M&Aにおいてのメリットとは?買い手・売り手側別に分かりやすく徹底解説!
ここでは、M&Aにおいてのメリットとはなにか買い手側や売り手側としてのメリット、さらにM&Aのスキーム別としてのメリットなどについて解説します。この記事を読むことで、M&Aを導入するメリットを理解することができるでしょう。
目次
近年では、M&Aにおける事業の拡大や事業承継などの問題の解決としての方法の1つとして、M&Aを利用する企業が増えてきています。
M&Aには、買い手側においても売り手側においても大きなメリットを及ぼします。
ここでは、M&Aにおいてのメリットとはなにか買い手側や売り手側としてのメリット、さらにM&Aのスキーム別としてのメリットなどについて解説します。この記事を読むことで、M&Aを導入するメリットを理解することができるでしょう。
M&Aの買い手側のメリット
M&Aの買い手側の最大のメリットとしては、事業の成長に伴う時間をお金で買って事業展開を短縮することです。
買い手側のメリットは、それ以外にも様々なものがあります。
ここでは、M&Aの買い手側のメリットとして5つ解説します。
シナジー効果
M&Aの買い手側のメリットの1つ目として、シナジー効果があります。
M&Aの内容によっては、単純なプラスマイナスだけでは留まらない効果を得られます。
このような全体的な枠組みを超えて行われる効果のことを、シナジー効果といいます。
いくつかの企業がまとまって事業を運営などをすることで、多くの効果が見込まれます。
事業の多角化
M&Aの買い手側のメリットの2つ目として、事業の多角化があります。
新規事業に参入しようとすると、さまざまなリスクが起こります。
事業を進めていく上で安定的に売り上げを上げていくためには、収益源の多角化が必要です。
M&Aを行うことで、自社では保有していない技術や人材などを取り込むことができ、事業の強化や利益を上げることが可能です。
生産の効率化
M&Aの買い手側のメリットの3つ目として、精算の効率化があります。
事業の多角化でも解説しましたが、自社では持っていない他社の技術などを獲得することで、事業の拡大や経営などの基盤を強化することが可能です。
また、新しい技術や人材なども増えるため生産体制を強くすることもできます。
労働に対する生産性が向上することで生産の効率化が見込めます。
市場環境の変化への対応
M&Aの買い手側のメリットの4つ目として、市場環境の変化への対応があります。
昨今ではインターネットサービスの進化により、オンラインネットショッピングの利用が広がり、オンライン決済などのデジタル化が進んできています。
このようなデジタル化などの日々変化し続けている環境に対応していくには、自社だけでは限界があります。
そのため、同じ業種でも違う業種でも提携や統合することが非常に有効です。
節税対策
M&Aの買い手側のメリットの5つ目として、節税対策があります。
買収対象の企業が赤字を抱えていると買い手側の企業がその負債などを引き継ぎます。
赤字は最大7年間は繰り越しすることができ、翌年へ繰り越した赤字は「繰越欠損金」といい黒字の売り上げと相殺することできるため、マイナス分だけ法人税を削除することが可能です。
その他にも外国企業との合併でタックス・インバージョンがあります。
税率の低い国との企業を買収することで、合法的に節税することが可能となります。
M&Aの売り手側のメリット
M&Aの売り手側の最大のメリットとしては、事業承継がされることで従業員の雇用を維持していけることです。
この他にも、M&Aの売り手側のメリットは様々なものがあります。
ここでは、M&Aの売り手側のメリットとして5つ解説します。
事業承継問題の解決
M&Aの売り手側のメリットの1つ目として、事業承継問題の解決が挙げられます。
近年では経営者の高齢化に伴う後継者不在から、事業承継の問題が深刻化しています。
親族や親族以外でも役員や従業員などから後継者が見つからないがどうしても廃業にできな場合は、M&Aでは事業承継問題の解決につながる方法の1つとなります。
M&Aを活用することで廃業を防ぐことができ、事業承継することが可能となります。
従業員の雇用が守られる
M&Aの売り手側のメリットの2つ目として、従業員の雇用が守られることがあります。
廃業などをしてしまうと、従業員は仕事を失い路頭に迷ってしまいます。
M&Aでは全ての資産などを引き継ぐことや従業員の雇用を維持することができ、従業員の生活などを守ることができるというメリットがあります。
