M&Aにおける中間金とは?費用相場から支払うタイミング・注意点も解説!
M&Aにおける中間金や、費用を支払うタイミングについて疑問を持たれる方が多いかと思います。
本記事では、M&Aにおける中間金の概要や支払うタイミング、相談先についても解説します。
ぜひ、参考にしてください。
目次
M&Aにおいての中間金とは?
中間金は、売り手側の会社と買い手側の会社が、M&Aの手続き途中に、仲介する会社へ支払う金額のことです。
仲介する会社によって、中間金を支払いする時期や金額も異なります。
中間金(中間報酬)について
中間金とは、売り手側の会社と買い手側の会社が、M&Aの手続き途中に、仲介する会社へ支払う金額のことです。
仲介会社が成功報酬0円となることを防ぐため、売り手側と買い手側へ向けて、M&Aの手続き途中に、中間金という形で支払いを依頼します。
中間金の相場については、見込み成功報酬の10%〜30%といわれています。成功報酬に決められた数値をかけての計算が多いため、成功報酬が大きくなるほど中間金の金額も高くなるでしょう。
また、成功報酬に左右されず、一定の金額を中間金とする仲介会社もあります。中間金を支払う時期は、買い手側の会社と売り手側の会社が合意した際に行うことが多いといわれています。
このほかにも、買い手側の会社が意向を示した際やトップが面談をした後、買い手側の財務を調査する時点で支払う場合があります。
仲介会社を決める際には、中間金の有無や計算方法、支払い時期についても確認するようにしましょう。中間金は、成功報酬に含まれる場合もあるため、成功報酬に含まれるのかどうかも確認することもおすすめします。
中間金が発生しない仲介会社もある
仲介会社の中には、中間金が必要ない会社もあります。
しかし、着手金や相談料・毎月定額の費用は必要という会社もありますので、仲介会社を選ぶ際には必要な費用について細かく確認することをおすすめします。
完全成功報酬制とは
完全成功報酬制とは、中間金や着手金、相談料などの無駄な手数料を支払わず、成功報酬のみを支払うスタイルです。
現在は、完全成功報酬制のサービスを提供する会社が多くなってきています。
完全成功報酬制のサービスを提供している会社は、成功しないと報酬を得られないため、M&A成立に向けて、より寄り添ったサポートを期待できます。中間金や着手金などの手数料を仲介会社に支払っているからと元を取ろうとして、無理にM&Aを成立させようと焦ってしまう心配もありません。
仲介会社を選ぶ際は、中間金についてや必要な費用についても確認した上でM&A交渉を依頼することで、より納得したM&A成約の実現に近づくでしょう。
M&Aにおいての中間金の相場
M&Aの実行にあたっては、M&Aの仲介会社などの専門家に依頼して交渉を進めていくのが一般的です。
仲介会社にM&Aの交渉を依頼する場合、手数料を支払わなければいけません。さまざまな契約において仲介会社を挟んで契約する場合、仲介会社に手数料を支払うのは、すべての契約が終了したあとです。
しかしM&Aでは、中間地点に達したとみなされる基本合意書の締結時に手数料の一部として中間金を支払います。基本合意書の締結以降にM&Aが成立しなかったとしても中間金は返還されません。
では中間金の相場は一般的にどの程度の金額が設定されているのでしょうか。
中間金の相場について解説します。
案件の大きさにより相場は異なる
M&Aに要する金額は、買収しようとする企業の規模によって異なります。
そのため、買収される価格によって手数料率を設定しているケースが多く、中間金は手数料の10%〜20%程度が相場といえるでしょう。
しかしM&A仲介会社によって手数料と中間金の設定は異なっており、100万円〜200万円前後の定額を中間金としている場合もあります。
買収価格によって手数料は異なりますので、中間金を定額にしていると規模の小さい企業を買収する際、中間金が手数料全体に対して大きな割合を占めるかもしれません。
逆に高額な価格になる場合は、定額の中間金だと手数料全体に占める割合が低くなってしまう可能性も考えられます。
そのため、M&A仲介会社は中間金を10%〜20%設定しているケースが多いといえるでしょう。
レーマン方式が用いられる
中間金が手数料全体の10%〜20%程度だとすると、M&Aにかかる手数料がわかれば、自然に中間金も把握できます。
