ぐオンラインショップ・

ウェブメディア「Factory Express Japan」運営事業)

買収企業

ReSTARTファンド

(窮境のアパレルブランド再生事業、コンサルティング事業、

工芸やものづくりの生産・販売に関する支援事業、

ディレクション事業等)

M&Aの手法

株式譲渡

M&Aの目的

・事業成長とファクトリーへのサポート強化

・商品開発や連携体制の強化

・ノウハウを活かした事業運営

実施時期

2021年3月

譲渡価格

非開示

「Factory Express Japan株式会社」事業継承のお知らせ

東レとAlva Sweden AB・Alva Confecções S.A.・Alva Tunisia SAのM&A

こちらは、日本企業がエアバッグ事業に参入するために海外企業と行われた事例です。

売却企業

・Alva Sweden AB

(スウェーデンのエアバッグ縫製メーカー)

・Alva Confecções S.A.(ポルトガルの子会社)

(エアバッグの裁断・縫製・販売事業)

・Alva Tunisia SA(チュニジアの子会社)

(エアバッグの裁断・縫製事業)

買収企業

東レ

(繊維製品製造・炭素繊維複合材料・

環境・エンジニアリング製品加工販売事業)

M&Aの手法

株式譲渡

※当事例の取引相手は売却企業の株を100%所有する

「AB Anders Westerlind社」

M&Aの目的

・先進国や後進国のエアバッグ装着率拡大を見込む

・市場変化に即応したエアバッグ事業の継続的成長

・サプライチェーン延伸による一貫型事業高度化

・最新のエアバッグ開発動向や顧客ニーズへの対応

・原糸・基布・縫製一貫の強みを生かした製品開発・提案力強化

・高性能エアバッグの実現

・さらなる事業拡大  

実施時期

2019年8月

譲渡価格

約40億円

エアバッグ縫製メーカー Alva Sweden ABの買収について

ニッケとフジコーのM&A

売却企業(株式交換子会社)

フジコー

(不織布・フェルト総合メーカー)

※当事例後にジャスダック上場廃止

買収企業(株式交換親会社)

ニッケ(日本毛織)

(衣料繊維事業、産業機材事業、フランチャイズ事業、

生活流通事業、保育・介護事業等)

M&Aの手法

株式交換(簡易株式交換)

M&Aの目的

・グループにおける企業価値向上

・製造管理体制に起因する高コスト体質の改善

・稼働率の低い生産設備の適切な統廃合

・シナジー効果の最大限の創出

・経営資源の相互活用

実施時期

2021年9月

株式交換割り当て比率

ニッケ 1 : フジコー 3.05

ニッケ(日本毛織株式会社)による株式会社フジコーの完全子会社化に関する. 株式交換契約締結(簡易株式交換)のお知らせ

繊維製品製造業のM&Aを行う上での注意点

ここでは繊維製品製造業でM&Aを実施する際の注意点を解説します。

一般的にM&Aは、各企業が多くの労力とリスクをかけて行われるものです。やるからには売却・買収を成功させたいのが経営者の本音ではないでしょうか。

以下7つのポイントに留意し、成功確率を上げた状態で手続きに入りましょう。

  • M&Aを行う理由を明確にする
  • 準備を周到に行う
  • 強み・アピールポイントをまとめる
  • 売却相手企業を慎重に選ぶ
  • 情報漏洩に注意する
  • M&Aを行うタイミングを逃さない
  • M&Aの知識と経験豊富な専門家に相談する

M&Aを行う理由を明確にする

1つ目の注意点は、M&Aを行う理由を明確にすることです。

M&Aは事業拡大、事業参入などさまざまな目的で行われますが、漠然とした状態での売却・買収はシナジー効果が得られず、かえって損失になるでしょう。

トップ会談で理念や方向性を確認し、共感できるM&Aにする必要があります。

準備を周到に行う

2つ目の注意点は、M&Aの準備を周到に行うことです。

M&Aは勢いで実施するものではありません。有益な売却・買収にするためには万全な計画と準備が求められます。

自社状況を分析し、課題があれば早めに投資し解消しましょう。

強み・アピールポイントをまとめる

3つ目の注意点は、強みやアピールポイントをまとめることです。

得意分野やこれまでの取引、受注実績といった強みになるデータを資料にまとめましょう。強みが明確な企業は、相手企業として候補に挙がりやすくなります。

売却相手企業を慎重に選ぶ

4つ目の注意点は、売却相手企業を慎重に選ぶことです。

M&Aは、マッチングできれば成功に直結するわけではありません。本当にその企業を買収して効果が得られるのかを冷静に分析してください。

慎重に選べば、簿外債務や偶発債務の発覚で損失になるリスクも下げられます。

情報漏洩に注意する

5つ目の注意点は、情報漏洩に気をつけることです。

途中でM&Aの情報が流れ出てしまうと、最悪の場合従業員が退職する可能性があります。貴重な人材が離れてしまうと、M&Aの評価額も下がるでしょう。

しっかり従業員の処遇を確認した上で公表し、理解してもらうことが大切です。

M&Aを行うタイミングを逃さない

6つ目の注意点は、M&Aを行うタイミングを逃さないことです。

繊維製品製造業界の需要が増加し、市場動向が注目されている時期に売却を行うと、比較的高い評価額で取引できるでしょう。

リスクや課題が多い状況では、買収企業が見つからない可能性が高まります。

M&Aの知識と経験豊富な専門家に相談する

7つ目の注意点は、M&Aの知識と経験豊富な専門家に相談することです。

M&Aは、法務や税務をはじめとする多くの専門知識が求められます。そのため個人で進めるのはあまりおすすめできません。

繊維製品製造業に詳しいM&A仲介会社に依頼しましょう。

繊維製品製造業のM&Aは準備をしっかり行ってから進めよう

ECサイトや新サービスへの対応、事業拡大を効率的に行うためにはM&Aは有効な手段の1つと言えるでしょう。

ただこれまで説明の中で触れました通り、M&Aはさまざまなリスクが付き物です。M&A仲介会社のサポートを受けることを強くおすすめします。

専門家の力を借りながら着実に準備し、有益なM&Aを目指しましょう。

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