婚礼業界のM&A事情は?今後の動向や活用事例・相場まで徹底解説!
近年の少子高齢化の影響による婚礼数の減少により、婚礼業界においても事業継続のため積極的にM&Aに取り組む企業も多く見受けられます。そこで本記事では婚礼業界のM&A事情について詳しく解説を行い、今後の動向や婚礼事例・相場まで徹底解説しましょう。
婚礼業界の現状とM&Aの動向
前述のように近年の婚礼業界を取り巻く状況は非常に厳しく、各業者とも自社の利益確保のためにさまざまな施策を検討しています。
利益確保のための施策を検討する一方で自社のみでは事業の立て直しが難しく、否応なしにM&Aにより事業を売却する動向が増えているのが現状です。
さらに今後の少子高齢化の動向によっては、M&Aにより事業売却する企業の動向も増加していくでしょう。
婚礼業界とは
結婚式場をはじめ、挙式や披露宴などを開催する設備やサービスを提供する業者のことを婚礼業界といいます。
以前結婚式などの婚礼儀式のほとんどがホテルで行われていました。
一方近年ではレストランやリゾート施設、ゲストハウスなど結婚式場の多様化の動向に伴い、婚礼業界の利用率は減少しているのが現状です。
さらに近年の急速な少子高齢化の動向により、全体的な婚礼件数の減少に伴って業者間の競争が激化しています。
婚礼業界の現状
前述のように近年の婚礼業界では、少子高齢化による婚礼数の減少が大きな問題として取り上げられています。
このような動向を踏まえ、昨今では披露宴を行わずに婚礼を進めるケースも増加しているのが現状です。
さらにコロナ禍による3密の禁止により婚礼数は以前よりも大幅に減少し、多くの婚礼業者が利益確保に頭を抱えています。
新規事業開拓のためM&Aが増加している
前述のような状況を踏まえ、婚礼業界では新規事業開拓のためのM&Aが増加しています。
M&Aを行って他社の事業を承継すれば、ユーザーに対して今までに自社が持っていなかった新しいサービスの提供も可能になるでしょう。
例えば一般的な婚礼会社が写真や動画サービスを提供する企業や、ドレスやジュエリーのレンタル・販売を手掛ける企業を買収するケースも多く見受けられます。
このような画期的なM&Aを行い、事業の多角化を計ることで生き残りを計る婚礼会社も多いようです。
婚礼業界でのM&A事例
近年の社会情勢を背景として多くの婚礼業界が積極的にM&Aを行っていますが、実際にどのようなM&Aが行われているのでしょうか。
ここからは婚礼業界のいくつかのM&A事例を紹介します。
エスクリへのラヴィマーナ神戸の事業譲渡
ラヴィマーナ神戸は結婚式場事業を運営していた企業でしたが、2020年3月に自社が運営していた結婚式場を、婚礼事業を手掛けるエスクリへ譲渡したのも事例の1つです。
エスクリはこのM&Aにより神戸近辺での業績拡大を計ることに成功しました。
参考URL:
パートナーエージェントのメイション買収・株式譲渡
2019年4月には格安婚サービスである、スマ婚を提供している株式会社メイションが、結婚相談事業を提供する株式会社パートナーエージェントによって買収・株式譲渡されたのも有効事例です。
このM&Aはパートナーエージェントの子会社である株式会社ライジングをメインに行われ、株式取得後はライジングを買収側とする吸収合併を行って株式会社メイションへと商号変更しました。
このM&Aにより、パートナーエージェント社はユーザーに対して、婚活から成婚後の一貫したサービスを提供可能にして利益拡大を計るとしています。
参考URL:
くふうカンパニーのフルスロットルズ買収・株式譲渡
2019年6月には結婚式プロデュース事業を展開する株式会社フルスロットルズが、不動産関連事業や結婚関連事業を手掛ける株式会社くふうカンパニーに買収・株式譲渡されたのも事例の1つです。
このM&Aはくふうカンパニーの子会社である、みんなのウェディングを通じて行われました。
その結果として結婚式のプランニングや挙式までの流れをサポートする体制の構築に成功しています。
参考URL:
aedamによるラビアンローゼとウインクルの事業譲渡
2020年8月にはラビアンローゼのホテルアークリッシュ豊橋衣装室と、ウインクルのスウィートローゼスクラブのそれぞれの事業がaedamによって買収されたのも事例です。
Aedamは愛知県で貸衣装室とフォトスタジオ事業を手掛けている企業で、このM&Aは愛知県におけるブライダル市場のシェア拡大を目的とした事例といえます。
参考URL:
http://www.aedam.jp/blog/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B-2/