M&Aにかかる手数料はレーマン方式による算出を採用しているケースが多いといえるでしょう。
レーマン方式による手数料の算出方法は、買収価格によって手数料率が変わる方式です。下記にレーマン方式による手数料率をまとめました。
買収価格 | 手数料率 |
5億円までの部分 | 5% |
5億円以上10億円までの部分 | 4% |
10億円以上50億円までの部分 | 3% |
50億円以上100億円までの部分 | 2% |
100億円以上の部分 | 1% |
中間金の算出例
レーマン方式による手数料の割合を説明しました。
しかし手数料の計算方法は、単純に買収価格に手数料率をかけるわけではありません。
例えば20億円の買収価格だった場合、手数料率の3%をかけて
20億円×3%=6,000万円
という計算ではありませんので注意しましょう。
20億円の買収価格の場合について手数料と中間金の計算式を下にまとめました。
買収価格20億円、中間金は手数料の10%とした場合の計算式
5億円×5% =2,500万円
(10億円-5億円)×4% =2,000万円
(20億円-10億円)×3% =3,000万円
手数料
2,500万円+2,000万円+3,000万円=7,500万円
中間金
7,500万円×10%=750万円
手数料は、それぞれの価格帯に合わせた手数料率を乗じて、最後に加算する計算方法となります。
手数料の計算が間違っていると、当然ながら中間金も間違ってしまいますので、レーマン方式による計算方法をしっかりと理解しておきましょう。
M&Aにおいての中間金を支払うタイミング
中間金は、M&Aの交渉がある程度進んだ段階で支払うものですが、M&A仲介会社によって支払うタイミングが異なります。
多くのM&A仲介会社での中間金の支払いのタイミングは下記のとおりです。
- ・基本合意書の締結後
- ・トップ会談後
それぞれを詳しく見ていきましょう。
基本合意書の締結後
中間金の支払いで最も一般的なタイミングが、基本合意書の締結後です。
基本合意書は、買収側企業と売却側企業の経営者が面談し、大まかな合意の内容が固まったときに締結します。
基本合意書の締結は、ちょうどM&Aの手続きにおいて中間地点となるため、多くのM&A仲介会社で支払いのタイミングとされているようです。
トップ会談後
基本合意書の締結後のほか、トップの会談後も支払いのタイミングとしてあげられます。
トップ会談とは、買収側と売却側の企業の経営者が直接顔を合わせることです。
お互いの事業の疑問を解消したり、人間性などを把握することで、最終決断の重要な材料となり、M&Aの成功を導くにあたって、大切な要素の1つとされています。
M&Aにおいての中間金を支払う上での注意点
中間金の相場は、成功報酬金の10%から30%とされており、大きな出費となるため、事前の確認が重要となります。
あらかじめ確認しておくべき中間金の注意点は以下のとおりです。
- ・中間金は一度支払ったら返還されない
- ・買収側企業と売却側企業の双方が支払う
- ・最低報酬の金額を確認する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
中間金は一度支払ったら返還されない
中間金は、不成立の場合やデューデリジェンス(買収監査)で問題が発覚した場合は返還がされません。
なお、M&A仲介会社によっては、成約時は成功報酬から控除される場合もあります。
中間金は、M&A仲介会社が定めた段階まで進んだ際に支払うものとされているので、返還されないことを覚えておきましょう。
買収側企業と売却側企業の双方が支払う
中間金は、買収側と売却側の企業がそれぞれ支払う手数料です。
中間金は、M&A仲介会社が成約時の成功報酬の一部を前払いとして得る手数料ですが、双方の企業に対して一定の拘束をさせる意味合いも持っています。
最低報酬の金額を確認する
最低報酬は500万円から数千万円と大きな幅があります。
とくに、銀行や証券会社、上場をしているM&A仲介会社だと、最低報酬を2000万円から3000万円に設定しているところも多いです。
小規模な企業だと、最低報酬で数千万円を支払ってしまい手取りがほとんど残らなかった、という可能性もあるので、必ずチェックしましょう。
M&Aにおいての中間金が発生しない仲介会社を選ぶメリット
M&Aにおいて、中間金が発生しない仲介会社を選ぶメリットは、以下の通りです。
- メリット1 : M&Aが成立するまでの出費を抑えられる