創業者利潤の獲得
M&Aの売り手側のメリットの3つ目として、創業者利潤の獲得があります。
創業者は事業を売却し多額のキャッシュを取得することで、引退してからの生活資金を調達することができます。
長期にわたって会社を維持、成長をさせてきた創業者としての金銭的な最大の報酬は、このM&Aによる事業承継によって得ることができます。
売却益に対する税金は売却形式によって異なりますが、多額の創業者利潤の獲得できることが期待できます。
廃棄コストがかからない
M&Aの売り手側のメリットの4つ目として、廃棄コストがかからないことが挙げられます。
事業の撤退を決めて廃業する場合には設備や商品などを処分、廃業となると従業員への補償など様々な部分でコストが発生してしまいます。
さらに、廃業手続きにおける手間や費用もかかります。
M&Aを活用することで、これらの廃棄コストを大幅に抑えることができます。
事業の成長・発展
M&Aの売り手側のメリットの5つ目として事業の成長・発展があります。
M&Aを活用することで会社を売却をすれば、企業同士の経営資源を組み合わせて相乗効果を生み出せる「シナジー効果」も期待することができます。
また、事業承継により自社よりも大きい企業の傘下に入ることで、大企業の資本やインフラなどを利用し市場競争などに勝ち抜くことが可能となります。
このように事業承継によって、さらなる事業成長や発展を期待をすることができます。
M&Aのスキーム別のメリット
M&Aには様々な方法がありますが、自社の目的にあった方法を選ぶことが非常に大切です。
ここでは、M&Aで利用されることが多いスキーム別のメリットについて解説します。
株式譲渡
株式譲渡は企業の発行済みの株式を、買い手側の企業もしくは個人に譲渡することで経営権を移転させるM&Aのスキームの1つです。
M&Aは、100%の株式譲渡が一般的になっています。
メリットとしては、株式譲渡は株主がかわるだけであり、すべての資産やさまざまな契約などを引き継ぐことができるため、法的な手続きが比較的簡単にできるため便利である点になります。
また、売り手側の企業が一定期間は経営を継続していくため安定性も維持しやすいです。
これらが株式譲渡のメリットとなります。
事業譲渡
事業譲渡は買収の対象となる企業の事業を一部、もしくは全てを他の会社に譲渡する、事業承継するM&Aのスキームの1つです。
事業譲渡では対価として、現金が買収側の企業に支払われます。
買収の対象となる企業が特定の事業だけを譲渡したい、買い手側の企業が赤字事業は避ける場合などに利用されます。
メリットとしては、売り手側の企業としては手放すことができない事業や資産などを一部残すことができ、買い手側の企業は事業承継したい事業や資産のみを選ぶことができます。
これらが事業譲渡のメリットとなります。
会社分割
会社分割は、買収の対象となる企業の特定事業のみを承継するというM&Aのスキームです。
会社分割には、新設分割という新しく設立する会社に事業を承継するという分割と吸収分割というすでにある会社へ事業を承継するという分割の2つがあります。
この会社分割と事業譲渡は、特定の事業のみを事業承継することができるという点では同じなのですが、会社法などで違う部分がありますので、どちらが自社に合っているのかは確認することが必要です。
会社分割を行うことのメリットとしては、従業員の労働契約などを再度締結する必要がないことです。
他には対価は新株を発行すればいいので、資金を調達する必要はありません。
さらにスムーズに経営統合などを実現することができるので早期に買収の恩恵を受けることができます。
これらが会社分割のメリットとなります。
株式交換・株式移転
株式交換・株式移転は、買い手側の企業が買収対象の企業の発行済みの株式100%を取得することで、完全な親子関係を築けるというM&Aのスキームの1つです。
株式交換は、完全子会社となる会社の株主の保有する株式を完全親会社となる会社と交換するというスキームです。
株式移転は新たに設立する完全親会社となる会社の株式と交換するというスキームです。
株式交換・株式移転のメリットとしては買収の対象となる企業への対価が株式であるため、親会社は買収するための資金として現金を調達する必要がないことです。
また買収後も売り手側の企業が別の法人となっているため、経営統合などを急ぐ必要がないことです。
これらが会式交換・株式移転のメリットとなります。
新株引き受け
新株引き受けは、新株とよばれる既存の会社が新たに発行した株式を、優先して引き受けることができる権利です。