クラウディアホールディングスによる内田写真の事業承継
2019年3月には写真撮影事業を手掛ける内田写真が、ブライダル事業を展開するクラウディアホールディングスにより事業承継されたのも事例の1つです。
このM&Aによりクラウディアホールディングスは写真事業におけるシェアを拡大し、事業規模の拡大を計るとしています。
さらにリゾート挙式や写真事業、美容事業などさまざまな分野に事業を展開していく目的の事例です。
参考URL:
長沼によるタキオン事業譲渡
2020年4月にはタキオンの事業の1つである、乃木會館の運営事業が長沼に事業譲渡されたのも事例の1つです。
長沼は長沼静きもの学院の運営や美容室運営、エステティック事業や着物販売・レンタル事業などを営んでいる企業です。
タキオンはこのM&Aにより自社グループの拡大と周辺事業へのシェア拡大に成功しました。
参考URL:
https://www.naganuma-kimono.co.jp/news/tag/%E4%B9%83%E6%9C%A8%E6%9C%83%E9%A4%A8/
ゼットンによるエルフラット事業譲渡
2020年3月には東京を中心に日本各地やハワイや韓国で飲食店の経営、開発及びコンサルティングを手掛けるゼットンがエルフラットから事業譲渡を受けました。
このM&Aにより譲渡された事業は三重県四日市市の結婚式場であるYOKKAICHI HARBOR尾上別荘です。
このM&Aが成立することで、結果的にゼットンは自社事業を拡大させることに成功しました。
参考URL:
パートナーエージェントによるMクリエイティブワークス子会社化
2020年3月にはフォトウエディング事業を手掛けるMクリエイティブワークスの全株式が、パートナーエージェントに2億1,400万円で取得されて完全子会社化しました。
以前からMクリエイティブワークスの株式の14.9%がパートナーエージェントによって取得されていましたが、この譲渡により残りの株式も追加取得されたことが伺えます。
このM&Aにより、パートナーエージェントは従来手掛けることができなかったフォトウエディング事業を取得することができました。
参考URL:
婚礼業界でのM&Aのメリット
婚礼業界でM&Aを行えば売却益を得ると同時に自社事業を効率的に承継できますが、他にどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。
そこでここからは、売却側・買収側のそれぞれの観点から婚礼業界のM&Aのメリットを検証します。
売却側企業のメリット
近年の社会的情勢を反映し、婚礼業界では後継者に事業承継を行うケースはほとんどありません。
業績悪化の動向に伴い、経営を継続するための資金を確保できずに他社に事業を売却するケースがほとんどです。
したがって経営が悪化している場合にも、採算性の悪い事業を売却することで利益を得ることができる点も売却企業側のメリットといえます。
また買収企業側に事業を引き継げば、社員の継続的な雇用を促進させることができるのもメリットです。
買収側企業のメリット
婚礼業界でM&Aを行うことにより、買収側企業は人員を確保できるうえに事業エリアを拡大できるのもメリットです。
未開拓エリアに新規店舗を建てて事業を開始するのは大変な作業になってしまいます。
一方M&Aで現状の事業を買収し、そのまま事業を行えば予算も立てやすいうえに投資回収までの期間も短くなるのもメリットです。
また新規事業のように人材を最初から育てる必要もなく、現状の人材をそのまま起用することでスムーズな事業が展開されるのもメリットといえます。
婚礼業界でのM&Aの費用の相場
現在は多くの婚礼会社が事業継続のために積極的にM&Aを行っていますが、実際のM&Aにはどれくらいの費用相場がかかるのでしょうか。
では婚礼業界でのM&Aの費用相場の計算方法を紹介します。
企業価値算定によって算定
婚礼業界のM&Aの費用相場は、企業が保有する結婚式場の立地条件や規模、収益性などの動向によって変動します。
したがって明確な基準や相場指標がないので、費用相場を断定することは困難です。
一方で企業価値算定を活用し、自社の企業価値相場を把握すればM&A時の自社の大まかな価格を算定できます。
婚礼業界において、結婚式場などの施設を保有している企業価値の算出方法としてはDCF法が活用されることが多いです。
DCF法とは事業の3~5年後の将来的な利益・動向を予測し、その利益から起こり得る損益などを差し引いて算出する方法のことを指します。
M&A専門家に算定してもらう
M&Aの専門家に相談することで、M&Aにかかる費用相場を簡単に算出できます。