- メリット2 : 条件に合う相手企業を慎重に選んでもらえる
詳しく見ていきましょう。
M&Aが成立するまでの出費を抑えられる
中間金が発生しない仲介会社を選ぶことで、M&Aが成立するまでにかかるコストを削減できるメリットがあります。
特に、成果報酬のみ採用している仲介会社では、着手金なども発生し、M&Aが成立した場合にのみ、料金が発生することになります。
したがって、取引が成立しなかった場合には出費が発生しないので、無駄な費用が発生しません。
これにより、企業にとっては財務上の負担が軽減され、より効率的なM&Aプロセスを実現できるメリットがあるでしょう。
条件に合う相手企業を慎重に選んでもらえる
中間金を取らない仲介会社は、M&Aが成立することで大きな報酬を得るため、より質の高いマッチングになるというメリットがあります。
これにより、売り手は自社にとって最適な合併・買収相手を見つけやすくなります。
仲介会社は取引の成功に集中するので、相手企業の選定において、より緻密で精度の高いアプローチができるようになるというメリットがあります。
M&Aにおいての中間金は仲介会社と相談するのがおすすめ
そのため、適切なアドバイスを受けられる仲介会社の活用や、金融機関・公的支援機関への相談が必要となります。
M&Aの知識と経験豊富なM&A仲介会社に相談する
M&A仲介会社は、譲渡企業と譲受企業の双方と契約し、中立的な立場からM&A支援を行うサービスです。
法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定といった専門的な知識を要するM&Aにおいて、豊富な知識を持つアドバイザーからサポートを受けることが可能です。
M&A仲介企業に依頼すると、以下のようなサービスを受けられます。
- M&Aに関する全般的なアドバイス
- M&A候補先企業の選定や提案
- M&A候補先企業の企業価値の算定
- 相手先企業との交渉やスキームの構築
- デュ―ディリジェンス(相手先企業の価値やリスクの調査および分析)の支援
- 契約書類の作成支援
M&A仲介会社は多く存在し、特定の業界に特化している会社や、全業種対応型の会社があります。
特定のエリアや業種に特化する会社に依頼した場合には、より具体的で専門的な支援を受けられます。
一方、全業種対応型の会社に依頼すれば、実績が豊富なため、業界の垣根を越えた選択肢の提案といった恩恵を受けることも可能です。
金融機関に相談する
融資などで既に取引のある金融機関に相談することも可能です。
銀行は多くの中小企業と取引を行ってきた実績から、中小企業の経営に関する知識やノウハウを有している場合が多く、有効な相談先候補のひとつです。
近年では蓄積された知識やノウハウを活用し、事業継承のコンサルティングや支援サービスを実施している金融機関の数が増えています。
また、法務・財務・税務といった専門的な部分や具体的な事業継承上の実務に関して、金融機関が提携している弁護士や税理士の紹介を受けられる場合もあります。
金融機関を仲介することによって、より円滑な事業継承を進めることが可能となるでしょう。
公的支援機関に相談する
M&Aについては、独立行政法人中小企業基盤整備機構の「事業承継・引継ぎ支援センター」でも支援を受けられます。
「事業承継・引継ぎ支援センター」は国が設置する公的相談窓口であり、基本的に無料で相談可能な点がメリットです。
後継者不在の中小企業や、事業承継・引継ぎに取り組む中小企業が利用可能です。
具体的には以下のような支援が受けられます。
- 事業継承・引継ぎ(親族内・第三者)に関するアドバイス
- 事業承継・引継ぎに向けた問題点を洗い出す事業承継診断
- 事業承継計画の策定
- 事業引継ぎにおける企業間のマッチングサポート
- 経営者保証解除に向けた専門家による支援
M&Aにおいての中間金について理解し信頼できる仲介会社を選ぼう
本記事では、M&Aにおける中間金の概要や意払うタイミング、メリット、相談先について解説しました。
中間金は、売り手側の会社と買い手側の会社が、M&Aの手続き途中に、仲介する会社へ支払う金額のことです。
中間金が発生しない仲介会社を選ぶメリットを参考にしながら、M&Aを進めていきましょう。
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