新株引き受けは、第三者割当増資ともいいます。
新株引き受けは、資金調達の方法としてよく知られていますが、企業同士での資本業務提携を目的としたM&Aでも多く利用されています。
メリットとしては、新株発行会社が株式を選ぶことができるため、自社と関わりがある企業に引き受けてもらうことで安定した関係性を築くことができます。
さらに公開買付などの規制の適用を受けることがないこともメリットとなります。
合併
合併は、2つ以上の複数の会社をひとつに統合することを目的としたM&Aのスキームです。
合併には、被合併会社が消滅し同時に新しい会社を設立して権利や資産を承継する新設合併と、被合併会社の権利や資産を1つの会社が引き継いで他の会社が消滅するという吸収合併という2つの方法があります。
メリットとしては会社が一体化されるため、M&A利用後の総合的な効果をスムーズに実現することができる点です。
さらに合併の対価を株式にすることで、買い手側の企業は資金の調達をすることなく買収が実現できます。
これらが合併のメリットとなります。
M&Aによる従業員へのメリット
M&Aを利用することで買収される側の企業も買い手側の企業も少なからずそれぞれの従業員に影響を与える可能性があります。
ここでは、M&Aによる効果への従業員へのメリットについて解説します。
職場環境の改善が期待される
M&Aによる従業員へのメリットの1つ目は、職場環境の改善が期待ができる点です。
M&Aを利用する前までは全く違う環境で働いていた従業員がM&Aにより同じ職場環境になります。
従業員同士が交流することで、今まで以上に働きやすい職場環境を築くことができ、改善効果が期待することができます。
福利厚生が改善される
M&Aによる従業員へのメリットの2つ目は、福利厚生が改善されることです。
職場環境の改善が期待されることと同様に、全く違う環境で働いている従業員同士で話をすることでそれぞれの企業でのよい制度などを受け入れ、福利厚生が改善がされ待遇などが良くなることがあります。
キャリアアップできるチャンスが増える
M&Aによる従業員へのメリットの3つ目は、キャリアアップできるチャンスが増えることです。
今まではなかったポジションが増えることでキャリアアップや新しい役職に就くことができる可能性が高くなります。
M&Aによる取引先・顧客へのメリット
M&Aを利用することで買収される側の企業も買い手側の企業もそれぞれの従業員に影響を与える可能性があるだけでなく、取引先や顧客へも影響を与えます。
ここでは、M&Aによる取引先・顧客へのメリットについて解説します。
商品ラインナップの増加
M&Aによる取引先・顧客へのメリットの1つ目は、商品ラインナップの増加です。
M&Aによって事業の拡大などが成功することで自社の商品やサービスなどが充実し、結果として生産性も上がることでしょう。
このように、M&Aにより取り入れた様々な技術などから商品ラインナップを増やすことができるため、取引先・顧客への満足度が高くなる可能性があります。
事業スケールアップのコストへの恩恵
M&Aによる取引先・顧客へのメリットの2つ目は、事業スケールアップのコストへの恩恵があることです。
M&Aによって事業拡大が成功することで会社全体のスケールアップが見込めます。
スケールアップによって事業の仕組み化が強化され、販売している商品の価格を低下させることなどの恩恵も受けることが可能になってきます。
このように、M&Aによって買い手側企業、売り手側企業の双方の顧客において、満足度が高くなる可能性があります。
事業存続による取引の継続
M&Aによる取引先・顧客へのメリットの3つ目は、買収した事業の取引を継続できる点です。
M&Aでは、買い手側の企業が買収対象の企業の事業を承継します。
事業を承継するため、買収対象側の企業の取引先はM&A実施後も今までと同じように継続して取引をすることが可能です。
M&Aのメリット・デメリットを理解して解決策を検討しよう
ここまで、M&Aにおけるメリットについて買い手側から売り手側目線でそれぞれ解説してきました。
それぞれの観点からM&Aとしての特徴なども含めて理解し、ベストな解決策を検討することが非常に重要です。
M&Aを成功させるには難しい知識も必要となりますので、M&A仲介会社に相談するなど業界の専門家に相談することもおすすめです。
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