前述のように企業価値評価を活用すれば大まかな相場を算定することはできますが、正確な数値を算出することはできません。
また婚礼業界は他の業界と比較してトレンドの移り変わりが早いので、正確な相場を算定するためにはM&Aの専門家に算定してもらうのがおすすめです。
婚礼業界でのM&Aを成功させるポイント
婚礼業界において自社事業を高額で売却し、効率的に事業を継続するためにはいくつかのポイントを押さえなければいけません。
そこでここからは、婚礼業界でのM&Aを成功させるポイントを解説します。
前もって準備を徹底する
前もって準備を徹底するのも、婚礼業界でM&Aを成功させるポイントの1つです。
事前にM&Aに関する入念な準備を行っていなければ、手続きがスムーズに進行せずに譲渡までの期間が長引いてしまうことがあります。
そして期間が長引いてしまえば、市場の変動により最適な売却のタイミングを逃してしまうでしょう。
そのような事態を防いで最適なM&Aを行うためにも、自社の強みや価値を把握するなど事前の準備を徹底しましょう。
M&A相手企業を慎重に選ぶ
婚礼業界でM&Aを成功させるためにも、M&A相手企業を慎重に選びましょう。
実際にM&Aを開始して売り手企業側と買い手企業側で取引を進めても、売り手企業を監査するデューデリジェンスで簿外債務や余剰債務などが発生することがあります。
このような事態に陥れば契約が破棄され、それまで進めてきた取引が意味のないものになってしまうでしょう。
取引から契約までスムーズに進めるためにも、M&A時には仲介会社などに相談して相手企業を慎重に選ぶのも重要なポイントです。
M&Aを行いたい目的をはっきりさせておく
M&Aを行いたい目的をはっきりさせておくのも、婚礼業界でM&Aを成功させるポイントの1つです。
M&Aでは売り手企業の目的によって事業の一部を売却するか、全ての事業を売却するかによって買い手企業も異なります。
そして売却の形態によって取引したい買い手企業も変わっていくでしょう。
したがってM&Aを行う際には、最初に取り組む目的を明確にするのが重要です。
交渉の材料を準備する
婚礼業界でのM&Aを成功させるためにも、交渉の材料をしっかり準備しましょう。交渉における主な材料を下記に表記しておきます。
・事業規模
・アクセス条件
・施設の稼働率
・優秀な従業員の確保
売り手企業側にこれらの条件が揃うほど、買い手企業側に対して高額条件の交渉を行うことができるでしょう。
さらにM&Aを行った後に、現状の収益力がどれだけプラスな影響を及ぼすかも価格設定の重要なポイントになります。
結果として、交渉時には自社の強みをアピールしながら交渉を進めることで、最適なM&Aを展開することが可能です。
強みをアピールする
前述のように自社の強みをアピールすることで、婚礼業界でのM&Aを成功に導くことができます。
交渉時に相手企業側の条件ばかりを飲み込むのではなく、先ほど紹介した材料を武器に自社に最適な価格提示を行いましょう。
結果的にアピールする場合としない場合では、価格が大幅に変動します。
M&A専門家に相談する
婚礼業界でのM&Aを成功させるためにも、M&Aの専門家に相談するのもおすすめです。
婚礼業界に限らず、M&Aの取引をスムーズに進めるためには法務・財務・税務などの専門的な知識が欠かせません。
そのような手続きを自社のみで行うのは困難で、手続きが難航してしまうでしょう。
そこでM&Aの専門家に相談すれば自社の評価を正確に行ってくれるうえに、最適なマッチングも手掛けてくれるのでスムーズな契約が実現されるのもメリットです。
婚礼業界でのM&Aは慎重に進めよう
近年は急速的に婚礼数が減少しており、その動向に伴って婚礼業界は厳しい状況を強いられています。
一方で効果的なM&Aに取り組み、業績拡大を計っている企業も多いです。
今後も自社事業を発展させるためにも、本記事を参考にして慎重に交渉を進めてM&Aを成功させてください。
またM&Aでも効率的な婚礼業界の事業引継ぎを行うことができますが、さらにスムーズな引継ぎを行うのであれば事業承継がおすすめです。
事業承継を活用すれば、自社親族内の後継者を擁立できれば簡単に手続きが完了します。
さらに親族や従業員内に後継者がいなくても、第三者企業から最適な後継者の擁立ができるのも事業承継のメリットです。
特に近年は事業承継に特化している仲介会社も多いので、一度利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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